戦艦 大和
ニチモ 1/200 






ニチモキットを組んだことがある方でしたら、この画像をみてどこを換えたのか当てっこ
ができるかもしれません。(笑)




その他の艤装

1/200ニチモ戦艦大和ファインディティール製作記は、これまで船体や構造物など、各パートに分けて
ディティールアップした箇所や使用パーツについて解説してきましたが、その中で紹介できなかった
ディティールアップ内容や、後から付け足した部分、また、それらとは別項目にあたる内容を、これから
解説していきます。

全ては紹介しきれませんが、内容的にはこれまで同様、エッチングパーツの使用やパーツ本体の差し
替え、簡単な自作作業が中心です。

ディティールアップ箇所は見やすいように、船首から船尾まで順番にまとめました。


***フェアリーダー***

まず、フェアリーダーですが、これは船首、船尾供に、小西製作所の真鍮パーツに交換しました。

特に船尾のものは、小西製のものは大和ミュージアムでも採用されている最新資料に近い形状に仕上げ
られているため、船尾方向から眺めた姿を大変実感的にしてくれるものです。


↑大和の特徴でもある船首フェアリーダーおよび菊花紋章。キットと
同形状ですが、幾分シャープに仕上げられています。


↑こちらはキットのものとは全く違う最新考証に準じた形状の船尾フ
ェアリーダーです。


↑塗装接着後の船尾フェアリーダーの様子。コロの取り付け部を兼ねた形状となり、
左右に分割した状態を再現しているキットのパーツより実感的です。


***主錨***

主錨も、小西製作所の真鍮鋳造パーツを使用しました。 この主錨は、実物と同じく、錨本体とシャンク
(腕)が別構造になっており、なんと実物どおり接合部が稼動します。


↑大和の近年の考証にある、シャンクが錨甲板上に飛び出す仕組みを再現してくれて
いるのが実にありがたいのですが、ニチモキットはホースパイプの位置が異なるため、
シャンクの長さを切り詰めてニチモキットに合わせた長さに調整しました。


↑無理やりピントを調節したような画像ですが、本体とシャンクが実物に近い構造
で組み合わされているため、特に前方から見た際に錨底面の接合部が見えてリア
ルになりました。


***錨鎖孔***

錨鎖孔はゴールドメダルの追加パーツに逆転防止(?)カバーが付属していたので、例によって純正モ
ールドに貼り付ける方法でディティールアップしました。


↑シャンクが飛び出す構造は再現できませんでしたが、これまでの資料模型のスタンダートと
言える表現です。


***旗竿***

旗竿は、これだけの大きさの模型となると、そのままでは空中線を展開した際にテンションに耐えられなく
なる危険性があるので、真鍮線で自作しました。


↑旗竿は強度を考慮して、少し太めの0、8ミリ真鍮線で作り直しました。雑誌
の作例などで、旗竿やマストを細めの真鍮線などで繊細に仕上げた結果、空
中線にひっぱられてひん曲がっているような状況を良く見ます。 永く展示す
る模型の場合は、多少ディティールを犠牲にしてでも、後々痛んでこないよ
うな配慮も必要になってきます。


***錨見台***

錨見台はゴールドメダルの追加パーツから使用。予備の錨見台は折り畳んだ状態で設置し、航空作業
甲板脇には、船尾の副錨用の錨見台も設置しました。


↑錨見台、主錨、フェアリーダー、旗竿などが揃った錨甲板。ニチモの1/200大和キット
は、二訂版から錨鎖が付属しなくなったので、日曜大工店などで新たに仕入れなくては
いけなくなりました。 「二訂版」などと書かれると、内容はよくなっているのかのような印象
を受けますが、この場合は少し影響がマイナス面に出ているようです。


***キャプスタン***


↑キャプスタンに関しては別にたいした事はしていません。このような巨大な
ヒケを埋めたり、地味な修正処理が中心になりました。


***吃水ゲージ***

吃水ゲージはこれくらいのスケールになるとぜひとも再現したいところです。今回は小西製作所から
リリースされている汎用デカール(大和用もありますが、今回使用したのは汎用品)を貼り付けました。


↑1/200戦艦大和ファインディティール全景。一部の射撃指揮装置以外は組みあがってほぼ完成に近い
状態です。船首にはデカール再現の吃水ゲージも確認できます。


***リール***

リールには今回は久しぶりに糸を巻きました。ケバが出るのが欠点ですので、スケールを選んで再現する
ようにしていたのですが、1/200くらいの大きさともなると目だってくるポイントですので、全てのリールに1本
1本巻いていきました。


