トヨタモータースポーツフェスティバル 2004/11/28

鈴鹿サーキット




↑サーキットに観光バスにGTレーシングカー???合成画像ではありません。詳細は後ほど(笑)



2004年11月28日、鈴鹿サーキットで「トヨタ・モータースポーツ・フェスティバル」が盛大に
開催されました。

イベントはトヨタのモータースポーツ部門を取り仕切る斉藤明彦副社長のトヨタF-1マシン
TF104のドライブと「今日の天気のようにすかっとした気分になりました!」という言葉にお
いて開幕、JGTCやF-3などトヨタのドライバーが勢ぞろいし、「見て聞いて触れてモーター
スポーツのドキドキワクワクを体感する」ことを目的に開催されたものです。

F-1マシンをテストドライバーのライアン・ブリスコがドライブすれば、高木虎之助がCART
チャンプカーを走らせ、コース上ではF-3やフォーミュラ・トヨタも交えたデモンストレーシ
ョンランが繰り広げられました。

元F-ドライバーの片山右京によるパル・ダカラリー仕様のランドクルーザーのデモ走行
などを経て、最後はJGTCのデモレースも行われ、本番さながらの激しいバトルが展開さ
れました。また特設ステージではさまざまなドライバーを交えたトークショーも行われ、トヨタ
の歴代のモータースポーツ活動を紹介するマシン展示やパリダカランドクルーザーの
同乗体験走行、JGTC走行中のコースへ観光バスに乗車して進入するGT体験ツアー
など、「触れる」部分も大変充実した素晴らしいイベントでした。

HIGH-GEARedはこのイベントにいつも地元の集まりで仲良くして頂いているSIMASIMA
さん、海杜さん、やまもさん、OOHASHIさんらと供に訪れました。

大変な混雑が予想されたため、起床は午前4時、到着は午前8時頃でしたが、既に駐車
場は半ば埋まり、かなりの混雑した鈴鹿サーキットへ入場しました。


参加者名
車種
ボディカラー
HIGH-GEARed
AW11
SIMASIMA
ランサーエボ2
やまも
Step WGN
シルバー
OOHASHI
Step WGN後乗り
-
海杜
Step WGN横乗り
-



当日参加したメンバーの車両の紹介




大阪のメンバーは複雑な押し出し方式で京都某所へ集合しました。まずは海杜さんが
OOHASHIさん宅までAW11で向かい、OOHASHIさんのAW11に2人乗りで京都のやまも
さん宅へ向かい、やまもさんのStep WGNに二人を乗せて三人で待ち合わせ場所へ向
かうというものです。午前6時の集合で、HIGH-GEARed AW11と合わせて2台で三重県
の名阪国道の某インターまで向かいました。



そこで奈良県南部在住のSIMASIMAさんと合流し、メンバーが全員そろいました。SIMA
SIMAさんは早出の際に焦ったのか?朝の髭剃りの際に剃刀で頬を深々と切り、大出血し
ながらの壮絶なドライブだったようです。(実話)



HIGH-GEARed AW11は諸事情によりドア周りのステッカーを合計6枚剥がしたのですが、その際に右ドアの塗装が
一部剥がれてしまいました。どうもHIGH-GEARedがオーナーになる以前の板金作業が悪かったみたいで塗りなおし
たにも関わらず再びのトラブルに祟られてかなりの精神的ダメージを受けました。塗装補修は前日に自分で行い、あと
は研ぎ出しを待つという状態での参加となりました。



この赤バックスキンのステアリングは遠出に備えて10月に購入したもので、クイックリ
リースのボス機構を使って普段使用している26パイのMOMO MOD11とワンタッチで
交換できるようになっています。本当は2004年のMR2ミーティングに備えて買ったもの
だったのですが、参加できなかったため今回がオフレポデビューとなりました。


走行車両のパドック、ピットガレージ裏での展示



駐車場から移動を始めたときには既にコースからF-1マシンのエキゾーストノートが聞こえ
てきました。朝の走行はトヨタの斉藤福社長がドライバーを務めておられたそうです。

まずはいつもどおり遊園地を越えてゲートを潜ってグランドスタンドからサーキットへ進入、
ホームストレート下のトンネルを潜ってパドック裏へ出ました。ピットガレージ裏は一般客に
開放され、走行前の点検と調整を行うマシンを目の前で見ることができました。



ピット入り口の一番近くで調整中のトヨタ7の後ろ姿です。トヨタ7というマシンは1967年8月に
最初に企画されたグループ7の企画に則って製作されたプロトタイプレーシングカーで、
3リッターエンジンを搭載する415Sと5リッターの474S、そして5リッターの578Aの大きく分けて
3車種が存在します。このマシンは最終後期型の578Aです。



ドライバーは当時トヨタワークスドライバーのキャプテンも努め
た細谷四方洋(しほみ)さんです。当時のままのスーツとジェッ
トヘルが雰囲気を出していて良いですね。ピット裏では同氏に
よるサイン入りのトヨタ7 1/43スケールミニカーの即売会が行
われていました。このミニカーはHIGH-GEARedも一台所有し
ているデルプラドコレクションの創刊号のものです。(余談です
がデルプラド破産宣告で扶桑社との提携がなくなってしまいま
したが、今後新たな提携業社は見つかるのでしょうか?)



