フジミ 1/350
高速戦艦『金剛』製作記
前回、艦橋を製作したことで、構造物は全て完成しました。あとは対空兵装
を含めた細部の工作を残すのみです。
対空兵装の製作
フジミの1/350高速戦艦金剛は、1944年の対空兵装増強時をモデル化してあるため、
対空機銃の数が非常に多くなっています。今回は、以前に製作した1/350戦艦大和
決定版とディティールのバランスを揃える目的で、25mm機銃をすべてライオンロア
製のエッチングパーツに交換し、キットのままでは表現のあまい12、7cm連装高角
砲をハセガワの艦船装備セットのパーツに交換するなどのディティールアップを
行いました。

↑これが、ライオンロア製の25mm連装、三連装機銃のエッチングパーツです。
大和決定版製作のとき「真実の大和」セットに含まれていたものを初めて使用
したのですが、当時はまだ社外品の1/350機銃もなく、画期的な製品でした。
その後、機銃単体が別売され、いろいろなキットに流用可能となりました。

↑パーツの構成は、銃座と銃架と銃身、防盾に分かれています。銃身はガン
メタル、その他の部分は船体色で塗り分けるため、エッチング板から切り出す
前に各パーツを先に塗り分けておくと便利です。(塗り分けの様子を撮影して
あったのですが、誤ってファイルを紛失してしまいました)

↑説明書の画像。組み立てはこのようにやります。銃身は一本一本架台に
固定していかねばならず、かなり骨の折れる作業です。

↑これが機銃を構成する全パーツです。銃身は左右対称になっているパー
ツを折り曲げて接着し、厚みを演出する仕組みになっています。蛇腹状の
放熱フィンやラッパ状の消炎器、弾倉の肉貫穴まで彫刻されていてシャープな
仕上がりを見せてくれています。

↑防盾付きで完成させた25mm三連装機銃。射手の座席や環型照準器は、エッ
チングならではの仕上がりです。

↑25mm三連装機銃のディティール比較です。左からフジミの金剛純正、
ピットロード製、ハセガワ製、ライオンロア製です。

↑エッチングの機銃は確かにシャープな仕上がりを見せますが、銃身がどう
しても板状になってしまう欠点は避けられません。「銃身は丸断面になって
いないと納得がいかない!」という方には、こういうパーツもあります。
これはWing&Rail様が取り扱われている、WingShipArtのオリジナルパーツ
「1/350日本海軍25mm機銃砲身(露天タイプ用)90本入りセット」です。

↑このパーツは、最初から1/350の25mm機銃に合わせた大きさにカットさ
れたジュラルミンパイプで、銃身のみを交換することで、実物どおりの
丸断面と、銃口が開いた実感的な再現が可能になります。この画像は、ハ
セガワ製の機銃のジュラルミンパイプを装着した例です。もちろん、ライ
オンロアのエッチング機銃など、その他の機銃にも適合します。

↑装着前のライオンロア製25mm三連装機銃群。旋回ハンドル、俯仰ハンドル
の出来が精密だったので、それを今回はそれを見せる目的で(笑)、防盾は
未装備としました。

↑こちらは連装タイプです。目盛りが読みにくいですが、手前の定規と比較
して頂ければ、その精密さがおわかりいただけると思います。

↑単装機銃も、今回はライオンロア製のエッチングパーツを使用しました。
このパーツセットには、13mm機銃も含まれているので、大和型戦艦のディテ
ィールアップにも使用できます。

↑パーツには、機銃パーツのだけでなく、橇式機銃座のパーツも含まれています。

↑説明書の画像。プラパーツなら一体整形が基本となる単装機銃も、エッチ
ングパーツでは複雑なパーツ構成となっています。

↑このパーツセットの中でも特徴的なものは、この真鍮製の旋盤加工された
脚パーツです。エッチングのみでパーツ化すると、どうしても平べったくな
ってしまって実感に乏しくなる部分を、このようなパーツでフォローしてく
れるあたり、とても気が利いたメーカーだなぁと思わされました。

↑単装機銃の銃身と、爪楊枝の大きさ比較。この大きさでも、射手の肩当て
が再現されています。

↑甲板に設置された25mm三連装機銃。機銃が精密になると、防弾板もエッチ
ング化しておいて良かったなと実感させられます。

↑12、7cm連装高角砲も交換しました。左から、フジミ製金剛純正、ピット
ロード製、ハセガワ製です。フジミ製は、照準所盾の高さが明らかにおか
しいので、考証にこだわるなら交換は必至です(後に発売された榛名では正確な
形状に修正されていました)。ピットロード製はメリハリのある造形でなか
なか悪くないのですが、バリが大きいのと、仰角が固定されているのが難点
です。今回は、右端のハセガワ製に、FUKUYAの真鍮砲身を組み合わせて使用
しました(品薄の商品にも関わらず、無理を言ってパーツをご用意していた
だきましたWing&Rail様に感謝申し上げます)。

↑船体に装備された高角砲。やはり高角砲は仰角を上げている姿が似合います。

↑対空兵装も充実し、いよいよ1944年当時の金剛の緊張感あふれる姿が
見えてきました。

↑9mカッターはハセガワ製を使用しているため、ダビッドもハセガワ製
に交換しました。エッチングもハセガワ製です。

↑菊花紋章はWingShipArtオリジナル商品、金の艦首菊紋章です。歯科
技工士の方が製作されたもので、なんと22kの代物です。純正のモールド
を切削して取り付けました。この気品と風格は、なかなか画像では伝わら
ないですが、この紋章をつけることで、模型の風格が何倍にも膨れ上がる
ようです。
美しい紋章が装備され、いよいよ金剛が「軍艦」としての生命を与えられた気
がしました。(旗竿は空中線のテンションに耐えられるよう、真鍮パイプ
で作りなおしました)

↑空中線は、画像右側に映っているルアー用のTMCモノスレットを使用
しました。このテグスは、最初から黒色で成型されたもので、細さといい、
強さといい、これまで使用してきた素材の中で最高のものでした。

↑空中線は、まずはヤードから張って行き、次にジブクレーンという順番
に進めました。奈良模型愛好会の展示会にこの金剛を出展した際、もっとも
質問が多かったのが、この空中線の張り方でした。HIGH-GEARedの場合は、
ゼリー状の瞬間接着剤を使用し、硬化促進スプレーで硬化させる方法で取り
付けています。横のラインは船首からはじめて艦橋へ、そしてマストへ、と
いう順番で、前から後ろに向けて順番に接着していきます。

↑空中線を張り終え、無事に1/350高速戦艦金剛が完成しました。