3月23日 第8回リトラミーティング トヨタ博物館MR2 ラリーカー見学ツアー
AW11ベースのラリーカーというと、全日本ラリーなどの国内ラリーでの活躍(?)が有名ですが、実はWRC世界ラ
リー選手権参戦を念頭に置いたGr.S仕様、3S-GTターボエンジン縦置き搭載、そして駆動方式は、ミッドシップリ
アドライブ→ミッドシップ4WDに改造というとんでもないAW11が製作されていたのです。
このマシンは当時、公道のF-1とも例えられたプショー205ターボ16やランチアデルタS4などに代表されるモンスタ
ーマシン、Gr.Bを更に拡大改良した文字通り最強のラリーマシンを目指したGr.Sカテゴリーのレギュレーションに
のっとって製作されたもので、当時Gr.Bを戦っていたTA64セリカツインカムターボの次世代マシンとして製作さ
れたものです。
このラリーカーは、WRC世界選手権における死亡事故等の影響を受けたレギュレーション変更で残念ながら競技の
世界にデビューすることはなかったのですが、4台が製作されたという試作車の1台がトヨタ博物館で保管され、
今回一般向け公開されました。トヨタ博物館から比較的近場の参加者が多いリトラミーティングの参加メンバー
としてはもちろんこの車両をほっておける筈もなく、オフのメインイベントとしてこのGr.Sラリーカーの見学会
を行うことにしました。
デジタルカメラの設定が悪かったのか?画像が不鮮明で大幅に修正を行ったため、一部見辛い部分がありますが
各部を詳細に撮影しましたので、ぜひともご覧ください。
参加者名
車種
ボディカラー
HIGH-GEARed
AW11
ホワイト
BARA
AW11
白金
funada
AW11
ホワイト
つとむ
AW11
ホワイト
ムラシマムラ
AW11
白銀黒
OOHASHI
AW11
ホワイト
海杜
AW11
紺赤
やまいだれ
AW11?
銀灰紺赤
たいぷR
AW11
白黒
あいのパパ
AW11
白
SIMASIMA
AW11
マーチブルー
よっさま
AW11(AWでは不参加)
白銀
うさこ
SW20(SWでは不参加)
ブルメタ
つとむさんの同伴者
-
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あいのパパさんのお子様
-
-
表彰台に立つ事なく消えて行った悲運のプロトタイプマシン @外装編
展示車のとなりにはこのラリーカーについての解説、そして実際に行われることのなったグループSクラスのラリ
ー用マシンについての説明が簡素に書かれています。当時の設計者、技術者の無念の思いが読みとれます。
これがそのGr.S(グループS)MR2ラリーカーのフロントビューです。ヘッドライトは固定式に変更され、ミッド
シップマウントされたエンジンを冷却するオイルクーラーはフロントにセット。冷却効率を高めるべく、エアは
ダクトを介してボンネット上に排出される仕組みになっています。フェンダーは前後ともブリスター化され、純
正比片側10cm以上のワイドフェンダーを作り出しています。ドアとフロントフェンダーとの段差を見ればその大
きさが良くわかります。
こちらはリアビューです。エンジンフードはフェンダーごと分割され、バンパーまで一体化したカウリングとし
て機能しています。エンジンは3S-GEベースのレーシングエンジンが搭載され、大型のインタークーラーターボ
の搭載で500馬力を発生します。この角度ではミッションケースしか見えませんがエンジンをメンバーの一部と
して扱うような設計はこの時代のモンスターマシンならではの構造で、公道のF-1と例えられる理由はその速さだ
けでなく設計思想からも反映されているのだと感じました。
それでは、まずボディ関係から見てみましょう。これがフロントバンパーと固定式ヘッドライトを映した画像で
す。ヘッドライトとフォグランプが縦に2連装でセットされ、ワイドフェンダーやグリルの形状など、AW10系の面
影を全く残していません。バンパーにはライトボッド取りつけ用とおもわれるブラケットがあります。ウインカ
ー&ハザードランプはT160系セリカのものにも見えるのですが、どうなのでしょう?