578Aにはターボ仕様とNA仕様がありますが、これはNA仕様のものです。91Eエンジン搭載
のターボマシンは時々HIGH-GEARed HOBBY WORKS!!のトヨタ博物館でのオフレポに
登場するトヨタ博物館が所有するものと、オランダのローマンコレクションが所有するものの
2台があり、この79Eエンジン搭載のNA仕様はこの1台のみで、世界に3台現存するようです。
ちなみにこの578Aでは先代の474Sよりエンジンのマウント位置が50mm低く設計されました。



コクピットは左側にパッセンジャースペースが設けられたもので、これは現在のルマンプロ
トタイプにも通じるスポーツカーレギュレーションによるものです。シャーシはアルミスペース
フレームで474Sより100キロの軽量化を目標に製作され、ボディカウルも極限まで薄く延ばし
たFRPの裏面をカーボンで裏打ちする方法で仕上げられています。



全体像。現在の目で見ても非常に完成されたマシンにのみ漂うオーラがあります。ちなみに
91Eエンジンではブースト圧しだいでは軽く1000psをオーバーする性能を持っていたらしく、
ライバル車の日産6リッターターボマシンR383との日本グランプリにおける激戦が予想された
のですが、結局日産の参戦中止とグランプリ自体の開催中止によって、70年の富士1000km
レースでのデモンストレーションのみがこのトヨタ7 578Aの最初で最期の活躍となりました。



578Aの性能を簡単に紹介したプレートです。こうしたプレートを一緒に展示してあるかないか
で、イベント全体への好感度もぜんぜん違ったものになります。こうした展示は実車の活躍を
知らない人にも楽しめて良いですよね♪レースレギュレーションや車の馬力や重量に詳しい人
ならこうしたデータを見るだけでも走りを想像して楽しむこともできます。



こちらはトヨタが生み出した国産唯一とも言えるスーパーカー、トヨタ2000GTのスピードトライ
アル仕様です。先日、チャンネルNEKOで放映されたスピードトライアルの記録映画を録画し、
このマシンの活躍を見たばかりだったので、トヨタ博物館以来の実車にお目にかかれてとても
幸せでした。車自体は市販車の状態の2000GTと大差ありませんが、耐久試験に備えた軽量
化やメンテナンス装備、スクリーンの追加などのモディファイが行われています。マフラーも直管
のようで、レーシングカー顔負けのパワフルな吸排気サウンドを響かせてました。こんなマシンも
動態保存されていたんですね〜。



日本初のリトラクタブルヘッドライトの装備や、日本では80年代半ばからようやくスポーツ車
に標準装備されるようになった4輪ディスクブレーキなど、先進のメカニズムが搭載されて
います。また、インテリアの装飾なども素晴らしく、ヤマハの家具部門から高級ローズウッド
材を調達して仕げられたダッシュボードなど、まさしく芸術品と呼べる数々の話題を独占
しました。



こちらは全体像を取り損ねたのですが、JGTCが行われる以前に日本のツーリングカーレ
ースの代表格を誇っていたJTCC(全日本ツーリングカー選手権)に出場し、関谷正徳選手
がドライブしたチェイサーの室内です。現在のGTレーシングカーとは違い、より剛性の低い
市販車ベースの車両を使用しているため、レース専用に開発された最近のマシンと違って
安全性を確保するためのロールバーの数はかなり多くなっています。



JTCCの車両規則ではでは車両を改造できる範囲も少なく設定されていたため、車内、車
外を含めて、より市販車に近い形でレースを行っていましたが、ドライバーを含めた重量配
分を合わせるためにシートは後方に移動してステアリングシャフトを延長し、市販車とはかな
り違ったポジションでドライブすることになります。シャフトにはクイックリリースが装備され、
ステアリングはワンタッチで取り外し可能です。(現在のGT車両ではステアを押し上げる
タイプのボスが主流です)



こちらはナスカートラックのカテゴリーで今年から参戦したトヨタのタンドラというピックアップ
トラックです。昨年と一昨年の2シーズンはうウインストンカップをGAORAで観戦し、インディ
以外のアメリカンモータースポーツにも興味を持っていたのですが、今年はGAORAで同シリ
ーズが放映されなかったため、少し残念な一年になりました。



タンドラの車内です。ダッシュボードのフロントガラス写りこみを防ぐためにダッシュボード上
面がつや消しに仕上げられるなど工夫されています。GTカーと違ってどちらかというと職人
の仕事が施された室内です。
NASCARカテゴリーは未だに市販車ベースのマシンで戦われていると認識されがちですが、
現在では1からレース専用に開発されたプロトタイプカーが使用されており、このタンドラもそ
のプロトタイプの部類に入ります。オーバルコースでの高速バトル用に作られているハイス
ピードセッティングのものは、左回りのバンクに備えてデファレンシャルをロックさせたり車高
を右上がりにしたり、1G状態でスタビにプリロードをかけたりと、左高速コーナーを攻めるのに
都合が良い独自のセッティングが施されています。



これはクリスチアーノ・ダ・マッタがCARTシリーズを制覇した際にドライブしたチャンプカー、
ローラB2/00と現在モーナンレーシング所属でIRLを戦う元F-1ドライバー高木虎之助選手の
ヘルメットです。CARTチャンピオンシップシリーズもインディレーシングリーグに人気を奪わ
れて最近では衰退気味ですが、この頃はまだCARTの方が人気ドライバーが揃っていました。



