フロッグフット 1/700第5388号艦『鷹野』








Frog-foot 1/700

この作品は、製作依頼によって製作させて頂いたものです。

『鷹野』は、航空機の運用が可能な給油艦『速吸』の設計を発展させたもので、14機もの艦攻を運用可能な給油艦として8隻が計画されたものの、戦局の悪化により、実際に完成することはありませんでした。

キットはフロッグフット製で、マストなどの製作に自作を必要とし、細かな装備品はピットロードの艦船装備セットを使用して仕上げるガレージキットです。

キットには船体パーツの他に、艦橋構造物や煙突、飛行甲板、格納庫甲板、各甲板の支柱などのパーツが入っていましたが、甲板や支柱は使用が困難な仕上がりでしたので、プラ板や汎用エッチングなどでスクラッチして仕上げました。

また、汎用エッチングや精密プラパーツなどのディティールアップパーツをふんだんに取り入れるとともに、船体や自作の甲板などにも適時ディティールアップを施しています。





フロッグフット1/700 第5388号艦『鷹野』 右舷後部よりの全景。『鷹野』は計画艦なので、実際に完成することはありませんでしたが、お客様からは実戦参加のイメージとして、25mm機銃の追加と爆雷投射機の追加をご要望いただきましたので、スポンソン等を自作してご指定いただいた場所に追加しました。



『鷹野』の艦容は左右非対称となっています。右舷側から見ると、長門型戦艦を思わせる屈曲煙突が目立ちます。



『鷹野』の艦橋付近。船首の船倉はキットには設定はありませんでしたが、お客様のご希望により追加しました。また、デリックの門型架構も、お客様のご指示によって追加した部分です。



飛行甲板上に主翼を広げた状態で配置された、『流星改』艦上攻撃機。飛行機本体にはフジミのパーツを使用し、滑走台はハセガワの一式二号射出機のエッチングに付属しているものを使用しました。プロペラおよび脚(格納庫甲板上の機体のみ)は、ファインモールドのエッチングパーツを使用しています。



こちらは格納庫甲板の様子。飛行甲板接着後には手が入らなくなるので、流星改は先に接着しました。



お客様のご指示で、船尾楼には25mm三連装機銃および単装機銃、爆雷投射機と爆雷装填台を追加しました。機銃はファインモールド、爆雷投射機はピットロード、装填台はハセガワの各パーツを使用しています。



探照灯および錨もファインモールド製、窓枠および水密扉、舷外電路はハセガワ、22号電探はピットロード、12.7cm連装高角砲は海魂のレジン&真鍮挽物のパーツを組み立てて使用しています。



船体中央部の機銃およびスポンソンも、お客様のご指示による追加です。左舷から格納庫甲板を見ると、手前に給油ホースを通す蛇管通路が見えます。



その奥には、主翼を折りたたんだ流星改が確認できます。また、この写真にはほとんど写っていませんが、飛行甲板裏側のトラスも、汎用のエッチングを使って作りこみました。煙突にも汎用のジャッキステーやファンネルキャップを追加した他、後部の支え櫓も汎用エッチングの組み合わせで製作しています。



格納庫甲板を低いアングルから見た様子。クレーンはレインボーモデルの巡洋艦用を使用し、13号電探はハセガワのエッチングを使用しました。いろいろなメーカーのパーツの美味しいところを詰め込んだ、豪華な作品です。



この写真は塗装前の様子です。フロッグフットの鷹野はフルキットですが、使用したのは船体と艦橋のみで、その他、飛行甲板や格納庫甲板、船倉ハッチやマストなどは全て自作となりました。また、船体表面の気泡や荒れも酷かったので、ポリパテや溶きパテを何度も塗り重ねて修正し、外板の継ぎ目や舷窓、汚水捨て管などを追加しました。



飛行甲板裏側も汎用のトラス材を組み、実感的な仕上げとしました。実際に下から作品を見上げる機会は少ないとは思いますが、鷹野特有の構造美が引き立ったと思います。


**総括**


その他、お客様のご希望で、ドラム缶や弾薬箱、角材などを雑然と配置しました。救命浮標や舷灯なども、いいアクセントになったと思います。 鷹野は、サイズ的には氷川丸とほとんど同じ大きさですが、この大きさで14機の艦攻を運用可能にする複雑なメカニズムは、見ていて飽きない楽しさがあります。

 このような魅力的な船があることを今回初めて知ることができ、製作の機会を与えてくださった(また、完成まで小生を信じて長らくお待ちいただいた)お客様に、この場を使い、心より感謝を申し上げます。


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