戦艦 大和
ニチモ 1/200 






隙間の出やすい第二主砲塔側面周りはしっかり固定しておきました。



甲板


↑構造物も隙間なく綺麗に収まっています


***甲板パーツの組み付けと塗装***

ニチモ1/200戦艦大和の甲板は5分割されたパーツ構成で入っています。 大きいキットゆえのことで仕方の
ないことですが、前述のとおりパーツの収縮率が違うため、隙間なく合わせるには、それなりのコツと経験が
必要でした。

木甲板パーツは、甲板パーツ全体(船首錨甲板、航空作業甲板を含む)の位置だしを行ったあとに、先にふ
たつに分割されたパーツどうしを接着し、更に上部構造物を接着した後に、船体に接着します。

その隙間をパテで埋めることは、前回の「船体の組み立てと塗装」の際に紹介したのですが、このときに舷側
側に不規則に並んだピンホールも一緒に埋めてしまいます。

このピンホールは、キットに付属した手摺パーツ取り付けに使用するため、開けられているものなのですが、
この手摺は板状の柱に金属線を通す仕組みで形状が実感に乏しく、また、位置も内側に入りすぎていて不
自然なため、使用することはありませんし、必要のないものです。

これまでの作例では、天幕支柱のガイドに使うこともあったのですが、今回は天幕支柱を再現しないため、
全て埋めて平らにならしておきました。


↑またしてもピンボケ画像で申し訳ございませんが、木甲板パーツ
のフチにはこのように、手摺取り付け用のピンホールが並んでいるので
これらは塗装前に全て埋めておきます。

木甲板の塗装には、船体との発色に変化をつけるため、黄色の下地を作ってから塗装を行いました。

まず、黄色の下に更なる下地として、ベースホワイトを塗装し、茶色のパーツ成型色を完全に隠蔽してしまい
ます。 続いて、GSIクレオスMrカラーの「黄橙色」を全体に吹き付け、一度黄色の甲板に仕上げてしまいます。


↑これが黄色下地の更に下の下地にあたる、白下地です。塗装は何色も重ねる
ことになるので、厚塗りにならないよう、薄く塗っては乾かし、薄く塗っては乾かしを
繰り返しました。


↑そしてこちらは少し異様な(笑)黄色下地の様子です。艶もあるので何ともいえない雰囲気に仕
上がってしまってます。 しかし、この下地は完成後の発色に大きな影響を与えるため、最近では
かかせない作業になりました。塗膜が幾重にも重なり、塗装作業の回数が多くなる分、埃を噛むリ
スクもそれだけ高まりますので、塗装前には必ずOA機器用のエアスプレーでゴミを飛ばしながらの
作業となりました。

本塗装は、GSIクレオスMrカラーのタンとウッドブラウン、黄橙色、カーキなどを数色混色し、好みの色合いに
調整し、フラットベースを多めに混ぜた色をエアブラシで塗装しました。 仕上げにマホガニーをレベリング薄
め液でかなり薄めに薄めたものを軽くコートして色彩に立体感を出しました。


↑塗装が終わり、船体に接着された木甲板。実際の色彩は、この写真でみるより深みがあるもので、特に
光の当たった時の発色が実感的になりました。

捷一号作戦時の大和は、実際には黒く塗装されていたという証言や写真資料などが残っており、こうした
事実はほぼ間違いないと今日では言われるようになりましたが、今回は模型映えを重点に置き、木甲板
色での塗装再現となりました。


***各種甲板艤装のディティールアップ***

今回は、主砲や副砲、構造物といった大きなもの以外に、甲板上の細かな艤装パーツのディティールアッ
プなども意識的に行いました。 これらのディティールアップには、小西製作所の金属パーツのほかに、今回
初導入の、ゴールドメダルモデルズの追加パーツが大変役立ちました。


↑ひとつ上の画像にも映りこんでますが、副砲バーペッド側面の機銃ブルワークは、
小西製作所の金属パーツに交換してあります。 


↑純正パーツ(左)と比較した小西製作所パーツ(右)。小西パーツはキットパーツと比較してブルワークが
薄く、高さは高く作られており、内部の滑り止め加工やブルワーク内側の補強リブなども再現されているので、
取り替えるだけで機銃周りの印象を随分シャープにすることが可能です。 価格的にもお求めやすいので、
自作が面倒という方などには特にオススメです。


ゴールドメダルモデルズの追加パーツの中には、キットの純正モールドに貼り付けることでモールド表面を
精密化するタイプのエッチングパーツが多く含まれていて、非常に手軽に精密感を演出できるとあって、
今回の甲板ディティールアップに大きく貢献してくれました。