なんとっ!!!!!うれしいことにステアリングがHIGH-GEARed AW11とおそろいのMOMO
モデル11じゃないですか!自分が自分の車に使っているパーツを実戦の場でみつけると
なんとも嬉しいものです(嬉)。こうしてみると4つ穴止めも似合いますね。アダプター自作して
みたくなりました。(笑) ドライカーボンむき出しの車内がまぶしいです。

CARTのマシンはF-1のようなシャーシ&エンジンコンストラクターが製作した1点モノのマシ
ンを使用するのではなく、ローラやレイナード、ダラーラに代表される大量生産型のシャーシ
コンストラクターから供給されるシャーシを購入し、エンジンもトヨタをはじめとして複数のチ
ームに供給されるエンジンを使用して争われます。こうした複数チームに供給されるマシン
は開発側も非常に多いデータを得ることができ、超高速バトルのクラッシュ時などの安全性
もF-1と比べてもはるかに高次元を達成していると言われます。



ちなみにこのダ・マッタがドライブしたこのマシンを所有していたニューマン・ハースチームは
「ハスラー」などの映画で活躍した名映画俳優のポール・ニューマンがオーナーをつとめて
いた名門チームです。ニューマンといえば、スティーブ・マックイーンのようなレース好きの俳
優として知られ、インディ500の映画も製作しましたが、残念ながらマックイーンのル・マンには
遠く及ばないものでした。



こちらはトヨタのレーシングカーの最高峰と言えるF-1マシン、TF104です。F-1界でホンダが
活躍しだした数十年前から「トヨタがF-1に参戦したらどうなる?」というのは常に話題とされて
きましたが、現在この仮定の話を現実として挑戦している姿に立ち会えるのは、モータース
ポーツファンとしてなんともいえない幸せです。優秀なエンジニアを多くかかえ、資金的にも
大きなバックアップがあるトヨタF-1チームは、F-1関係者が「将来性バツグン」と口を揃えて
太鼓判を押す体制が組まれており、いつかトップチームに挑戦する姿を目にすることも
できるかもしれません。



2004年度のトヨタF-1テストドライバーをつとめたライアン・ブリスコ選手がファンのサインに応
じていました。2003年のユーロF-3チャンピオンです。来期2005年はジョーダンチームのレギ
ュラードライバーの座を目指していたブリスコですが、残念ながらこのレポートを作っている20
04年12月の段階ではまだ交渉はまとまっていません。IRLに活動の場を移すという噂もあるの
で、生で見れるのは今回が最期になるかもしれませんね。



このランドクルーザーはパリ・ダカールラリーの市販車無改造部門に参戦する車両で、ドラ
イバーはあの元F-1ドライバーでル・マン2位の実績をもつ片山右京選手です。砂漠を走破
するのに最低限必要な部分以外はまったくのノーマル状態ということですが、このあとの走行
イベントでは鈴鹿サーキットのオンロードを力強く走りぬいてくれました。



室内もロールバーとラリーコンピューター以外はいたってシンプルです。しかし片山右京曰
く、「鈴鹿サーキッのコース内はどこでも走れる」走破性ということです。(笑) アスファルト
路面だけでなく、グラベルも走って欲しかったですね。(爆)



ここからは全日本GT選手権こと、JGTCからトヨタの車両が勢ぞろいします。まずはエッソウ
ルトラフロースープラ。ドアミラーの位置とフロントフェンダーの幅を見比べるといかにすごい
張り出し具合になってるかが良くわかりますね。



実はHIGH-GEARedは自称レーシングカーマニアと言いつつJGTC車両にはあまり詳しく
なかったりします。(汗) ですので詳しくはこのプレートをご参照ください。(笑)



室内は一人のりが前提ですが、レギュレーション上パッセンジャースペースも少し用意して
あるみたいです。グループCでもLMPでもなんとかもうひとり乗せようと思えば乗せられる作り
になっているみたいなので、それと同じですね。ステアリングのスイッチパネルがかっこいい
です。こんなパネルをいつか自作してやろう前々から企んでます。



クオーターガラスに半分埋まった双眼鏡のような物体はレース用の給油ダクトです。片側か
らガソリンを注ぎ込み、もう片側からタンク内の空気を抜くことで高速での給油を可能にして
います。右側のウインドウに貼られている分銅のステッカーはこの車にどれだけのオモリが
積まれているかを示すもので、JGTCではシリーズが特定チームのワンサイドゲームになら
ないように、成績に応じて積載されるオモリの量が変わるルールが導入されています。



デンソーサードスープラのリアホイール。HIGH-GEARed AW11と同じレイズTE37と同じコ
ンセプトのホイールですが、こちらはスポーク少し内側にえぐれたデザインでかなりレーシー
です。市販でもこうした微妙にえぐれたスポークのものがあるのでいつか導入したいなと考え
てます。(PCD変更が必要ですが)



ここにもHIGH-GEARed AW11と同じパーツを発見!!AUセルモスープラはHIGH-GEAR
ed AW11に装着しているものと同じクラフトスクエアのドライカーボンドアミラーを採用してい
ます。クラフトスクエアはパーツメーカーでも非常にめずらしいドアミラー専門のメーカーです
が、コンペティションの世界でも通用する視認性と軽量、高剛性をきっちり達成していることで
とても成功したメーカーと言えるでしょうね。



