BATTERESHIP KN.SUVOROV 帝政ロシア戦艦 クニャージ・スオロフ





別名、戦艦クニャージ・スワロフ。ここではスオロフと呼称しています。





1/350戦艦スオロフ(Княэь Суворов)船体の組み立て

今回製作するスオロフには、ロシアのイースタンエクスプレス社の1/350スケ
ールインジェクションキットを使用しました。

(BBSにお越しになられた麗星さんの情報によると、ズベズダ製と中身は同じ様です)

1/350スケールのスオロフは、他にズベズダ製があるようですが、イースタン
エクスプレス製のこのキットは、日本海海戦100周年のタイミングに合わせて
バウマンが輸入してくれたもので、日露戦争に興味のある艦船モデラーにとっ
ては非常に嬉しい配慮と言えるものでした。 

数年前までは、1/350で三笠とスオロフを揃えられるだなんて、夢物語も良い
ところでしたから、関係各社が与えてくれたこのチャンスを出来る限り生か
して行きたいと思います。

なお、このキットの購入自体は05年秋頃に行っていたのですが、その後なかな
か作る機会がなく、すっかり『積むキット』に成り果ててしまっていたのです
が、07年に製作を開始する頃には雑誌等の作例も僅かながら紹介され、ゴール
ドメダルやホワイトエンサインなどからディティールアップパーツもリリース
されたりと、購入当時と比べて少しばかりは組みやすい環境が整っていました。 

たまには待つことも必要であると思わされる経験でした。(笑)



ハセガワの1/350戦艦三笠は素晴らしい製品でしたが、イースタンのスワロフはかなり
手強いキットです。広告や宣伝を見る限りでは新製品の様な印象を受けますが、実際に
箱を開けてみると、本当に新製品と言えるのかには若干疑問が残りました。ヒケはそれ
ほど見当たらないのですが、各パーツのバリや表面の荒れが酷く、それなりに歴史ある
キットの雰囲気があります。ひょっとしたら、以前は共産圏に多かった国策商品のよう
な性質を持った製品だった可能性も伺えますね。



パーツに大きな反りが出ているため、左右の船体の合わせ目は目いっぱいすり合わせても、
これくらい出てしまいました。明治期のフランス流の造船スタイルは、船体上部が窄まっ
た『タンブルファーム』と呼ばれる船体形状が特徴で、日本の艦艇でも松島、厳島、橋立
の三景艦の船体形状に同様の形状を見ることができます。しかし、この独特の形状をイン
ジェクションの左右分割で再現するのにはかなり無理があったようで、甲板取り付け部の
形状の修正にはかなりの苦労を強いられる結果になりました。



船体下部と船首、船尾の合わせ目の処理は定石通り、パテ埋めにて行います。



しかし、本当に苦労するのは船底よりも甲板部分です。左右の船体パーツを調整しつつ
張りつけただけでは、上部が必要以上にすぼまってしまうため、このように角材を入れ
て広げておかないと、甲板パーツを組み込む事ができません。角材のフレームは簡単に
取り付けているように見えると思いますが、実際には甲板パーツをあてがいつつの現物
あわせになり、また取り付け部分も形状が安定しないので必要以上の苦労を強いられました。



角材フレームで甲板の取り付けスペースを出し、甲板および、別パーツの舷側部を取り付け
た様子です。日本艦とは違う、どことなく無骨というか、マッスルな感じというか、
某宮●駿監督的というか(笑)、特徴のある船体形状が見えてきました。



下塗りは、サフ処理の後、船体を艦底色、甲板を黄色に塗装しました。いつもながら、
この下塗り状態の船体の画像はなんとも不気味ですね。(笑) 

今回、外舷色に使用した塗料はGSIクレオスの『*ミッドナイトブルー』、甲板は
スオロフ専用に『タン』『ウッドブラウン』『黄橙色』を調合して自作し、外舷色
に合わせて日本海軍艦艇を作るときよりも少し濃い色味としました。 船底色は、
日本艦とイメージを変えて、より明るめの『ダルレッド』を使う事も検討したので
すが、結局いつもどおりの『艦底色』に落ち着きました。

また、甲板色塗装後には薄めたエナメルのフラットブラウンを流し込んでスミ入れ
とウォッシングを行っています。 このキットは板目が凹モールドで再現されてい
るため、自然に仕上がってくれました。

甲板パーツには、第一主砲塔の後部にパーティングラインがあるので、これは1000番
のサンドペーパーでサンディングし、スジ彫り部分はPカッターを入れて処理しておき
ました。



舷側の速射砲の取り付け部分は、甲板パーツを取り付ける前に先に接着しておき
ます。これらの取り付け部のパーツは、なぜが全てが船体側の受け側と異なった
形状に仕上げられているので、ひとつひとつヤスリですり合わせる必要があります。
また、とても実用的な強度を出せる仕組みにはなっていないので、完成後の脱落
を防ぐ為に、画像のように角材を内側下部に張りつけて補強しました。

このような感じですので、これからイースタンのスオロフを組む方は、「プラ
モデルを作る」という感覚を捨てて、レジンキットかメタルキットか、木製キ
ットなどを作るつもりで取り組んだ方が良いかもしれません。

ほぼ全てのパーツに何らかの手を加えないと形にしていけない状態は、なんとも
いえずたのくるしいものがあります。(笑)



塗装が終わり、説明書どおりに組みあがった船体の様子は、まるで深海魚のようです。



パーツ分割の関係で、舷側の一部には継ぎ目が出来るので、パテで補正しておき
ました。しかしここまでアップにするとツヤありの塗装を行っている事も手伝っ
て、表面の荒れが相当目立ちますね。

この時点でも相当にサンディングとサフ吹きを重ねた表面には仕上げてあるので
すが、最終的には強めの艶消しコーティングを施して、できる限りこの荒れた表面
を誤魔化そうと思います。



埋めた隙間は簡易的にマスキングしてエアブラシでタッチアップしておきます。


(*:ミッドナイトブルーについて● 神奈川のモデラー、こまっちさんによると、
ドラゴン社製のキットの組み立て説明書には『ミッドナイトブルー』は、
『ミッドナイトブハー』と記載されているそうです。(笑))

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