フジミ 1/350
高速戦艦『金剛』製作記
フジミ1/350高速戦艦金剛の製作は、いよいよ各種艤装が複雑に入り乱れる
艦上構造物の製作に入ります。
カタパルトの製作および甲板上小物類の接着
今回は、主に航空作業甲板のディティールアップがメインです。

↑今回は、前回の航空作業甲板の製作に引き続いて航空艤装の製作から開始します。
高速戦艦金剛に装備された呉式二号射出機は、今回はフジミの「専用パーツデラック
ス3枚セット」のパーツを組み立て、更に簡単な改良を加えることで実感アップを計
りました。写真は同エッチングパーツを切り離した状態ですが、撮影時にいくつかの
部品の切り出しを忘れていたので、実際にはあと4枚ほどパーツがあったはずです。
これまで、呉式カタパルトは各メーカーのパーツを組み立ててきましたが、このパー
ツは、ひょっとしたら過去最高の出来かもしれません。

↑組み立て前のパーツの中央に乗っている黒い部分は、爆発筒です。本物のカタパル
トは、この中の装薬に点火して飛行機を射ち出す仕組みになっているのですが、丸い
筒状のものですので、板状のエッチングパーツでは再現できず、ABS樹脂の丸棒を使用
して自作しました。ABSの丸棒は東急ハンズなどで購入できますが、スチロール樹脂の
プラ丸棒でも代用可能です。爆発筒の設置位置については、シコルスキー氏の図面集
を参考にしました。

↑フジミのデラックスパーツのカタパルトは、このように上部と下部をそれぞれ個別
に作り、重ね合わせて立体感を出す珍しい構成になっています

↑そして、個別に完成したパーツを組み合わせた状態。内部に仕切りが多く入るライ
オンロア製やゴールドメダル製とはまた違った雰囲気です。内部構造が資料にかなり
忠実で、非常に良いパーツだなと思いました。

↑なお、せっかくですので、デラックスパーツだけでなく、スタンダードの「戦
艦金剛専用エッチングパーツ」に含まれるエッチング製カタパルトも紹介します。
こちらは上下の分類はなく、折り曲げだけで簡単に箱組みできる構成になっていて、
エッチングパーツの肉薄感を手軽に楽しめる仕組みになっています。

↑そして、これがスタンダード版を組み立てた状態です。シャープな完成度ですが、
デラックス版を見たあとですと、やはり内部が寂しい感は否めません。

↑そして、こちらは純正のプラパーツ。従来、プラキットの純正カタパルトとい
えば、1/350では無垢表現が一般的だったのですが、近年の新製品郡の例にもれず、
フジミ1/350金剛のパーツもちゃんと内部も抜けていて、プラとしてはかなり頑張
っている出来だと思います。ボリューム感を重視するなら、エッチングに頼らず、
あえてプラパーツを選択する手もアリかもしれません。

↑デラックスパーツのカタパルトを取り付けた航空作業甲板の全景です。ジョーワ
ールドの運搬軌条と真鍮線の押さえ金具の効果も相まって、密度の濃いディティー
ル表現となりました。

↑次は甲板上に無数に搭載された25mm機銃の弾薬函の設置です。フジミの1/350高速
戦艦金剛のキットには、この弾薬函がなんと118個もセットされていて、これが精密
感をウリにしている同キットの大きな特徴にもなっています。小さいパーツですが、
大きい砲の弾薬函は、ゲートが二箇所あるので、ゲート跡をサンディングして一個
一個仕上げていくのは本当に大変な作業でした。

↑甲板上には、弾薬箱の他に、通風塔やコンプレッサーか小型のタービンのようなパーツが
多数配置されます。どれも非常に小さいパーツですので、紛失にはくれぐれも注意しましょう。

↑甲板上に無数に開けられている取り付け穴の様子。弾薬函は機銃の周りを取り囲む
ように設置され、通風塔は主砲バーペッド付近に集中しています。

↑今回は、その主砲バーペッド(砲座)にも簡単なディティールアップを施しました。
使用したのは、鉄道模型界では結構有名なエコーモデル社製の「リベット付シル・ヘッ
ダーセット」です。

↑このパーツをアップで見ると、このようになっています。リベットが打たれた補強板
にそっくりな形状なので、今回はこれでバーペッド補強板を製作することにしました。
なお、今回パーツを提供していただきましたWing&Rail様では、チェコのExTecH社製の
極小リベット付エッチング板も取り扱われており、こちらはリベットの間隔や配置が
エコーモデルのものとはまた違っているので、補強板のバリエーションを増やすのに
役立ってくれそうです。