こちらはトヨタ セリカがベースとなるモデルでプロジェクトミュー太陽石油セリカです。また
HIGH-GEARed AW11のパーツの話になりますが、ブレーキパッドはプロジェクトミュー製
を愛用しています。GT選手権の車両は総じてモデル車両の原型をとどめていないのが基
本ですが、このセリカはもっとも原型をとどめていないモデルのひとつでしょうね。しかしこれ
はこれで日本車離れしたスーパーカー然としていてなかなかカッコいいデザインと思います。



チームなどの詳細はこのプレートをご参照ください。



こちらは同じセリカを使用するエスペリアコーセイセリカのフロントフェンダー。マフラーはな
んとサイド出しどころかフロントフェンダー出しです。ドアにモロに排気を受けることになるので
さすがに市販車には使えませんね。(笑)



RECKLESS MR-S。やはりトヨタのミッドシップカー乗りとしては注目したいマシンです。この
雰囲気はなかなか写真では伝わりにくいと思いますが、実車はこれまで紹介したGTカーの
中でもダントツにルーフの位置が低く、プロトタイプカー然としたかっこよさに溢れています。
これも実車とはかなりかけ離れた造形になっていますが、このカタチのまま市販しても欲しが
る人は随分いるのではないか?と思わせられるものがあります。



LED化されたテールレンズとフェンダー外板との距離を見ればこのMR-Sが市販状態からい
かにワイドにモディファイされているかがよくわかると思います。市販車のMR-Sはリアフェンダ
ーも外せる構造になっているので、こうしたレーシングカーに魅せられてブリスターフェンダー
を組むオーナーの方もおられることでしょうね。かくいう自分も実は少しあこがれています。(笑)



本来はオープンカーのMR-Sですが、GTレーシングカーの場合はハードトップがリアカウル
を兼ね、エンジンルームを開けるともれなくオープン化する構造になっています。(笑)しかし
こうしてみればみるほど市販車の面影はありません。JGTC車両ってどこに市販車の部品を
使うレギュレーションになっているのでしょうね?(ドアノブくらいしか見つかりませんでした)



チームの説明は・・・(以下同文)



横から撮るとペッタンコ具合がわかるでしょうか?キャビンが小さいので世界中のどのスーパ
ーカーやレーシングカーにもない独特の雰囲気があります。惚れ惚れしてもう一枚撮っちゃ
いました。(笑) このあとこのMR-Sはジャッキアップされ、エンジンとミッションの暖機をはじめ
ました。こうして目と鼻の先でセットアップされるレーシングカーを見れるのは実に楽しいこと
ですね。 



今では絶滅してしまったグループCカテゴリーですが、今も昔も「究極の箱車」であることに
はかわらないと思います。耐久レース用マシンでありながら、一時はF-1のラップタイムをも
しのいだモンスターマシンです。このトヨタTS010はその後マクラーレンF-1GTRでル・マン
日本人初優勝を遂げた関谷正徳選手のドライブで1992年にル・マン24時間レース準優勝
を獲得し、93年は4位、WSCワールドスポーツカーチャンピオンシップで総合3位を獲得し
た名車です。グループCのマシンを目の前にしてみるのは実は初めてのことだったので
感激しました。



TS010についての解説です。大型のマシンが超高速で戦うグループCは本当に魅力的で
した。復活を願いたいものです。



カシオトヨタTS010のドライバーは日本人ドライバーでは世界の舞台で大成功したひとりで
ある関谷正徳選手以外にも、元F-1ドライバーのピエル・アンリ・ラファネルなど、豪華な顔
ぶれが揃っています。室内はとても狭く、この中で長時間戦うドライバーの苦労というのは
はかりしれませんね。現在でもLMPと比べてLM-GTPやGTマシンの方が「屋根がある分
苦しい」といいますし、雨の日の視界や夜間走行や油膜の付着などの際にはフロントガラ
スが視界の妨げになって苦労することが多いそうです。



F-3マシン「SSR DeoDEO ローラ童夢F106」です。トヨタのF-3マシンは2代目MR2 SW
20型に搭載される3S-Gエンジンと基本構造を同じにするエンジンが搭載されています。
以前は若手レーサーの登竜門的な呼び方をされていたF-3ですが、現在ではもうレーサ
ーもチームもプロオンリーの厳しい世界になってきているようですね。



フォーミュラにも最近は入門カテゴリーが多いですが、このクラスになるとさすがに良い
ブレーキが使われてますね。F-3といえば14〜5年前のF-1ブームのときにはNHKで
マカオや富士が放映されていたのでビデオに残してあったのですが、その時のドライ
バーラインナップはクルサード、バリチェロ、ヴィルヌーブ、ジル・ド・フェラン、
土屋圭一、近藤真彦など、それぞれ一時代を担った豪華な面々が揃っていました。



F-3は各エンジンメーカーの競争の場でもあるため、イコールコンディションを作り出すた
めにエンジンの仕様にあわせたリストレクターによる吸気制限が設けられます。エンジンに
入る空気の量を規制することによって、馬力を抑えるためのシステムです。マシンの性能
を極力同じにして、ドライバーのテクニックで勝敗を決して欲しいというレースの趣旨に則っ
た規定です。