↑日本海軍艦艇模型の場合、巻かれる糸は黄色がかった色が多いようです。実際の
ケーブルの色ともなると、なかなか資料を見つけることができないため、ここでは先人
の模型作例に従った配色としています。


***カッター***

カッターはキットのものを使用し、左右舷側のキットの指定ダビッドに合計1艘取り付けました。 基本に従
った塗装を施し、ゴールドメダルの追加パーツよりオールのエッチングパーツを使用し、アクセントにして
います。


↑オールを再現し、アクセントにしたカッターの様子です。


***外筒砲操作台***

これは本来主砲のコーナーで紹介する内容なのかもしれませんが、その後、砲身側面にもワンポイント
のアクセントとして、映画「男たちの大和」でも目立っていた、外筒砲操作台を自作して取り付けました。

マニアの方から、「外筒砲本体は??」というツッコミを浴びそうですが、あくまでここはアクセントとしての
再現ですのでご容赦くださいませ。 外筒砲本体は実戦時には取り外されていた可能性が高いと考えて
いるのですが、操作台がそのときどういう状態になっていたのかまでは分かりません。


↑これも例によってプラバンを切って貼っただけの簡単工作ですが、雰囲気は悪くないと思います。
 

***マスト取り付け部の加工***

これはディティールアップという内容ではないのですが、以前の煙突、マストのディティールアップのコ
ーナーを掲載したあとに質問メールを頂いたので、取り付け例を画像付きで紹介します。


↑キットのパーツは三脚支柱が前1本、後ろ2本の形状で成型されてますが、小西のパーツは新考証
の前2本、後ろ1本の形状で作られているため、そのままでは取り付けることができません。よって、写真
のように、もともと彫られている取り付け穴はプラロッドとパテで塞ぎ、小西マストの脚配置に合わせた
前2箇所、後ろ1箇所の穴あけを新たに行って取り付けました。


***94式4、5m高射装置および舷灯***

この高射装置は、当初ディティールアップのリストには入ってなかったのですが、キットのパーツを見て
「こりゃヤバい!」と思って、急いで小西パーツの追加購入を行うことになりました。

特に艦橋脇のこの部分は、中央構造物でも大変目立つ部分ですので、ここがキットパーツのままですと、
どんなに艦橋や中央構造物をディティールアップしても、これまでの苦労が全部ムダになってしまいます。



↑これが問題の94式高射装置のキットパーツです。艦船艤装の仕組みに通じている方でしたら
すぐに分かると思いますが、このまま取り付けるのは大問題です。 なんせ測距儀本体がないの
ですから(爆)。 仮に爆風避カバーが降りた状態としても、このように「つるん」とした表面ではモ
ールド追加も難しいですし、第一カバーが太すぎます。

この高射装置の再現の甘さについては、最近拝見した他の1/200大和製作者のサイトでも指摘されておりま
したし、リスト作成の時点で、この部分を見逃していたのは今更ながら恥ずかしい思いです。

後部の高射装置はちゃんと測距儀が再現されているのに、前部のものは爆風避カバーのシルエットが
キット設計者のイメージ作りのジャマをしたのか?少し勘違いしたような造型に仕上がっています。 
当時としては、艦船の仕組みに非常に詳しかったニチモさんにしては珍しいことですね。


↑よって、ここも小西パーツへの差し替えを行いました。こちらはもちろん測距儀も再現されていて、
大きさもニチモパーツより少し小さめでスケール感があります。また、別売りパーツですが、ニチモ
キットでは省略されている舷灯もパーツ化されていたので、合わせて使用しました。


↑塗装を終えた高射装置。手前がニチモパーツ、後ろが小西パーツで、ディティールの違いは
明確です。当初は測距儀部分のみ自作することも検討したのですが、小西製のパーツの方が
観測室の形状も正確ですので、結果的にはパーツ本体の差し替えは良い選択になったと思います。


***機銃射撃指揮装置支柱***

機銃射撃指揮装置は、捷一号作戦時以降の大和には数多く装備されておりますが、後部艦橋左右の
指揮装置の支柱の形状が、従来の円柱形状ではなく、実は四角柱形状だったという考証が近年出て
きました。

