空母赤城、飛龍、実艦について




空母赤城について



太平洋戦争の始まる直前、日本海軍は航空兵力を中心とする新たな艦隊編成をはじ
めていました。これがいわゆる機動部隊です。当時、『虎の子』と呼ばれていた航
空艦隊の精鋭4隻のうちの2隻が、この赤城と飛龍です。

赤城は当初、日露戦争時代の艦をすべて作りなおす八八艦隊整備計画の一環として
天城型巡洋戦艦4隻のうちの1隻としての建造が進められていたのですが、ワシン
トン軍縮条約により、日本海軍の戦艦保有数に制限がかけられ、空母に改装され、
日本軍では鳳翔に次ぐ二隻目の本格的航空母艦として完成しました。

空母として完成した直後は世界でも他に類を見ない発艦、着艦が同時に行えるよう
に工夫された三段甲板式航空母艦で(宇宙戦艦ヤマトをご覧になった方ですと分か
る艦形だと思います・笑)兵装も、機銃、高角砲以外に、20mm砲10門と中型巡洋艦
並みの攻撃力を持った珍しいものでした。


赤城。三段空母時代の艦首。
(画像提供 shingo氏)

しかし、この三段空母は航空機の性能が上がるにつれ、より長い飛行甲板を使用す
る必要があるため後に廃止され、長さ250m、幅30mの広大な一枚甲板に変更する大
改装が行われました。改装の後は第一航空艦隊の旗艦に就役し、南雲忠一提督指揮
のもとに、真珠湾奇襲作戦で大勝利をおさめ、世界最強の空母、機動部隊と世界に
その名を知らしめますが、ミッドウェー海戦において甲板上で兵装転換のさなか、
米エンタープライズ機の攻撃により、2発の爆弾が命中。発進準備中の航空機やその
爆弾への誘爆をおこして大火災に見まわれ第4駆逐艦隊の魚雷により沈没処分され
ました。




空母飛龍について



飛龍は日本海軍が開発した空母の中でも極めて優秀とされた中型空母で当時、英国
のアークロイヤル型、米国のヨークタウン型と並び賞される最新鋭の高速空母でし
た(蒼龍型改)。

艦形は巡洋戦艦から改装された赤城や戦艦から改装された加賀等に比べると重心が
低く、安定感のあるデザインをしています。

就役後は知勇兼備の名将と言われた山口多聞少将指揮の元、赤城らと行動を共にし
た真珠湾奇襲攻撃で大戦果を上げ、無敵の感を与える大活躍を行い、ミッドウェー
海戦においては赤城加賀、蒼龍の三空母が大破炎上の被害を被る中、単艦で米機動
部隊に猛攻撃を敢行し、空母ヨークタウンに大損害を与えたものの、飛龍も爆弾4
発が命中して大火災となり、駆逐艦の魚雷によって処分され、司令官の山口少将も
艦と運命を共にしました。




***製作参考資料***

学習研究社:ミッドウェー海戦
学習研究社:ハワイ奇襲部隊
モデルアート増刊:艦船模型スペシャルNo1航空母艦赤城、加賀
モデルアート増刊:艦船模型テクニックブック2
静岡模型共同組合:ウォーターラインガイドブック
映画:「トラ・トラ・トラ」
映画:「連合艦隊」 etc



製作前の下準備
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