AW11に搭載されるエンジンと基本設計は同じ4A-Gエンジンを搭載するフォーミュラカー、
「フォーミュラトヨタ」です。市販車からはもう姿を消してしまった4A-Gエンジンですが、レース
の世界で健在というのはなんとも嬉しい限りです。10数年前まではF-3の下のカテゴリーは一
気にラジアルタイヤ使用&空力デバイス不可のFJ(フォーミュラ・ジュニア)やカートまで下が
ってしまっていたのですが、最近ではF-4やFD(フォーミュラドリーム)、そしてこのFTなど、間
に立つシリーズが増えてます。スリックタイヤに空力デバイスが使用可能なこうした本格的フ
ォーミュラカーで経験を積めば、上位のカテゴリーにステップアップした際にもその経験が大
いに役立つことと思います♪



ブレーキシステムは市販車と基本的に同じものでしたが、アーム類などはかなり作りこまれ、
ドライバーのテクニックを思う存分発揮できる仕様に仕上げられています。しかし一方で市
販車のパーツを流用して作られている部分も多いので、趣味で走らせるのにも適している
かもしれませんね。



こちらはハイブリッドカー代表選手のプリウスですが、なんとこれもレース仕様です。2代目の
プリウスをベースに、エンジン、モーターともに強化され、ハイブリッドでエコロジー溢れるレ
ースを見せてくれることでしょう♪



スタンド裏の展示車両とモータースポーツに「触れる」イベントの数々




グランドスタンド裏ではこれまでトヨタが国内および世界の舞台で活躍させた素晴らしいレー
シングガーが勢ぞろいしていました。これはトヨタがル・マン24時間レースに送り込んだマシ
ンの中でも最も印象に残る活躍をしたトヨタGT1 TS020です。まずとにかく驚かされるのは
そのスタイリングで、初めて目にした時の衝撃は今でも忘れられません。まさに「こんなのア
リ!?反則でないの??」っていうイメージです。見た目はまったくグループCそのまんまと
いうデザインですが、これはいわゆるモンスターGTと呼ばれたGTカーのレギュレーションの
裏の裏をついて製作された革新的なマシンです。



24時間を走りぬいたマシンにはこのような「戦った痕」が残ります。レースが開催されるル・
マン市の6月はとても虫が多い時期だそうで、このようにレース後にはさまざまな汚れがマシン
を覆い尽くします。しかし、それらの汚れを拭い取らずにあえて汚したままマシンを保管して
おくというのはなんとも心憎い演出ですね。TS020は98年と99年に参戦しましたが、これは99
年式のもので、1年落ちとはいえ他社ワークスチームをとことんまで焦らす速さを見せつけ、
3号車の片山右京/鈴木利夫/土屋圭一組が2位に入賞し、純日本人チーム最高の記録を出しました。



この破損痕・・・・。僕は今でもはっきりと覚えています。残念ながら2位に終わったこのマシン
ですが、実は優勝したBMW V12との燃費合戦にあと少しで勝利する間近まで行ったので
す。24時間後のゴールまであと残りわずかというところで、左リアタイヤが突然のバーストに
見舞われました。この部分のカウリングはそのバーストの際に自らのタイヤの破片を受け
て砕け散りました。ミュルサンヌからインディアナポリスコーナーにかけての時速300キロオー
バーでのバーストは一歩間違えれば大惨事に繋がる危険なものでしたが、さすがは元F-1
ドライバーの片山右京選手でした、まさに『神風ウキョウ』の名に恥じない神業のリカバリーを
見せ、無事に2位のゴールに導いた彼の姿に、僕をはじめとして日本のモーターファンは実
に感激したものでした。



このマシンはレギュレーションの裏の裏をついた徹底した設計で知られています。某由良
拓也氏的に解説してみましょう。「ほら〜このホイールとカウルの隙間を見てください。面白
いですね〜。カウルはこうしてホイールの中に入ってもレギュレーション上は問題ないん
ですよ。このマシンを設計したデザイナーは以前プジョーのCカーなんかを設計していて
今ではクラージュをベースにしたペスカロロスポーツのマシンを設計しているデ・コルタン
ツさんというひとなんですけど、彼のマシン独特のこのマシン中央からリアエンドにかけた
僧坊筋のようなマッチョなスタイリングが特徴ですよね〜。キャノピーのデザインもなんという
か、中に赤い電球でも入れようものなら何かに似てると思いません?もうザクですよ、ザク。」(爆)



こちらはWRC世界ラリーチャンピオンシップのチャンピオンマシーンとなったセリカGT-FO
URです。このST185型セリカの活躍も、当時BS放送で放映されていたため、いつも楽しみ
に見てました。当時はサインツとシュワルツのコンビだったと思います。(このマシン自体は
違うようですが)WRCも現在のような半プロトタイプカーではなく、当時のマシンはまだかなり
市販車の形態が残っていて、内装などはロールバーやラリコンを組んだプライベーター製
作のラリーカーとそれほど遜色はありません。



1990年のル・マン24時間で6位入賞を果たした90CVの進化型がこの91CVです。90CVから
50キロの軽量化を果たし、規定上の最低重量を達成したマシンでした。ホイールベースと
トレッドをワイド化し、かなり大型の車体となって操縦安定性を向上させています。エンジンは
R36Vといわれるもので、従来型より低回転側のパワーバンドが広がって燃費も向上しました。
ターボマシンが参戦できないレギュレーションのため、91年のル・マンとWSCシリーズへの
参戦はかなわなかったのですが、JSPCシリーズではデビューウインを飾り、その後3連勝を
果たす(全5戦中3勝2位2回)など、国内のレースで活躍しました。