ヘッドライトとフォグランプ、そしてウインカー&ハザードランプを斜めから撮影しました。上の画像ではわか
りにくいレンズ類のオフセット具合がわかります。カウリングは全てフルカーボンケブラーで造型され、パイプ
フレームをベースにシャシーを構成し、室内部分とルーフ周りにノーマルのモノコックを被せるようなで形で一
部利用した上で、エンジンをメンバーの一部として考えてルーフやボディ関連には応力がかからない構造になっ
ているようです。
これが片側最大で10cm以上あると思われるワイドフェンダーです。この角度で見ると、ドアとフェンダーとのク
リアランスから、ノーマルフェンダーラインとのワイドさ加減の差が一目瞭然です。タイヤはいちおうラリータ
イヤを履いていますが、移動用のものなのでしょうか?本競技用ではないようでワイドのフェンダーの中に奥ま
った状態でオフセットしています。サイドマーカーはAW11純正品のようです。
同じくリアのブリスターフェンダー。こちらはフロントフェンダーのように一体成形ではなく、ノーマルのフェ
ンダーラインにブリスターフェンダーをリベットで貼りつける形でのワイド化になっています。サイドドアガラ
ス後の三角窓はエンジンルームにフレッシュエアを導入するためのダクトのためのスペースとなっていますが、
その形状はAW11の純正ガラスに順じた形状になっており、ノーマルAWのイメージを残しています。また、ノーマ
ルのAW11では右側にしか開けられていないサイドエアーインテークは左側にも開けられ、冷却対策しっかり施し
てありました。ドアモール、ウェザーストリップ、ドアノブなどには純正部品が多用されています。
こうして見ると、ドアおよびルーフのラインは完全にノーマルAW11のものと一致します。Cピラーにはメンテナ
ンスホールが見えますが、これが何の目的に使用されるものかは確認できませんでした。ドアガラスはもちろん
アクリル製でリベット固定、ラリーカー独特のスライド式の開閉装置が備わります。ドアミラーはバイク用のも
のを流用しており、現在のWRカーのような豪華絢爛な雰囲気とは違ったレトロな雰囲気を醸し出しています。
開放されたリアカウル。この部分はエンジンフードをフラットに配置したノーマルAW11とは全く別物の造型にな
っています。リアスポイラーを兼用した形状のリアエンドに設けられた開口部はインタークーラーに走行風を導
くためのエアダクトになっており、またルーフ上のベンチレーターからもエンジンルームに走行風を導くなど、
徹底的な冷却および空力の対策がカウル全体にわたって施されています。
リアカウルを上から見た写真です。テールレンズはAW11前期型のノーマルテールレンズですが、良く見るとこの
レンズはバックフォグランプ標準装備の輸出車仕様のものです。レンズとレンズの間、そしてテールレンズより
外側にあるガーニッシュはフィン状に開口され、リアカウル周りから導入したエアを効率的に抜くための工夫が
されています。テールレンズとテールレンズの間隔はノーマルのAW11の幅に順じていますので、その外側を見る
とリアフェンダーのワイド化の具合がどれほどのものであるかがわかります。ナンバー灯は他車種の純正品の様です。
表彰台に立つ事なく消えて行った悲運のプロトタイプマシン Aエンジン、駆動系編
リアカウルを開けた姿を間うしろから撮った写真です。こうしてみると何がなんだかさっぱりわかりません。
(笑)ケブラーで成形されたタイヤハウスの上を渡すフレームのうしろに見える部厚い黒い物体はインター
クーラー、そしてその右側に配置された銀色のコアはミッションオイルクーラーの様です。インタークーラー
には冷却用のファンもふたつ備わります。ミッションはインタークーラーの下に配置され、エックス型に形作
られたフレームにしっかりと固定してあります。
これは上の写真より少し見下ろして撮った画像です。フォーミュラーカーのようなミッションの様子がよくわ
かります。ミッションの左脇に垂れ下がって伸びてきているのがこの車両のマフラー。こうしてみると本当に
整備性がわるそうですね。ミッションなどの積み替えにはやはりこのエックス型のフレーム等を取り外す必要
があるのでしょうか?もちろんエンジンの整備性については言うまでもありません。間うしろから2枚もリアビ
ューを映しているにも関わらず、まだエンジンがどこにあるのか見えてきません。
上の画像では立体感に乏しかったので斜めからの写真を撮りました。この角度からみて、上の画像で見えてい
た黒い部厚い物体がインタークーラーコアだったことが確認できます。しかし肝心のエンジンがまだ見えませ
