1/150スケール 法隆寺夢殿
フジミ製インジェクションキット










FUJIMI 1/150

法隆寺金堂に続いて、今回は同じ敷地内に並ぶ夢殿の製作です。

前回に金堂を製作したご縁で、およそ半年後にまた製作の機会が回ってきました。

金堂と比べると形状が簡単のため、製作は比較的ラクではないかと考えていたのです
が、実際には正確な六角形に仕上げるのが思いのほか難しく、接着剤をいくつか使い
分けるなどの対策が必要でした。



***法隆寺について***

HIGH-GEARedが生まれ育った奈良市に大変近い斑鳩の里に建つ法隆寺は現在よ
り1300年前に建立されたと伝えられています。

法隆寺の建築様式は飛鳥様式といわれ、奈良時代との様式の違いは、柱にエンタ
シスと呼ばれる膨らみがみられることで、これはパルテノン神殿に代表されるギリシャ
建築の様式と共通する部分を持つ、大変興味深いものです。

法隆寺は用明天皇の勅願で推古天皇と聖徳太子が造立を進め、推古15年にその本
尊薬師如来が完成したと伝えられています。

しかし、この法隆寺は天智9年に火災に遭い、その後に再建された法隆寺伽藍が現在
残っているものであると論証されています。

金堂は重層入母屋造りの建物で上層の広さを縮小し、荘重感のある建築で、本尊で
ある釈迦三尊像が奉られています。

創立以来には数度の修理が加えられましたが、昭和修理によってほぼ元通りに復元
されました。 



***キットについて***

キットは寺社仏閣を扱ったプラキットの中では群を抜いて高価なもので、河合商会や
童友社のキットなどと比べても特別高級な価格設定のものです。

しかし、内容的には価格によくみあったもので、ここまで丁寧に作られているなら、どう
して箱に完成写真を掲載しないのか?と少し疑問に思わされるものです。

金堂と同じく柱と漆喰の壁が別パーツで構成されている点は製作者にはありがたく、今回の
ようなエアブラシ重ね塗りの塗装を行う場合には非常に有利になります。

こうしたパーツ構成は、キブリやフォルマーと言ったヨーロッパ建築を専門にするHO
スケールの輸入建築模型と同様の構成で、製作側の手間はかかるものの、年少者か
らベテランモデラーまで多くのユーザーに歓迎される伝統的手法です。


↑柱と漆喰の壁は別パーツにされています。しかしもう少しメリハリがほし
かったので、障子紙をスミ入れしました。


***製作について***

製作は色分けされたパーツを個別に塗装して組み立てるのみですが、木部の塗装
は今回も全てエアブラシで行いました。

GSIクレオスの塗料、「グレーサフ」→「ホワイトサフ」→「黄燈色」→「タン」→「ウッドブ
ラウン」→「クリアーイエロー」→「マホガニー」と順番に吹き付けました。

塗料の濃度は後半に進むにつれてどんどん薄くなっていくので、結果的には塗膜は
それほど分厚くならず、モールドへの影響も最小限になっています。

各塗料の塗膜の厚さと調合比はほとんど経験による勘だけが頼りですが、最終的に
は8色も使い分けた甲斐のある深みのある発色となりました。

HIGH-GEARedは親戚一同に寺院が多いので、実物の雰囲気を参考するのには事
かくことはありません。(笑)


***総括***

金堂に引き続いて夢殿の製作となりましたが、素性の良いキットで、楽しみながら組む
ことができました。

日本建築の美しさは写真のような平面でみるよう、こうした立体で見ると実物の持つ構
造美もより繊細に伝わってくるようでとても面白いです。

スケールモデル界において、なかなか脚光をあびるジャンルではありませんが、はじめ
てみると意外なほどに魅力的な分野ですので、普段乗り物やキャラクターを組んでいる
方々にもぜひ挑戦してほしいと思いました。





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