帆船 セントルイス
グンゼ産業 エアフィックス インジェクションキット






ロープワークは艦船模型と比較して模型の中でのウエイトが非常に
大きいため、製作中でもっともやりがいのある部分といえます。




マストの設置とリギングの展開

帆船模型はその名のとおり帆の力で進む船の模型ですから、帆をつける
マストがないことにははじまりません。この帆船模型はプラモデルです
ので、マストも当然プラ製で基本的には組み合わせるだけです。

そういうと簡単なのですが、ここでも年代モノのキットならではの問題
がでてきました。非常に基本的なことなのですが、マストを設置するた
めに開けられた甲板上の穴とマスト側の出っ張りのモールドの大きさが
目でみるだけでもあまりに違いすぎました。

出っ張リのモールドが穴に比べて小さいのなら大した問題ではないので
すが、この場合は穴の方がちいさすぎました。

『ガンプラ=プラモデル』と考えている人には理解できないかもしれま
せんが、これはこの年代の輸入プラキットの常でして、しかもこの時代
のキットのプラスチック素材は気泡だらけのため(経年劣化もあると思
いますが)強度は現在のプラの強度の(体感的に)十分の一程度のもの
で、穴を広げるためにヤスリを入れるだけで簡単にパキパキ割れてしま
うほど粗悪な素材が使用されています。

(残念ながら、マスト組み立て時の画像を紛失してしまいました)

それではいくらなんでも具合がわるいので出っ張りのモールドを削るこ
とにしました。が・・・こちらも努力むなしくナイフの力だけで根元か
らポッキリと折れてしまいました。最終的には瞬間接着剤による面と点
の接着です。(苦笑)しかしこんなに簡単に折れるモールドなら、あっ
てもなくても強度には大差なかったかもしれません。

マストとヤードの固定はカッティングマットの升目を利用しながらこれ
も強度を考えてゼリー状の瞬間接着剤をプライマーを使用して固定しま
した。


↑マストとヤードの固定部分の金具などを細かく塗装して質感の違いを
再現しておくと実感がでます。


↑マストの接着は後からの修正がきかないためにバランスを考えて慎重
に行います。この時の作業がいいかげんだと、あとからリギングを張る
時に苦労します。


次にリギング(ロープワークのことです)を張るのですが、キットの組
み立て説明書には簡易的にしかロープの張り方が掲載されていませんで
した。


↑このガイドだけではあまりに寂しいリギングになってしまうため、手
元にあったコーレルのカタログを見て増やしてみました。

以前にコンステチューションのようなフリゲート艦やカティーサークの様
なクリッパー船の模型はこれまで経験していますが、ガレオンタイプの
帆船のリギングを張るのはこれがはじめての作業だったので、かなり見
よう見真似の作業になります。

参考にした船は戦列艦前の大型ガレオン船のリギングということで、ス
ウェーデン戦艦のワサとフランス戦艦のラ・クローンです。実際、セン
トルイスはワサでの教訓を元に設計された艦ということで、年代的にも
比較的近いのでマストの構成も含めてとても参考になりました。


まずは静柵から張り始めました。キットには2種類の太さの糸が付属して
いたのですが、ここでは太い糸を使用しました。糸を張り始めると、そ
れなりに帆船模型の雰囲気が出てきました。以前に同シリーズのロイヤ
ル・サブリンを製作したときはまだ技術や知識が足りなかったこともあ
ってリギングは省略(というよりリギングなしで完成のつもりだった?)
していたので、これは実にもったいないことをしていたと思わされる作
業でした。


↑縄梯子はテグスを編みこんだ(というより溶かし込んだ?)ものがキ
ットに付属しているので、これのいらない部分を切って適当に大きさを
合わせて使用します。縄梯子の再現はキットによってさまざまで、プラ
製でインジェクションされているものもあれば、型紙だけ用意されてい
て、自分で糸を編んで作りなさいという指示のされたものもあります。


↑これがいらない部分を切り取った後の状態です。こういうパーツの再
現方法ははじめてみました。手間がかからなくて厚みも比較的実感的と
いう意味で、帆船模型を気軽に楽しみたいユーザーにとっては最適の方
法かもしれません。


↑マスト全景。


↑縄梯子を取り付け、リギングの8割程度を張り終えたところです。帆
船マニアの方には、そんなリギングで荒海を航海できるかと突っ込み
を浴びそうですが、見よう見真似で仕上げました。しかしキットの指示
よりは幾分良くなったとは思います。(笑)



↑横からのカット。メインデッキ上に白いグレーチングが乗っています。
この船は前後のデッキどうしをつなぐ形でこのようなグレーチングがと
りつけられていたみたいです。せっかく作ったメインデッキの大砲がみ
えなくなるほかに、このグレーチングが妙に不恰好に見えたものですか
ら装着は勇気がいりましたが、ここは解説書に従うことにします。

あとは細かいパーツの取り付けや船体のつや消し、仕上げなど、残りの
作業はあとわずかとなりました。



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