んでした。わかるのは遮熱板、ダクトホースや各種配管配線、そしてフレームばかり・・・。
表彰台に立つ事なく消えて行った悲運のプロトタイプマシン B内装編
こういうマシンですから『内装』と表現するのも不自然が気がしますが、コクピットの画像です。ダッシュボ
ードは専用に作られたもので、各種メーターとラリーコンピューターが整然と並べられ、リレーの交換なども
室内から手元で行えるように配置されています。コクピットへの導風ダクトはAW11の純正と同じものですが、
純正部品はこのダクトとサイドブレーキレバーとあとウインカー機構くらいしか見当たりません。Gr.Aの初期
の車両が純正にかなり近い状態の室内形状を保っていたことを考えると、このGr.Sというクラスは現在で言う
ところのGT車両に近い室内モディファイが施されていたようです。シートはTRD製のフルバケット、ステアリ
ングはmomo製でシフトはHパターンの5速&リバースタイプで、2本のリンケージによってコントロールされます。
各種メーターの様子。タコメーターは主要回転域の視認性を向上する目的で0回転を真下に向けた状態で左側
にオフセットして装着してあります。他には温度関係、圧力関係などの基本的なメーターが回りに配され、ス
イッチやパイロットランプなどは工業的な機能優先のものが取り付けられてします。ダッシュボードの上端で
左右に渡っているフレームはロールバーのフロントケージを左右に繋ぐもので乗員の安全確保のためか?しっ
かりと緩衝処理が表面に施してあります。ハザードランプのスイッチとウインカー機構は純正と同じもので、
メーターはすべてDENSO製でした。
表彰台に立つ事なく消えて行った悲運のプロトタイプマシン C足周り編
ワイドフェンダーの中に収められた見るからに屈強そうなホイールです。この車両に装着されているタイヤは当
時の競技環境を考えると決して太いものではなく、移動用またはテスト走行用のものと考えられます。これはフ
ロントですが、フェンダー内側のタイヤハウスはボディの一部ではなく、フレームに取りつけられたケブラー製
の1種の『マッドガード』とも言えるもので、車内に泥水が入りこむことを防ぐためだけの目的に備えられた簡素
なものです。
リアサスペンション全景。この角度から見るとタイヤハウスがただの泥よけであることがわかります。ショック
アブソーバーはケースごと2本懸けされ、この状態でサスペンションスプリングは1輪につき1本です。ステージに
よってはスプリングの本数の変更もあるのかもしれませんね。懸架方式はフロント、リアともにダブルウィッシ
ュボーンに変更され、各種アームの取りつけ部分は当然のようにピロボールベアリングをフルに採用、スタビラ
イザーブッシュには硬質ウレタン製のブッシュが採用されていました。
リアサスペンションを車体下から見た様子。懸架方式の変更によって、ノーマルAW11にはないアッパーアームが
追加されているのがわかります。ロア側のアームは擬似的にAアームを構成していますが、1本1本がパイプアーム
になっていて、ターンバックル式の全長調整機構が備わっています。この機構を使用してアームの長さを変更で
きるので、キャンバー調整はもちろん、トー調整もナックルの向きを換えることでアライメントが3次元的に無
限に調整可能になるみたいです。2本懸けされたショックアブソ−バーはナックルを挟むような形で前後に取り
付けられ、スタビライザーリンクのブラケットはロアアーム側にしっかりと固定されてあります。ブレーキもも
ちろん前後ともキャリパーを含めて容量アップが施されてました。駆動方式が四駆に変更されているため、フロ
ントにもドライブシャフトが備わります。
この写真を見ただけではどの部分かさっぱりわかりませんが、これはフロントサスペンション周りのメンバーフ
レームを車体下から撮影した映像です。アームやタンクなどの主要機構はすべてこのパイプフレームに取り付け
られ、悪路での高速走行に備えた強靭な車体剛性を構成しています。車室フロアの下周りはアンダーパネルで覆
われていますが、実戦の際にはこのメンバーフレーム周りやリアエンジンセクション下面にも水面通過やジャン
プの際のフレーム保護用ガードが取りつけられるのでしょう。
フロントフードを開放した画像です。こうして見ると、この車両がAW11の原型を一部に保っているとはいえ、モ
ノコックをフレームとして使用しないパイプフレームベースの車体構造に変更されていることが良くわかります。
タワーバーのように見える左右に伸びたバーは車体下面やエンジンセクションなどに一部露出しているメンバー
