戦艦 大和
ニチモ 1/200 






飾り脚取り付け穴の位置だし中の様子。船底にボルトを埋め込みました。



船体

船体は基本的にニチモのキットの船体をそのまま使用したもので、この部分に関してはパーツ(?)の差し替
えや、船体のシルエットを変えてしまうような大改造は行っていません。

ディティールアップは、いつも当サイトで行っている基本的な内容のものを盛り込み、印象を引き締めました
が、今回一番気を使ったのは、その大きさゆえ、そのまま組もうとすると隙間だらけになってしまうモノコック構
造の船体および板パーツの甲板、一体成型の上部構造物パーツの隙間を限りなくゼロに近づけるという点です。


***鋼板継ぎ目および注排水口再現***

まず、船体舷側の処理ですが、HIGH-GEARed HOBBY WORKS!!の大型スケールの艦船模型では定番
となっているサフ階層による鋼板継ぎ目再現を行いました。

最近は鋼板継ぎ目の再現をされる艦船モデラーの方も増えてきたようで、雑誌などをみても、細切りのプラ
バンを使ったり、幅のあるプラシートを貼り付けたりする方法など、いろいろな方法が紹介されていますが、
個人的にはこのサフ階層を使った方法が最も気に入っています。

作業的にはマスキングテープを貼ってサーフェーサーを吹き重ねているという作業の繰り返しで、1/500程度の
船体ならいざしらず、このような1メートルを越える大きな船体に行うときは、大海原に漕ぎ出すような(笑)なん
とも言えない気分で作業を進めていくことになります。 帆船模型の外板を一枚一枚貼っていくような、焦り
の許されない根気のいる作業(こちらは素材が紙なので幾らか楽ではあります)ですが、完成したときの満足度
はプレーンな状態の舷側を見るのと比べ物にならないもので、もはやかかせない作業になりました。


↑横のラインを追加している作業途中の画像です。このようにマスキングをしてからサフ
を吹き、乾燥後にテープを剥がすと塗膜の段差が生まれます。この段差を利用した表現方法です。
今回は晴天の日中を朝から日暮れまでかけて約2日間を、鋼板継ぎ目追加作業に費や
しました。


↑縦のラインの追加作業。均等な長さに切ったマスキングテープを貼り付け、同様の
作業を行います。汚水捨管や舷外消磁電路、閉塞された舷窓などにかかる
部分はデザインナイフで切り抜くことで、モールド上に継ぎ目が出ないように調整します。


↑作業を終えたばかりの舷側(未塗装)の様子。プラバン貼り付けによるモールド追加
もそうですが、こうした表現は単純な造型のパーツに効果的なディティールアップです。


↑船体中央部側面。鋼板の重なりについては実艦の正確な資料があるわけでもない
ので、自由な発想で行っています。


注排水口は、資料に従った部分を中心に、模型としても見栄えが悪くならない程度の
バランスを考えて、ピンバイスでひとつひとつ開けていきました。 船体が大きいので、
左右の位置に違いがでないように、ひとつひとつスケールで計測して位置を正確に出
していく必要があります。


***内火艇格納庫周りのディティールアップ***

内火艇格納庫周りの船体の成型処理は、このニチモキットは独特の分割方法で行われているため、そのまま
組み立てると舷側に大きな隙間を残してしまうことになります。

この部分は航空作業甲板のパーツとの前後の位置関係をしっかり把握した位置に正確に接着し、隙間はパ
テで埋めることによって、継ぎ目を目立たなくする努力をしてみました。

内火艇格納庫ハッチは何のモールドもなく、また後付けパーツもありませんので、例によってプラバンによる
モールド追加とエッチングパーツ使用にて人員用の出入り口の再現を行ってみました。


↑内火艇格納庫ハッチの様子。あまり目立たない部分ですが、キットパーツ
が大味なだけに、なかなかやり甲斐のディティールアップという気がします。


***船体の組み立て***

このキットを一回でも組んだことのある方ならお分かりになると思いますが、各部品の収縮率の差などがあっ
て、船体と甲板の間の大きいところでは3ミリ程度の隙間が開いてしまい、また大和坂の影響などで上部構造
物の合いも非常に良くありません。

これらのパーツの合いの悪さを「ごまかす」にはそれなりの1/200大和製作経験が必要なようで、雑誌などに掲
載されているニチモベースの1/200大和作例などでも中央構造物前面に隙間が生じている状況を確認するこ
とが多く、名のあるプロの方でも、このあたりの処理には苦労されている様子が伺えます。

これを防ぐためには、一般的に行われることの多い、船体と甲板の接着のあとに構造物を取り付けるという順
番を変え、先に甲板に構造物を取り付け、それから構造物の付いた甲板を船体と接着するという方法をとった
方が上手くいきます。

構造物を甲板に接着する時点で、あとから浮いてきやすい構造物前面をしっかり固定しておけば、甲板パー
ツも船体に取り付ける時点で構造物に合ったアールを自然と出してくれます。


組み立ての順序としましては、一度甲板パーツを船体の上で仮組みして位置関係を確認し、木甲板パーツ
の2枚を接着します。 このとき、船首錨甲板と航空作業甲板の位置関係に合わせて接着するため、2枚の
木甲板パーツには若干の隙間ができてしまいますので、ここはパテ埋めを行うことで、少しでも隙間が目立た
ないように処理します。


↑木甲板パーツ2枚のパテ埋めの様子です。

続いて、構造物を木甲板に固定するのですが、今回は色分けをはっきりさせるために、先にそれぞれのパ
ーツを塗装しておきました。 先にパーツを塗装している場合、接着剤がはみ出すと修正が困難になります
ので、特に流し込みタイプの接着剤を使用するときには重々注意しなくてはいけません。


↑モールド追加作業中の船体と下地塗装中の甲板の仮組みの様子です。


↑クランプを総動員して甲板パーツに構造物を固定している様子です。例によって、
ツープライボディのソリッドギターの組み立てを思わせます。

スチロール接着剤で仮止めして一晩置き、続いて流し込み接着剤を流して一晩置き、内側にプラ角棒を
接着して一晩置き、最後はエポキシ接着剤で内部をコーキングして更にエポキシパテを充填し、
「何があっても剥がれない」強靭な接着状態を作り出しておきました。

船体は基本的に甲板パーツより幅が広めになっているので、これは部分的にプラロッドを船体内側に貼って、
外側に広がろうとする舷側部分のひずみを修正してから、甲板パーツを隙間のないようにクランプでしっかりと
止め、構造物の接着の際に書いた内容と同様の「強靭な接着」作業を行って、船体の組み立て完了です。

これらの一連の作業は主砲のバーペッド取り付け穴から行いました。 


↑組みあがった船体に、製作の済んだ各構造物を仮置きしてみました。 ニチモの
船体形状は近年の考証とは少し違うようですが、こうしてみると、どうしてなかなか良
い雰囲気に見えます。 タミヤキットなどと比べると、艦橋などが大きく見えるのが特徴
ですが、バランスの良いシルエットは個人的にも気に入っているところです。


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