この形状はプラモデルではもちろんのこと、小西パーツでもまだ再現されていない部分ですので、今回
はそれらに先駆けて最新考証に作り変えることにしました。


↑工作方法はいたって簡単。支柱を切り取り、長さを合わせたプラ角棒を接着するだけです。
この程度の作業で、ミュージアムモデルや資料模型により近い仕上がりにできるのですから
非常にお得な作業という気がします。


↑塗装、接着を終えた射撃指揮装置および支柱。この支柱形状は大和ミュージアムでも採用
されているものです。


***高角砲座角材足場***

高角砲座を小西製作所のパーツに差し替えたという話題は、前々回の中央構造物のコーナーに掲載し
ましたが、近年の1/350作例と同様に、ここでも角材の足場を再現しました。

この表現は、日本海軍艦艇模型保存会の河井先生の1/100モデルを参考に、前面のみの配置としました。


↑スペースの関係で、今回は一本の角材を渡した表現になりました。材料は、細切りのウォールナット
材を使用しているのですが、木材本来の色味となると、甲板部分の塗装による木甲板再現の発色との
差異が目立つことになるので、デザートイエローで塗装して接着しました。


***内火艇搬入口周辺のディティールアップ***

内火艇搬入口上面の航空作業甲板支柱は、キットでも単体パーツとして表現されているため、ゴールド
メダルの追加パーツには含まれていません。 ここでは、大和ミュージアムで見学した1/10モデルでの
表現を真似て、手摺およびタラップの追加を行いました。


↑大和ミュージアムでの表現にならった内火艇搬入口周りの再現です。タラップはゴールドメダルの追加
パーツのものを使用し、踊り場はプラバンにて自作しました。


↑船体の組み立てのコーナーでも紹介した、格納庫ハッチ表面の様子。


***一部の舷側モールドを追加***

今回は舷側のモールドは基本的にキットのものをそのまま使用し、その上に鋼板継ぎ目などを追加した
再現としてきたわけですが、ここにもワンポイントの簡易工作で、より実感的に見えるよう加工を施しました。


↑これは右舷船尾付近に設けられたスカッパー(?)をプラ角棒で自作したもの
です。大和ミュージアムの1/10モデルを見学した際に発見したもので、これも簡単
な工作ながら、ニチモ大和を新しい考証に近づけるために一役買ってくれています。


***スクリュープロペラ***

スクリュープロペラは、今回は4枚とも小西製作所の大和パーツに差し替えました。 


↑小西のスクリュープロペラは、同社の飾り台などと同じピカピカのメッキが施されて高級感に溢れて
います。 ブラケット側は、シャフトのネジが切られてなく、また適当な径の穴も開けられていないため、
裏面のくぼみにゼリー状の瞬間接着剤を盛り付け、プライマーで強制固着させてシャフトを埋め込む形
で固定しました。


***舵のディティールアップ***

舵はこれくらいのスケールともなると、少しくらいディティールを追加したくなるところです。 舵のディ
ティールアップは、模型の作者や実物の解釈によって、いろいろな種類がありますが、ここでは大和
ミュージアムの1/10モデルに近づけた表現としました。


↑久々に登場。キットパーツのプレーンな状態の舵です。(笑)


↑バリ取りなどの基本工作の後は、このようにプラバンを貼り付けて補強板としました。


***空中線展開***

空中線は大和の正確な資料がないのか?これも模型や作者によって、結構まちまちです。

HIGH-GEARed HOBBY WORKS!!での大和作例でも、これまでいろいろな再現を行ってきたのです
が、今回は大和ミュージアム見学の経験を生かして、1/10大和を参考に、比較的新しい資料本のイラス
トなどを参考にしました。


↑空中線に使用した材料は、フラグシップの着色テグスです。煙突側面からマストに伸びる空中線は
大和ミュージアムのものを参考にし、ガイシを模した塗装も大和ミュージアムでの表現にならって、白い
ものと茶色いもの(木製)を使い分けています。


↑大和ミュージアム見学によって、後部電探室付近とマスト、後部艦橋周りの展開
など、これまで分かりづらくて苦労していた部分がかなりはっきりしました。もちろん、
大和ミュージアムが100パーセントの正解とは限らないのですが、このようなお手本が
あれば、模型を作る側としても参考のしがいがあります。 結果、空中線の本数もこれ
までの大和作例での中で最も多くなりました。




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