フレーズの一部になります。ショックアブソーバーはタイヤハウスではなくこのメンバーに直接取り付けられ、
走行中にボディパネルをクラッシュすることがあっても車体剛性やホイールディメンジョンなど操縦性に与える
影響を最小限にするための構造変更がなされています。
フロントフード内全景。室内側からみて、フロントフードと室内を仕切るバルクヘッドまでがAW11系純正のモノ
コックを利用して作られています。ですのでちゃんとバルクヘッドには車体番号の刻印があります。しかしそこ
から前には純正のフレームはなく、全く別物の作りになっていて新規に製作されたフレームとボディパネル、補
機類と足周りが取りつけられています。バッテリーはフロントに移設され、事故の際に作動させる消火器が備わ
ります。バッテリーのカットオフと消火器の作動は同時に行われる仕組みになっているのかもしれませんね。雨
天のステージではボンネットダクトからは雨水が入りこむことと思いますが、それに対する対策が特別にとられ
ている様子はありませんでした。
参加者の皆さんの車両
参加者の皆さんの車両。AW11のワンメイクです。右からHIGH-GEARed、つとむさん、ムラシマムラさん、funada
さん、BARAさん、やまいだれさん、あいのパパさん、SIMASIMAさん、OOHASHIさん、たいぷRさんの愛車のAW11
です。このような軍団で駐車場の一角を占拠していました。この集団で移動する姿は客観的にみてかなり目立
つ光景と思うのですが、このお目立ち度が後々幸運を導き寄せることになりました。
皆さんの車両のリアビューです。こうしてみると、純正の形状そのままというリアビューはかなり少ないよう
です。最近は後期型のAW11に前期型のテールランプを移植するモディファイがHIGH-GEARedの周りで流行して
います。最初はfunadaさんのモディファイを参考に始まったものですが、現在ではかなり前期テール率が高く
なってきたみたいです。となりのテストコースではクラシックカーのイベントが催されており、フルレストア
されたハコスカやエスハチ、フェアレディなど往年の名車の勇姿を楽しむことができました。こちらの集まり
だけでもこの日博物館にきて良かったと思える内容の濃いもので、デジカメ写真を撮るメモリーの余裕がなか
ったのが少々心残りでした。
では一台ずつ見ていきましょう。まず最初はこのオフの企画者でもあるBARAさんのAW11です。2台もちのBARA
さんの1号車はフルエアロにエンジン載せ換えというハードチューンの白銀ツートンのAW11なのですが、直前
にトラブルに遭い、今回は実にグッドコンディションなこの2号車白金ツートンのAW11での参加でした。大学
の教授のお宅がこのトヨタ博物館のすぐ近所にあるそうで、オフの後にはそちらのイベントに出かけて行かれ
ました。
次は集合地点、大山田パーキングエリアから現地までの道案内と帰路途中でのラーメンオフの案内をしてく
ださったつとむさんのAW11です。なんでも最近GT-Rを納車なさったのだとか?「車何台持ってるんですか?」
との問いに考えながら答える姿がなんとも印象的です。スカイラインはGT-RだけでなくGT-Sも所有、エンジ
ンのせかえ公認済みでオールペンという激しい仕様です。しかしAWのいじり方は基本を押えた何故かわりと
大人しいイメージですね。
こちらは遠征オフでの遭遇率が高いたいぷRさんのAW11、最近ではかなり稀少価値がでてきた前期型です。
以前にトヨタ博物館でお会いした時はサーキットにて左フロントを破損した直後で色の違う中古フェンダー
がとりつけるなどカラフルな仕様でしたが、今回はリトラクタブルヘッドランプカバー以外の色調を統一
して見た目にもすっきりとした姿を見せてくれました。しかしリトラのみ黒というこの状態は、この車両
の愛称『タモリ号』的な雰囲気をよりいっそう盛り上げてくれているような気もします。(笑)
こちらはかなり車種不明です。(笑)1週間ほど前にガードレールの下に潜りこむという事故を起こしたと
いう、やまいだれさんのAW11です。前回のやまいだれさんは盛岡からはるばる下道経由でこのトヨタ博物館
までの長距離を移動してこられたのですが、今回は帰省の一環としてこちらのオフに参加されました。バン
パー、フェンダー、そしてボンネットが事故のあとに交換され、痛々しくも宇宙的な雰囲気をプンプン匂わ
せています。移動中は彼の前の前を走行したのですが、ルームミラーに映るこのクルマの奇怪な姿はこの先
永遠に語り継がれることになるであろう妖気すら放っていました。(笑)
