1/700スケール 戦艦 大和
田宮模型製インジェクションキット











タミヤ 1/700

最もポピュラーなスケール、1/700で最も人気のある戦艦大和で
すが、今回ようやくギャラリーに掲載することができました。


製作記はありませんが、ディティール写真とともに製作過程を
紹介しようと思います。

スケールは1/700で小さく、最適なサイズですが、2001年に製作
した最大スケールの1/200スケールにも負けないレベルでディテ
ィールアップを施してみました。

多くの部分は戦艦大和の最強の姿でもあり、最後の姿でもある沖
縄特攻天1号作戦時の資料に合わせた設定でベースキットを作って
みたのですが、甲板のカラーリングなどは模型映えを意識してい
つもどうり木甲板色(今回はいろエンピツなどを使って色調の差
異も再現)に仕上げており、これは広島海軍博物館に展示予定の
1/10スケールの世界最大の大和模型の企画者としても名高く、世
界屈指の戦艦大和模型の名匠である日本海軍艦艇模型保存会の故
河合氏のご作品を参考に、同じイメージで製作しました。


↑全体像1 艦首から


↑全体像2 艦尾から


↑全体像3 後方から見下ろしアングル

ベースはウォーターラインシリーズのTAMIYA製ですが、今回は
今までになくたくさんの社外パーツを多用し、また一部自作パー
ツも使用しました。

キットは1999年にTAMIYAからリリースされたもので、世界中で最
新のキットでもあり、もちろん当時最新の考証に基づいて製作さ
れ、他社のキットと比較して艦尾形状や3連機銃の配置や兵員待機
所、艦橋基部の形状が改められている現在世界最高の精密キットです。

しかし、今回は更に最新の考証に基づいて本当は2種類のデザイ
ンがあった機銃シールド(従来型の丸型および戦時急造型の角型
のタイプ)の使い分けや最近写真解析で明らかになった砲塔上お
よび艦尾の角型機銃ブルワーク、艦尾応急舵などを社外パ−ツを
用いて再現しています。

使用したディティールアップパーツは機銃座がより正しい考証の
角型にアレンジされたピットロードのレジンパーツそして前述の
戦時急造型の3連機銃シールドと実艦の写真解析で最近明らかに
なった土嚢のパーツも同じピットロードのレジンパーツです。

46cm砲身も同じピットロード製の真鍮製砲身に交換してプラ加工
ではできない正確な砲口が再現されると同時にプラでは出せない
極めて真円に再現されたシャープな砲身のラインがディティール
を引き立たせてくれています。


↑真鍮砲身に交換された砲塔。砲塔上の増設機銃座はピットロー
ド製レジンパーツ砲塔上手摺はゴールドメダルモデルズのエッチ
ングパーツを使用して砲塔を精密化しました。後に見えるボート
(カッター)にはオールを搭載しました。

エッチングパーツも今回はゴールドメダルモデルズ製のエッチン
グパーツ(甲板手摺、砲塔および副砲塔手摺&空中線支柱、煙突
通路および手摺梯子、IHIジブクレーン、カタパルト、煙突出口、
艦載機滑走台etc)、エデュアルド製エッチングパーツ(滑り止
め甲板、一部換気口etc)、ジョーワールド製エッチングパーツ
(ボートに搭載しているオール、応急舵、2号1型電波短信儀etc)
など、たくさんの種類を使いわけました。 中でもジブクレーンは
IHI石川島播磨重工業から発見されたの資料通りに作られているだ
けあって素晴らしい精密な出来のもので、なんとクレーンを操作
するワイヤーケーブルまで再現されています。


↑ジブクレーンはゴールドメダル製、艦尾に搭載されている応急
舵はジョーワールド製のエッチングパーツで再現しています。

今回は手摺の再現にも特に拘ってみました。高角砲甲板や高角砲
シールド本体につけられた手摺、46cm主砲塔上の手摺や副砲上の
複雑な形をした手摺も全て実艦どおりに再現しました。これらの
多くはゴールドメダルのパーツで再現しており、副砲バーペット
上の滑り止め甲板やバーペットに取り付けられた手摺はエデュア
ルド製のエッチングパーツです。

余談ではありますが、今回、大和用のエッチングパーツを2種類と
その他のメーカーのパーツ(合計3社)を使い分けてみて気付いた
のは、パーツの材質や成形によって加工のしやすさや精密さに大
きな違いがあるということでした、例えばエデュアルドのパーツ
は全体的に太めに作られていてディティールは今一つなのですが、
丈夫にできているので折り曲げやすく、修正のしやすいのに対し、
ゴールドメダル社製は細くて精密に作られているのは良いのです
が、細すぎて取り扱いに非常に神経を使います。 組み立てやすさ
はエデュアルドの方に軍配が上げられますが、同メーカーのエッ
チングパーツはランナーのパーツとパーツの隙間が大きめに取ら
れており、エッチング鋏やカッターが入れ易く作られているとこ
ろに好感をおぼえました。 ちなみにジョーワールドは質的にはこ
のふたつの中間で、組み立てやすさではエデュアルドと同等で大変
品質の高いものです。


