マストやクレーン、カタパルトおよび旗竿以外の構造物は、塗装前に全て組み立てを終えました。この写真は3か所に設置された測距儀とレーダーの塗装前の様子です。エッチングパーツの充実で、これらの装備も非常に精密感が高まりました。 |
ディティールアップを終えた各構造物を最上甲板パーツに仮乗せした様子。真鍮の地の色が美しく、ビスマルクの構造物の優美なシルエットも手伝って『絢爛豪華な御御輿』のような佇まいです。 |
後部からの見下ろしアングル。壁面の多くをエッチングに換えたおかげで精密感はもちろん、塗装後の発色も(金属感のある仕上がりが)大きく期待できます。 |
続いて、船体の組み立てに入ります。船体はフレームが二枚しかないことも手伝って全体的に合いが悪く、キールのあたりには1ミリ程度の段差ができてしまいました。また、スクリューブラケット周りの独特のパーツ分割の影響で、そのまま組むと船体より一段窪んだ状態となるため修正が必要になりました。 |
修正はひたすらパテを持って削り取る事の繰り返しです。ブラケットの窪みが思った以上に大きかったので、『埋める』というよりは『造型し直す』に近い作業となりました。 これほど広範囲の窪みですから段差なく綺麗に仕上げるにはパテ盛りと削り出しの作業を4〜5回ほど繰り返す必要がありました。 |
修正後の様子。苦労した甲斐あって半艶塗装でも段差はもちろん、ひずみもいっさい判らない状態にまで仕上げる事ができました。船体下部ということもあって完成後はあまり目立つ部分ではありませんが、当工房ではこのような部分も徹底的に美しく処理するように心がけています。 |
船体下部の注排水孔は日本艦ではあまり見られない巨大なフィンが付いた形状のもので、エッチングパーツを使用して奥行きのあるディティールに仕上げることができました。 |
船首と船尾のスワスチカは赤枠の中に白丸を塗装し、その上から黒で書きこみました(写真上側)。 主砲塔の天蓋は時期によって色が異なると言われていますが、今回はお客様のご希望でバルト海での訓練中に施されたとみられるカーマインレッドによる塗り分けを再現しました。 |
船体と構造物側面に施された直線的な迷彩塗装は、有名な『バルチックスキーム』です。構造物を階層ごとに別々に塗り分け、側面から見た時に一定のラインで繋がっていないといけないため、かなり難易度の高い塗り分けですが、仮組とマスキングと調整を繰り返しつつ注意深く塗り分けて行きました。 |
カメラレンズの位置と画角の関係で後部艦橋側面のラインが少しずれて見えますが、実際は(真横から見ると)きちんと繋がっています。『こういう迷彩はいったいどういう順序で塗り分けたらいいのか?』という質問をよく頂くのですが、順序などはケーズバイケースでして、実際の今回のビスマルクでも白を先に塗った部分もあればグレーを先に塗った部分もあり、一通り塗り分けを終えてから更に上塗りして発色を調整した部分もあります。 特に今回は汚し塗装なしでのご依頼ですので、色ムラや発色の違いを出さないよう、塗り分けには細心の注意を払いました。 |
その後、クレーンやマストなどを取り付けた様子。これらの艤装品の製作は次項にてご紹介します。 |
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