こちらはHIGH-GEARed主催のオフでは初登場のあいのパパさんのAW11です。車のほかに模型の事など、趣味
の合う方です。車両はこれまたこちらのオフ参加車両では初めてのターボチャージャー装備車です。ドラッ
グレースを目的にセッティングされている車でその馬力は350馬力とか!?インタークーラーはエボ用でし
ょうか?トランクの中に内蔵され、室内にはフルチューンエンジンのコンディションをモニターする各種
メーターがずらり、そして外装も大型のGTウイングやリアアンダスポイラーなど、まんべんなく手が入った
すごいAWです。ナビシートにはチャイルドシートが装備され、この車両で親子水入らずのドライブを楽しむ
姿には驚かされるものがあります。(笑)
こちらはHIGH-GEARedがネットをはじめた時から長い付き合いのある海杜さんのAW11です。事故から奇跡的
に復活した前回のトヨタ博物館でのオフの後にR34スカイラインの純正リアスポイラーを装着されました。
機械的なGTウイングとは異なって、流面系を取り入れた高級感のあるウイングのカーブがAWのフロントバン
パーのアールと良くにているためか、とても良く似合ってます。マフラーはEBNのフルステンマフラーを
HIGH-GEARedともお付き合いがあったちくろさんに返却し、今ではJAMスポーツのマフラーに変更されていま
す。こちらもスポーティなサウンドが印象的でした。
こちらのAW11は最近、RAYJACKさんのゴルフ用マフラーの製作などで大活躍のfunadaさんのAW11です。いつ
もながら、船田管と呼ばれる元気の良い排気音と溶接職人funadaさんならではの職人的な各部の仕上がりに
注目が集まってました。行きしなには、亀山から大山田までの道案内をして頂いたのですが、途中でリップ
を固定していたタイラップを破損するアクシデントが発生、インター入り口での応急修理となりました。
(笑)大阪の堺に住む海杜さんと同様に京都北部に住んでおられるfunadaさんにとっては今回はかなりの
長旅になったことでしょう。多忙な中、本当にお疲れ様でした。
こちらはオフ会でもその姿を見かけることが少ないSIMASIMAさんのマーチブルーのAW11。通称『平成2年式
ブルーリミテッド ビルシュタインパッケージ』です。(笑)メンテの得意なSIMASIMAさんは毎回車両を
購入するたびに徹底的なリフレッシュを施されることが定例となっているのですが、このAW11も長期間に
わたってリジッドラックの上でブッシュやブレーキなどのリフレッシュ作業を行った結果、今こうしてとて
も元気な姿を見る事ができます。旧車ファンでもあるSIMASIMAさんにとって、テストコースで行われている
旧車イベントもきっと楽しめたことでしょう。
こちらは並みのレーシングカー顔負けの内装と、並みのドリ車顔負けの外装を誇るムラシマムラさんのAW
11です。パーツの自作や流用が得意なムラシマムラさんは、最近溶接職人funadaさんの手ほどきで溶接技術
を向上させて、車いじりも更にヒートアップしてきているところです。しかし、いじるだけではなく、車の
基本的な部分をしっかりリフレッシュすべく、ステアリングラックエンドなどの交換作業を少しずつはじめ
ておられるのだとか?
こちらはOOHASHIさんの愛車、通称『トロくん』です。見た目はノーマル風を保ってますが足周りはフルピロ
ボール、7点式ロールバーに最高級オーディオを搭載した最も過激な一台です。(笑)AW11オーナーの中では
稀少なンビゲーション搭載車ではあるのですが、行きしなは2回集団からはぐれ、2回目は待ち合わせのパー
キングを行きすぎ、その後現地のトヨタ博物館をも行きすぎて合計2時間遅刻という離れ業を披露してくれま
した。(笑)足周りのアライメントがまだ整っていないようで、ドライビングに苦労する中、名古屋渋滞の
中を2時間迷い続けてきっと疲れたのだとおもいます。帰り道でもやはり軍団からはぐれ、仮眠をとって帰
宅されたそうです。(笑)
今回、いちおう主催という形でオフの収集をさせて頂いたHIGH-GEARedのAW11です。昨年の冬から今年の春
にかけて、タイヤ、ショックアブソーバーのオーバーホール、アライメントの取りなおし、ブレーキホース
の交換など、足周りを総リフレッシュを行いました。そのおかげもあって長い道程も苦にならず、楽しいドライ
ブとなりました。出費的には痛いですが、安定感のある安全な車に仕上がったこともあって満足しています。
レーシングカーなテイストが好きなHIGH-GEARedにとって、今回こういった同じ車両をベースにしたワークス