↑高角砲甲板および高角砲シールドの手摺の様子。


↑46cm主砲塔の手摺および副砲塔上の手摺&空中線支柱の様子。手
摺と支柱はゴールドメダル製、バーペッド上の手摺および滑り止め
甲板はエデュアルドのエッチングパーツです。

ボートに乗せてあるオ−ルはジョーワールドのエッチングパーツで
精密感に溢れています。応急舵はピットロードのレジンパーツのセ
ットにもはいっていたのですが、薄さを追求して精密感を高めたか
ったのでこれもジョーワールドのエッチングパーツをあえて使用し
てみました。2号1型電波探信儀もジョーワールドのもので、単なる
網目が再現されたエッチング電探よりリアルに仕上がってます。

塗装はほぼ全体にエアブラシを使用しています。リノリウム部分お
よび煙突上部、マストの一部の色刺しなどは筆塗りです。

船体は下地処理、白立ち上げの後、Mrカラーの艦底色を下地に吹き
つけ、錆び止め塗料の下地を作った上で、ピットロード艦船カラー
の呉海軍工廠色を吹きつけました。この塗料は戦時中、呉海軍工廠
で実際に海軍艦艇に使用されていた色を資料に基づいて再現してい
るものです。

この塗料は青みのかかった独特の色合いでMrカラーの軍艦色2とは少
し趣が異なる独特の色合い好みは分かれるようですが、個人的には
とても美しい色と思って気に入ってます。


飛行甲板は鉄板張りの説もありますがここではセメント張りの説を
採用して呉海軍工廠色に若干ホワイトを混色してアクセントにしました。



↑飛行甲板グレーチング部分の塗り分け

甲板の塗装は、白立ち上げの後、Mrカラーのタンにサンディブラウ
ンを少量混ぜたものを全体に吹きつけ、その後ウッドブラウンを溶
いたものを薄くコーティング、さらにその後、黄燈色を溶いたもの
をコーティングし、甲板の木の板ごとの色調の差異を色エンピツを
使って再現したうえでさらにタンを薄く溶いたものを吹き付けて色
の階調を落ちつかせ、最後に艶消しのクリアーでコーティングして
あります。いつもの方法プラスアルファですがなかなか雰囲気のあ
る甲板になりました。(写真では分かりづらいですが)


↑写真ではわかり辛いですが、木甲板は重ね塗りをして色を出した
後、板ごとの色調の差異を表現しています。


リノリウム甲板は、Mrカラーのレッドブラウンです。防空指揮所や
シールドなし高角砲ブルワークの床面などに使用しています。

今回の塗装はエアブラシを使用したため、ほとんどの部分に塗膜の
強いラッカー系塗料を使用したのですが、機銃や菊花紋章など、金
属色の再現が求められる部分には、金属色の再現に適したTAMIYAエ
ナメルカラーを使用しました。

機銃はガンメタル、菊花紋章はチタンゴールドです。 一部ライトレ
ンズ部分にもエナメルシルバーを使用しています。

塗装の最終仕上には、船体、甲板ともに艶消しクリアコーティングを
施して質感を統一してあります。 機銃、高角砲シールドや射撃指揮所
の窓はすべてスミ入れを行ってあります。

舷窓はすべてピンバイスで加工することでモールドのメリハリを強調
しました。

空中線は、メンテの心配のいらない伸ばしランナーを使用して 再現し
ました。空中線支柱は実艦と同じ3脚状のものを真鍮線で自作し、伸ば
しランナー製の空中線は髪の毛より細く仕上げることができました。

あまり空中線工作が得意と言えないHIGH-GEARedですが、今回はじめて
艦橋付近の縦の線も再現にも挑戦してみたのですが、やはり雰囲気を
出すには欠かせない部分と思いました(後の1/700武蔵では更に細かい
部分にも挑戦しました)。

もっと上手く線を張れるようになりたいものです。

また、煙突は開口し、エッチングパーツを使用して出口の格子を再現し
て実感をたかめ、煙突周りの通路とその手摺も再現しました。もちろん
通路から煙突に登る梯子もエッチングパーツで再現してあります。



*総括*

今回の大和は艦船模型の中でも最もポピュラーなスケールの1/700という
こともあって部品の調達にはさして不自由せず(と言っても他府県にパー
ツを買い付けに行く必要はありましたが)、専用、汎用も含めて今まで最高
の数の社外パーツを組みこんで完成しました。今まではどちらかというと
汎用パーツのみで組むことが多かったため、高価なものとはいえ、専用パ
ーツの便利さを痛感しました。

順番は若干前後しますが、この後、この1/700のスケールアップ版として
TAMIYA1/350大和に挑戦することになりましたが、この1/700の製作の際に
覚えた専用パーツ組みこみのノウハウが生かせたと思ってます。

そしてその後、再び1/700にスケールを戻し、武蔵竣工時→最終時への改
造とディティールアップにも挑戦しました。これらのギャラリーもサイト
に展示しておりますので興味がございましたらご覧ください。


**追記**

この後、1/700大和製作2回目に挑戦しました。更にディティールに磨きを
かけての完成です。↓のリンクからご覧ください。






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