帆船 セントルイス
グンゼ産業 エアフィックス インジェクションキット






徐々に帆船模型の豪華絢爛な雰囲気が出始めました。



大砲の装備

セントルイスは戦艦ですから大砲を装備します。当時はまだ戦列戦術が
未発達の時代でしたから、海戦は基本的に1対1で舷側が接触しあわない
ばかりに接近し、敵艦のマストやヤードを大砲で撃ち倒し、航行不能の
状態とすることを戦闘の目的としました。

この時、敵艦を沈めるには喫水線下を狙い撃つのが効率的なのですが、
大砲の狙いが船を操作するマストや乗員だった理由は、膨大な建造費の
かかる戦艦は沈めてしまうより、拿捕して自国の艦隊に取り入れるほう
が遥かに得だったからです。

話はそれましたが、こうした理由から、当時の戦艦の性能は基本的に大
砲の数イコールその艦の攻撃力と評価されました。セントルイスは1200
トンの船体にオランダ製の60門の大砲を装備していますが、これは当時
としては大変な巨艦で、当時フランス海軍を代表する5隻の戦艦の中の
1隻だったと想像します。


しかしながら、ガレオン船のような重心の高い船体に60門もの大砲を何
も考えずに搭載すれば、横風や波の影響であっという間に船は転覆し、
沈没してしまいます。(実際に重心バランスを考慮しなかったために処
女航海に出航した直後に転覆沈没したスウェーデンのワサという巨大戦
艦の悲劇の例があります)そこで船の安定性を保つべく、大きい口径の
重い大砲を下のデッキに、そして上のデッキに積む大砲ほど口径の小さ
いものにして重心を下げる工夫をしました。


↑セントルイスに搭載される大砲は全部で5種類。全て口径が異なり、デ
ッキごとの重量バランスをうまく保つように工夫されています。このキ
ットでは、見えない部分の砲座のディティールは省略されてました。


↑大砲は全てランナーにつけた状態で塗装し、ランナーから切り離したあ
とに砲口をピンバイスにて開口、ゲートと砲口をあとからタッチアップ
しました。


↑甲板上の大砲は全て砲座が再現されます。陸上の大砲と違って仰角を
設定する装置がつけられていない理由は簡単です。船の横揺れに従って
大砲が下を向いた時には喫水線下を、そして上を向いた時にはマストや
リギングを狙って撃てるからです。『狙う』というよりは『待つ』とい
った感覚でしょうか? 大砲は発射すれば衝撃でうしろへ下がるので、
砲身から弾を、そして基部から火薬を入れて大砲を押し戻し、松明で火
薬に点火して発射します。 艦首追撃砲は船体にしっかり固定されている
必要があるため、車輪がついていません。


甲板上の大砲の次は、舷側の大砲の再現です。こちらは砲座が再現され
ていないため、棒状の砲身パーツを差し込んで再現します。もちろん、
こちらも砲口も合わせて60門すべてピンバイスで開口します。舷側の大
砲はデッキ上の大砲と比較して口径が大きいので、ピンバイスのドリル
径もそれに合わせてやると実感が沸きます。


↑舷側の扉は航海中は閉じられているのですが、戦闘や港内の行事など
祝砲が用意される時には開放されます。帆船模型は模型映えが命ですか
らもちろん扉を開放した状態で再現するのですが、扉自体の塗装に加え、
裏側に塗られている艦内の隔壁色(ブルワークと同じ赤)の再現や金属
のヒンジ部分の塗装を再現しておくと ただの扉もぐっと引き締まって
見えます。


↑大砲と扉を装備し終えた状態。上のデッキにいくに従って大砲の口径
が細くなるのがわかります。



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