上の91CVから少し時代はさかのぼって1988年式の88CVです。以前に製作した88Cの2リ
ッター直列4気筒の3S-GTターボエンジンの性能の限界を感じたトヨタはついにグループC
用V型8気筒エンジンを開発し、搭載しました。このR32V型エンジンはオールアルミ製で非
常に軽く、パワーは800馬力以上、予選ブーストでは1000馬力に達するというすさまじい
馬力を達成しました。88Cのマイナーチェンジを思わせる形式名称ですが、88Cとは中身も
性能も全く別次元のモンスターマシンです。



グループAレース仕様のターボA、フジツーテンスープラですホモロゲーション用のモデル
が市販化され、このターボAダクトをつけたスープラをたまに見かけることがあります。ワイド
ボディ化もこのグループA参戦がひとつのきっかけだったのかもしれませんね。



アメリカのIMSAシリーズに参戦したST162型のセリカです。当時のIMSAのレギュレーション
は良くしらないのですが、アメリカらしくNASCAR仕立てのスタイリングにしあがってますね。
エンジンは4T-Gを改造した2リッターターボで450馬力という大パワーを発生しました。ベー
スはFF車ですが、ミッションを後方に移動するというトランスアクスル化を施したFR車両に
仕上げられています。外観はセリカのスタイルを踏襲していますが、基本的にはJGTC車
両のような本格的プロトタイプカーの部類に入ります。



さきほどはピットでセットアップが施されていたトヨタ7を紹介しましたが、これもトヨタ7です。
さきほどのマシンは578Aという形式のものですが、こちらは474Sという形式のもので、
1969年のモデルです。最近チャンネルNEKOで放映された日産の日本グランプリ広報映
画に、このマシンが無残にブローしている映像が映されていました。トヨタ敗戦のこの背景
には、実はライバルマシンの日産R382が5リッターマシンと公表していたにも関わらず、実は
6リッターのエンジンを開発し搭載していたという裏があり、公平な条件で戦うことができなか
った当時のトヨタの開発者の失望ぶりというものは推して知るものがあります。

(↑この裏バトルの詳細はミニチュアレーシングカーコンテンツのR382をご参照ください)



474Sのリアエンド。この時代のプロトタイプカーはとにかくタイヤのデカさに驚かされます。
現在のF-1のようなグルーブドタイヤと比べ物にならない魅力がありますね。ミッション後
端部には有名ミッションメーカーのヒューランド社のロゴが見えます。



グランドスタンド裏ではマシンの展示のほかにも、このようなパリダカ仕様のランドクルーザ
ーの体験試乗会など「触れる」イベントも充実していました。山積みにされたタイヤを乗り
越えたり、ジムカーナばりの高速クイックターンを披露するなど、ランクルの走りを堪能で
きる素晴らしいイベントでした。



実車に乗るイベント以外にも、このようなシュミュレーターによる鈴鹿サーキットのタイムア
タック大会なども行われていました。最近では家庭用ゲーム機でもシートに座ってステア
リングとペダルで操作するゲームが流行していますが、こんなマシンに乗ってレースゲー
ムができるなんてかなり熱いです。一家に一台あったら・・・邪魔でしょうね(笑)



本コース上での走行イベントおよび公式レースの模様




ここからは走行イベント開始です。先ほどセッティングされていたトヨタ2000GTがコースを
走行すると同時に、2000GTオーナーズクラブのメンバー達が続けてパレードランを行い
ます。



ただでさえ超希少な2000GTがこれだけグリッドに整列する姿は壮観というほかはありませ
んが、逆の言い方をすると、ここまで台数が多いとありがたみがないとも思えてきてしまい
ます。(笑) リリース当時の2000GTの価値は今で言うとフェラーリ360モデナあたりを購入
することの何倍というもので、日本が生み出した唯一無比のスーパーカーとして、その価値
は現在でも色あせるどころかますます磨きがかかっていくくらいです。



トヨタモータースポーツ黎明期を代表するスーパーマシン、トヨタ7 578Aの走行シーン、
ドライバーはもちろん細谷四方洋さんです。途中、誤ってショートカットコーナーをはみ出す
シーンもありましたが、おそらくは現役時代のクセでデグナーカーブの方向に向かってしま
ったのではないかと憶測がなされました。(笑) トヨタ7のサウンドは現在にF-1のように繊細
に回るソプラノサウンドではなく、太く豪快に吹けあがる古きよきサウンドでした。DVDやモデル
で零式艦上戦闘機(ゼロ戦)のエンジン、栄サウンドを聞いたことがありますが、良く似た雰
囲気のサウンドです。



グループCカーを目の前で見るのは初めてですし、もちろん走行シーンを見るのも初めて
です。今回参加した走行車両の中では最も「キレイ」な音でした。太さと高さの中間のような
サウンドで、耐久レース用に作られたエンジンの完成度の高さが伝わってきます。ドライバー
は日本人としてル・マンで初の総合優勝をあげた関谷正徳監督(当時選手)です。マシンの
コンディションは素晴らしく、「すぐにでもレースに出られるコンディション」と、TS010を絶賛
していました。関谷さん個人的にもレース人生で乗ったマシンの中でも最も気に入っている
一台だということでした。