↑バーペッドの高さに合わせた寸法出しにはノギスを使うのが便利です。まず、
穴の深さを測るデプスバーを使ってバーペッドの高さを測ります。すると、ジョ
ウの隙間の幅がバーペッドの高さと同じになるので(赤い矢印部分の幅が同じに
なるということです)、ここにパーツをセットし、エッチングニッパーなどで切
り出すことで、治具を作らなくても正確な長さの補強板が量産可能になります。

↑そうして完成したバーベッド補強板の様子。考証に詳しい人でしたら「金剛型
戦艦にバーベット補強板はないはず・・・」と思われるでしょう。実際、HIGH-GE
ARedも金剛型戦艦の写真を目を凝らして見てみたのですが、補強板は確認できま
せんでした。今回は、あくまで模型映えを重視したディティールアップです。
第二主砲塔バーベットの後部に白いリールが見えますが、こちらも地ティールア
ップしてみたのでご紹介します。

↑使用したのは、トムスモデルのエッチングパーツです。様々な形状や
大きさのパーツがセットされているので、この中から高速戦艦金剛に合
うものを選んでして使用しました。

↑リールに巻かれたワイヤーの再現には、ウェーブの密巻スプリングを
使用しました。「1/350戦艦大和決定版」製作の際に、初めて挑戦した
方法なのですが、リールの真円度が高く、仕上がりがシャープになるの
で気に入っています。

↑ちなみにこの密巻きスプリング、本来はこういう用途に使われるそうです。

↑1/350艦船のリールはとても小さいので、キットパーツの幅に合わせて切断
したあとは、このように爪楊枝の先に差し込んで塗装することになります。

↑セールカラーに塗装したスプリングと、外舷色に塗装したエッチングパー
ツを組み合わせてリールを完成させていく様子です。スプリングの直径は二
種類を使い分けたのですが、大きいほうでも2ミリもないので、かなりシビア
な作業になりました。

↑取り付け側は、プラパーツの取り付け穴が開いているので、パテで埋め、
塗装しなおしました。

↑ディティールアップされたリール郡(大)

↑ディティールアップされたリール郡(小)

↑リール郡のディティールアップのあとには、もうひとつとても
シビアな作業が残っています。甲板塗装の際に一旦削り取った純
正防弾板モールドを、エッチングパーツにて再生する作業です。
防弾板自体は、このようにエッチングの薄板を曲げるだけなので、
さほど難しい作業でもないのですが・・・。

↑防弾板の裏側に取り付ける三角補強板は非常に精密なパーツで、
かつ数も大量に取り付けなくてはいけないので、製作開始時点から
この段階にいたるまでの作業の中で、最も神経をつかう作業になり
ました。

↑そして、これが防弾板を再生した様子です。白く見えるのは、瞬間接着剤が
湿度で白化したもので、これは乾燥した日にシンナーの薄吹きをすれば消える
ので、特に問題はありません。

↑苦労した甲斐あって、かなり精密な防弾板が完成しました。今回製作している
金剛のお気に入りのポイントのひとつになりそうです。

↑次は手すりの取り付けです。手すりのパーツは「金剛型共通手すりエッ
チングパーツ」と「デラックスパーツ」の両方に入っており、船体への固定
方法や薄さなどが違っていたのですが、今回は「共通手すり」を使用しました。
いわゆる「のりしろ部分」を折り曲げて接着するタイプのパーツなのですが、
のりしろの幅が他社のものよりも狭く、柱一本一本に取り付けられている様子
が、実艦の折りたたみ式手すりの番(つがい)の部分を思わせて好感を持ちま
した。これまで何度も訪れている横須賀の記念艦三笠の舷側側の手すりも同じ
ような仕組みになっていましたので。

↑金剛型専用に作られている手すりパーツだけあって、フィッティングは
なかなか良好です。高角砲スポンソンとの取り合いの関係で、少しだけ切
り縮めた部分もありますが、長さに関してはほとんど問題ありませんでした。

↑甲板上の小物類や手すりがつくと、精密艦船模型の雰囲気が一気に高まって参りました。

↑船首側の様子。キャプスタンや通風塔が目立つ部分です。

↑手すりの次はラッタルの製作。艦橋やその他の構造物にも多数装備され
ますが、ここでは航空作業甲板付近に取り付けたものをご紹介します。
右が、「デラックスパーツ」のラッタルをエッチング板から切り出した
状態、まず手すり部分を折り曲げ、続いて踏み板を一枚一枚ピンセット
で曲げていきます。 ライオンロアのパーツと似た構成になっています
が、踏み板を曲げる方向が反対になっていて、より奥行きのある表現に
なっています。

↑少し分かりにくいですが、このような、昇り降りがそれぞれ
分割されているタイプのラッタルも再現されています。この
タイプのラッタルが再現さてているパーツは初めてみました。
次は、煙突と中央構造物の製作になります。