↑これは、甲板上に設けられた昇降ハッチ類のモールドに貼り付けることで、実物のハッチに似せた
モールドを再現するためのパーツで、1/200大和用に調整された数種類の大きさのものが付属してい
ました。


↑これがパーツ貼り付け後のハッチモールドの様子。表面が平らになって
いる純正モールドと比較すると立体感が段違いで、今にもハッチが開いて水
兵、士官が甲板上に上がって来そうな生き生きとした表現になっています。


↑捷一号作戦時の大和には、前部甲板上に単装機銃が多数並べられていたということですが、これ
らを装備する際に使用された可能性のある移動用橇のパーツも、ゴールドメダル追加パーツに含ま
れるため、使用してみました。 大戦後期に単装機銃の仮設のために良く使用された橇の形状を
正確にエッチングパーツ化してあります。


↑橇および単装機銃の位置だしを正確に行うため、接着前に甲板にマーキング
を行いました。


↑橇式単装機銃および昇降ハッチのエッチングパーツ貼り付けを終えた波除板周辺の様子。波除板は取り
付けガイドがないので、仮置きしつつ位置を出し、流し込み接着剤にて固定しました。


↑これは錨甲板後部にある号令台。大和の生涯を語る上でも、ドラマチックなシーンが数多く展開
されてきた場所だけに、手摺や梯子など、「人の臭いを感じさせる表現」が必要不可欠な部分です。


↑大和のボラードは爆圧対策のため、上部中心線上に穴が開けられていたという資料に基づい
て、上部をピンバイスで開口してみました。 穴を開けるとどうして爆圧対策になるのか?そのメ
カニズムまでは分からないのですが、大和ミュージアムの1/10モデルや尾道の実物大ロケセット
でも、同様の表現がなされていました。


↑これは本来主砲のコーナーで紹介するべき内容かもしれませんが、第二主砲バーぺッ
ド背面にはゴールドメダル追加パーツから吸気口フィンを貼り付け、モールドのメリハリを演
出しました。 


***手摺の再現***

続いて、甲板上では最も目立つ手摺の取り付けですが、今回はこれまで使用してきた、柱とチェーンが一体
となったエッチングパーツを使用する方法から、柱とテグスを使った再現方法に切り替えました。

この方法は、1/200駆逐艦の製作の際に試験的に使用したことがこれまであったのですが、手摺柱と横棒(チ
ェーン)の太さの違いが、厚みが一定に設定された一体型エッチングパーツと比較して実感的で、また、柱の
間隔が自由に取れるため、使用箇所を選ばない利点が大変気に入っていたので、今回の大和製作の際には
ぜひ使用したいと考えてました。

取り付けにはエッチング手摺と比較してかなりの手間を要するものですが、やはりここは仕上がりを重視した
い一心で、200本以上の柱を立て、テグスを柱の穴に400回以上通して行きました。


↑これが小西製作所の手摺用の柱パーツで、厚めのエッチング板で作られています。以前は、この手の
手摺再現は、精密真鍮鋳造パーツに頼る必要があったため、コストも大変なものだったのですが、小西が
このようにエッチングパーツとしてリリースしてくれたことにより、コストは大幅に抑えられるようになりました。


↑ます、0、9ミリのピンバイスで舷側部分に12mm間隔で船首から船尾まで順番に穴を開けていきます。


↑続いて、エッチング板から切り離し、塗装した柱をこのように1本1本差し込んで手摺柱を再現
していきます。 白く見える部分について質問を頂くことが多いのですが、これは瞬間接着剤が
固着する際に発生する白化現象が行っている部分で、製作記の画像の中にたくさん確認できま
すが、これは最後のクリアー吹きの際に消えてしまうのであまり気にする必要はありません。 シ
ンナー吹きでも同様の効果があります。


↑この角度で見ると、1本1本の柱に穴が2段開けられていることがわかります。この穴に
テグスを差し込んで手摺を再現していくわけですが、テグスはパーツには含まれないの
で、市販品を使用しました。 ビーズアクセサリーを組み立てていくような作業を思わせ
ます。


↑手摺完成。 エッチングパーツによる再現とはまた違った雰囲気で気に入りました。



next


左側にメニューページが表示されない場合はここをクリック

艦船模型製作代行 モデルファクトリー ハイギヤードはこちら

スケールモデル完成品販売ネットショップ CHERRY&ANCHORはこちら

■管理人オススメ!本格海戦ゲームアプリ「蒼焔の艦隊」■


↑Android版のダウンロードはこちら↑

↑iOS版のダウンロードはこちら↑

フル3Dで作成された艦艇で迫力の大海戦を勝ち抜いていくゲーム。無料にて配信中!(一部有料アイテムあり)








inserted by FC2 system