JTCC仕様のチェイサーの走行シーン。現役時代は関谷監督(当時選手)が駆っていたこ
のチェイサーですが、ドライバーはル・マン優勝つながりで2004年にトム・クリステンセンら
と一緒にル・マン総合優勝(日本人二人目)を果たした荒聖治(あらせいじ)選手です。サウ
ンドは市販車の要素を残したマシンということで、完成度の高いチューニングカーのサウンド
でした。



そしてサウンドでは右に出るものはないトヨタF-1 TF104のドライブです。ドライバーはライ
アン・ブリスコ選手です。何度か撮影を試みたのですが、ホームストレートを駆け抜けるF-1
のスピードはすさまじく、4枚目でようやく全体像を撮影するのに成功しました。F-1のエンジン
サウンドが好きな方は多いと思われますが、HIGH-GEARedもその一人で、トヨタがF-1参戦
をアナウンスしてベンチでテストを繰り返している姿が公開された当時から、F-1サウンドは
トヨタサウンドが一番美しいと思い続けてました。今回は生で聞く機会がはじめて訪れるとい
うことで、とても楽しみにしていました。音量ではフェラーリなどには少し劣る気もしますが、
実にトヨタらしい「キレイ」なサウンドが印象的です。



昼休みの時間帯は豪華ドライバー陣によるカートでのスラロームバトルが行われました。ただ
のスラロームではなく、パイロン奥に表示された計算問題を解くという珍しいルールで行われ、
若手ドライバーチーム陣とベテランドライバーチーム陣のリレー方式で競技が行われました。
HIGH-GEARedがいるスタンドからは若手陣の走りのみが見れたのですが、後半カートの調
子がだんだん悪くなってきたらしく、180度ターンからの加速が随分モタついてました。ベテラ
ンドライバー陣に華を持たせるための陰謀でしょうかね?(笑)



イベントはこれまでのような走行イベントやショー以外にも、公式レースが組み込まれ、本番
のバトルも楽しめました。これは4A-Gエンジン搭載のフォーミュラカー、フォーミュラトヨタの
決勝レースです。他にも入門フォーミュラはたくさんありますが、このマシンの特徴は比較的
セッティングの幅が広いことにあり。ドライバーとメカニックの意思の疎通やセッティングへの
理解を学習するための取り組みがなされています。



画像では伝わりにくいですが、1600ccc直列4気筒NAエンジンとはいえ、正直この速さはと
んでもないです。ドライバーも血気盛んな若者がそろっているようで、各コーナーでバトルあり
コースアウトあり押し出しありの激しいシーンが展開されました。



そんな中、レースも中盤に入ろうかというところでショートカットコーナーからホームストレート
に続く最終セクションで大クラッシュが発生してしまいました。ここはコース幅が狭いうえ、ラ
インによっては立ち上がりの加速に影響が出やすいコーナーとあって、レース序盤にも接触
によるスピンが見られた区間ですが、3台ほどが絡んだようです。僕が座っていた場所からは
良く見えませんでしたが1台は横転したようにも見えました。(幸い大きな怪我人などはなか
ったようです)レースは赤旗中断され、再スタート後は2ヒート制のレースで順位が争われる
ことになりました。



JGTCマシンのデモレース。このようなデモレースとかイベント走行などは手を抜いて走って
いると思われがちですが、参加チームとして合同テスト的意味合いが大きいため、他チーム
の情報調査や地チームのマシン性能のチェックなど、本番に向けての戦いの場であるという
ことを良く耳にします。見ている側は楽しんで見るものですが、参加する側はいつでも本気
モードなのでしょうね。



次はパリダカールラリー仕様のランクルがスタンバイします。運転席に座るのはあの片山
右京選手です。F-1ドライバーを引退してからはル・マンなどでレーシングドライバーとして
活躍する傍ら、登山家として世界の高山に挑戦したり、俳優として時代劇に出演(水戸黄
門)、タレント的な活動をしたりパリダカのような冒険ラリーに参加したりと、人間としての成
長とともに人生を色鮮やかに楽しんでいる様子がよく分かります。

右京選手といえば、F-1ドライバー時代に「もうあまり長く生きられない」という宣告を医
師から受けてましたよね。結局それは誤診だったわけなのですが、あの頃の右京は
ほとんど戦闘力のないティレルのマシンで表彰台圏内を走ったりと実に神がかってました。
彼のこうした色彩豊かな活動は、そうした経験の中から生まれたものかもしれませんね。



ホームストレートではこのタイヤスモークのパフォーマンスです。あとで本人が語ったところに
よると「オンロード用のセッティングではないのでちょっと踏んだだけでロックしてしまった」
と言うことで、く少し恥ずかしそうにしているのが印象的でした。



ナスカートラックのタンドラも走ります。ドライバーは昨年GAORAで放映されていたNASC
ARウインストンカップでその活躍を見たマイク・スキナー選手です。タンドラのエンジン音は
いかにもオーソドックスなアメリカンOHV爆音サウンドで、当日走行したマシンの中でも最も
「悪(ワル)な音」と言った感じでした。音量的にはF-1にも引けをとらないほどのすさまじい
もので、このマシンが40台全開加速するオーバルレースを実際に見てみたくなりました。
このトラックのルックスのまま300km/hのスピードでバトルをするというのですから興味津々
ですね。