カーを目の前で見るのはひとつの大きな夢でもありました。もう解体されたとか、倉庫の脇で朽ち果ててい
るとか、寂しいウワサをいくつか耳にしていた中で、今回こうして目の前で憧れのマシンを見れただけでも
素晴らしい喜びに満ちたオフとなったわけですが、この後これ以上はないとおもわれる幸運が訪れようとは、
この時はまだ少しも予想していませんでした。
帰宅の途につこうとしたその時、何の前触れもなく訪れた幸運
トヨタ博物館でラリーカーを見た後は、喫茶店およびレストランで適当に昼食を済ませ、参加者の車両を
とりかこみつつダベり、夕食を食べるためにこちらで有名なラーメン屋さんに出かけようとそれぞれが愛
車のエンジンに火をいれ、駐車場を出た直後のことでした。博物館の駐車場からテストコースに向かう一
台の車が・・・?!その後姿には見覚えがありました。なんど!あのラリーカーです。
どうやら、本日までの展示とされていたこのラリーカーを車庫にしまう作業の途中だったようです。こち
らが驚いた様子でみていると、ラリーカーを移動させている皆さんも驚いた目でこちらを見ているじゃあ
りませんか!(笑)「写真を撮らせてください!」そうお願いすると、博物館の方は快く引き受けてくださ
り、撮影しやすいようにとテストコースまで車両を移動してくださいました。現在は自走できるようなメ
ンテナンスはされていないようで、数人掛かりでテストコースまで車両を押しての移動になります。この
ラリーカーを中心に、AW11が隊列を組んで写真撮影大会となりました。
HIGH-GEARed AW11は生意気にもこの展示車の左隣りに停車させて頂きました。憧れのマシンのとなりに自分
のAWを並べられるだなんて、夢にも思わなかった感動的な瞬間です。こうして見ると同じ車種がベース、そ
して同じボディーカラーといえども、まったく別ものの車ですね。この時、博物館の方から聞かせて頂いた
お話では、この試作車は全部で四台が製作されたそうです。一台のみの製作と思っていたのでこれは大きな
驚きだったのですが、ホモロゲーション取得のために本来200台分の生産が必要なわけですから、多少の量産
がテスト段階からあるのも当然だったと後から気づきました。(笑)この車両は4〜5年前までは自走可能な
メンテナンスが施されており、このテストコースをテスト走行していたと言います。しかしあまりの排気音
の音量に近所からクレームが出てしまい、走行を断念したのだとか・・・。
HIGH-GEARedのAW11も純正比およそ片側1センチのワイド化が施されていますが、このリアビューをみるとテー
ルレンズの外側のスペースの広さからわかるワイドさ加減の差は一目瞭然です。リアカウルを閉めている状態
は博物館内では撮影できなかったのですが、この角度での写真はリアセクションの造型の違いを良く見せてく
れます。博物館の方のお話では、MR2はこのラリーカーの他にSV3と呼ばれるモーターショー出展車も、トヨタ
博物館には保管されているそうです。そちらの車両も公開していただきたいものですね。
AW11グループSラリーカーのドライバーシートに収まるHIGH-GEARedです。この展示車は撮影会の後に、不幸
にもトラブルを起こしたのですが、その時にお願いして交代交代でドライバーシートに座らせて頂きました。
朝早くからの長距離ドライブで精神的、肉体的にもこの時間帯になるとかなりの疲労が溜まっていたのです
が、この幸運に疲れも一気に吹き飛びました。こんな幸運は2度と訪れるものではありません、AWに憧れて
15年、AWオーナーになって6年になりますが、この瞬間ほどAWオーナーでいて良かったと思う瞬間はなかった
かもしれません。一生の思い出とも言える、忘れられない一日となりました。
悲運にもデビュー戦を迎えることのなかったマシンですが、このAW11をベースにしたモンスターマシンがモン
テカルロを、そしてサファリを駆け抜けるすがたを想像すると、AWファンの皆さんは興奮してきませんか?
機能を優先して形作られたマシンですが、そのかっこよさは理屈ではとても表現できない素晴らしく魅力的な
ものでした。速いレーシングカーが結果として美しいということは良く知られているものですが、このMR2ラリ
ーカーの構造美はいつまでも鮮明に自分の脳裏に刻みこまれることと思います。またいつか出会える日まで、
しばらくお別れになりますが、いつかまたきっと再会できることを祈って、このレポートをおわりたいと思います。
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