高木虎之助のドライブでチャンプカーも走ります。このマシンはロードコース用にセッティン
グされているとあって、比較的乗りやすかったと後に本人もコメントしていました。オーバル
レース用のセッティングはタイヤの外径の左右差に合わせた車高も右上がりの左コーナー
専用セッティングが施され、デフも固定されるためロードコースを走るのはとことんまで罰ゲ
ームと言われていますが、虎之助選手はこれまで何度かイベント中にオーバルマシンを走
行させることもあったようで、とても踏めないマシンで苦労することが多かったようです。ロード
カーですら、アライメントも車高も左右差のある車で街を走らせるのに苦労することを考え
れば、このマシンでの走行はいかに危険極まりないものになるか容易に想像することが可能です。



そしてここからこのトヨタモータースポーツフェスティバルでしか見られない異様な光景
が展開されます。ここから下に行けばいくほどおかしなことになります。(爆)心してご覧くだ
さい。(笑) 上の画像はフォーミュラ・トヨタVSトヨタF-3VSトヨタF-1の3台による決勝レース
のスタートです。 3番グリッドからスタートしたF-1ですが、もちろん1コーナーのクリップに
着く頃には後ろの2台の倍以上の距離を走ってました。



そして3周目から虎之助選手のチャンプカーもピットスタートで参戦!本場アメリカのローリ
ングスタートのレギュレーションに合わせたレース参加というのが憎いです。(笑) もちろん
お互い全開走行ではないにしても、2台とも結構なペースで走行し、ストレートの加速は
そう遜色ないようにも思えました。以前モントリオールで初めてCARTとF-1が同コース開催に
なったときはどちらが速いラップを出すか注目されましたが、レギュレーション規制が厳しい
とはいえ、そこはやはり莫大な資金を技術力を惜しみなくつぎ込んだF-1に軍配が上がり
ました。この2台の併走は甲高いF-1のエキゾーストと野太いチャンプカーのサウンドが入り
混じってなんともいえない不協和音を響かせていて興味深いものでした。(笑)

ちなみに忘れてはいけないのがフォーミュラトヨタととF-3のバトルですが、これも意外なく
らい熱戦となりました。フォーミュラトヨタは4A-G搭載の1600ccエンジンですがなかなか侮
れません。



規定の違うフォーミュラカーどうしの盛り上がったところで、アルテッツァの公式レースが行わ
れました。基本的にノーマルに近いコンディションで争われるもので、チームを見てみても、
レースクイーンを複数名グリッドに並べるチームから、メカニックらしいメカニックも見るからに
少なそうなプライベータームードあふれるチームまで様々でした。しかし走りはさすがに腕に
覚えのある者が揃っているらしく、各地で激しいバトルが展開されていました。



そしてこれが今回の目玉です。なんと三重交通の観光バスがコース内に進入しています。
しかもその脇をGTレーシングカーが次々と追い抜いていきます。これは抽選で選ばれた
メンバーがバスに乗り、コース内からGTマシンの走りを楽しむことができるという前代未聞
のイベントです。GTカーも決してパレードというようなペースではなく、入門カテゴリーの
ツーリングカーレースよりよっぽど早くコースを駆け抜けて行きます。各バスにはバスガイ
ド(現役GTレーサー)も乗車し、乗客にGTの走りを説明していました。我々は乗ることは
なかったのですが、バスの中から見るGTの走りはいったいどんな様子だったのでしょうねぇ?

(サーキットビジョンを撮影した画像なので多少画質に難がありますね)



ピットウォールに2004年のル・マン24時間優勝トリオのひとり、荒聖治選手を発見しました。
デジカメのバッテリーがあがってしまって撮影できなかったのですが、このあと荒選手は
愛地球博のキャラの着ぐるみに入ってGTカーに跳ねられる演技(爆)を披露するなど、お
茶目な姿を見せてくれました。フォーミュラニッポンで活躍していた頃はいろいろと悲しい
ニュースなどもあったためか、個人的には荒選手にはシリアスキャラなイメージがあったの
ですが、こうして見ると本当に明るいドライバーなんだなと思いました。日本のレーサーって
以前は寡黙なヒーロー系が多かったのですが、ここ10年くらいで随分と明るい人が増えま
したよね。特にGTレーサーは明るいドライバーが多いように思います。




素晴らしいイベントを満喫した一日が終了



イベントの最期は正面スタンドの表彰台上にて、豪華ドライバー陣によるシャンパンファイト
によって華やかに幕を下ろしました。

HIGH-GEARed達も駐車場に帰る際に表彰台の前を通ったのですが、漂ってきたアルコ
ールの匂いが印象的でした。

多くのマシンの走り、サウンド、そして豪華ドライバー陣と楽しい時間を共有できたことは2004
年のモータースポーツファンとしての活動で最高の思い出になりました。 

今年のこのイベントは関東の富士スピードウェイの改修工事に合わせて鈴鹿サーキットで
開催されたものですので来年以降はもう西では見られなくなるかもしれませんが、また何か
の機会で西にやってきたときはまたぜひとも遊びに来たいなと思いました。


おまけ画像



鈴鹿サーキット駐車場出口向かいのミニチュアカーショップでお土産に購入して帰ったス
パークモデルのクライスラー(ダラーラ)LMPです。

2001年にル・マンに参戦したマシンで、フロントフェンダーがボディとは別ユニット化した
実車の独特のスタイリングをレジンでうまく再現してあります。

なかなか品薄で初めて出会ったミニカーだったということと、旅先で購入した思い出の品
として大切にしていきたいです。









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