1/700スケール 航空母艦 大鳳
TAMIYA製インジェクションキット 2回目













田宮模型 1/700

先日同じ1/700大鳳を製作したばかりですが、事情があってキット
とパーツが余ってしまったので、2隻目の製作となりました。

今回はよりディティールをつきつめての再製作です。実艦の解説は
前回のものと重複します。


航空母艦大鳳はそれまでの日本空母とは全く設計や運用構想の異なる
次世代装甲空母として、空母の最大の弱点である飛行甲板に強靭な装
甲を施し、250kg爆弾の直撃の際にも空母としての機能を失う事のな
いように設計されましたが、厚い装甲板を飛行甲板全面に張る作業に
困難が生じたため、エレベーターを2基とし、その間の部分に最大
20mmのDS高版を張り、更にその上に75mmのCNC鋼板を2重目として張っ
て装甲を確保し、日本空母郡のエースとしての期待を担って1944年3
月に竣工しました。

有名な戦艦大和は『不沈戦艦』としての設計思想によって建造された
ものですが、大鳳はそれと同じく『不沈空母』として設計され、まさ
に日本の造船技術を結集した名艦と呼べるものでした。



最新鋭空母として期待された大鳳は第一航空戦隊に所属し、マリアナ
沖海戦に参加しますが、この戦闘において米潜水艦アルバコアの魚雷
が命中。1本くらいの魚雷が命中した程度では何事もなかったかのよう
に航行を続けましたが、衝撃によって前部エレベーターが故障、ゼロ
戦を載せたまま停止したため軽質油タンク上部甲板の接手がゆるみ、
ガスが格納庫内に漏れだすというアクシデントが発生しました。

そしてその後、第二次攻撃隊発進と第一時攻撃隊収容のためエレベー
ター孔を塞いだときに悲劇は起こりました。出口を塞がれたガスはあ
っと言う間に艦内に充満し、6月19日午後2時32分、大爆発を起こして
3万トンの巨大空母は炎に包まれました。消火設備は全て破壊されて
しまい、被害復旧の見こみはその瞬間になくなったと言われています。

夕刻、左に傾斜した大鳳はそのままマリアナ沖の海面にその姿を没し
ました。日本空母史上の最高傑作と言われた最新鋭高性能空母のあっ
けない最後でした。

今回はこのキットをベースに、さらに考証確かな仕上がりとするために
実艦の写真を参考にした飛行甲板の着艦標記の修正を行ったほか、ピン
バイスによる舷窓のさらいなおしやパーティングラインの処理等の基本
的な作業を行い、ピットロードやゴールドメダルモデルズの空母用エッ
チングパーツやジョーワールドの窓枠、フラグシップの極細模型用チェ
ーン、極細テグスによる空中線再現、そしてピットロードのディティー
ルアップインジェクションパーツなどをふんだんに使用してディティール
アップを施しました。

まず船首ですが、タイウイタウイ泊地での写真の状態と同じ状態とする
ため、キットのモールドにある風向表示は削り落とし、写真で確認できる
白塗りの艦首波迷彩を施し、風向き表示はそのうしろに移動して塗装によ
って再現しなおしました。


艦首波迷彩の再現と風向き表示の位置訂正の様子。


舷側スポンソンの手摺はピットロードのエッチングパーツを使用して
確認できるほぼすべてを再現しました。通路から砲台に移設するための
タラップや梯子なども各部で再現しています。

側面のスポンソンに装備される25mm三連装機銃はピットロードの2pc構造
のパーツに置き換え、ジョーワールドの防盾のエッチングパーツを使用し
て精密かつ立体的に再現しました。


↑スポンソン周りのディティール。手摺やタラップ、機銃や防盾など、
大鳳の特徴を再現しました。応急舵はエディオックのホワイトメタル製
のパーツを取りつけました。

起倒式のマストは基部のみピットロードのエッチングパーツを使用し、
マストトップは真鍮線で自作して倒した状態を再現しています。

転落防止ネットは2種類の大きさの物を再現。艦首および艦尾に配置した
ものはピットロードのエッチングパーツで、中央部分にあるものは、汎用
のメッシュパーツと真鍮線で自作したものです。





艦橋はプラスチックの窓枠モールドを切削可能し、ジョーワールドの製
密窓枠のエッチングパーツを使用して窓枠を立体的に再現しました。電探
にもエッチングパーツを使用し、防空指揮所うしろのマストは真鍮線で
作成した自作のものです。ほかに、昇降タラップや艦橋側面の黒板の塗装
による再現などを施してます。



空中線の再現には今回は0、6号釣り糸(太さ0、128mm)を着色して使用し
ました。支柱はすべて真鍮線で再現したもので、取りつけは全て瞬間接
着剤によるものです。

そして塗装ですが、スケール性を考慮した上で船体やパーツの本塗装の前
には塗装後の塗膜の発色を良くするために、ホワイトサーフェーサーで下地
を作った白たちあげにて塗装しています。

船体色の再現には白下地の上からGSIクレオスの32番を吹きつけました。

飛行甲板の色調は船体色に31番を混ぜて調色したものを吹き付けて、コン
トラストをつけ、アクセントとしました。

甲板のマーキングは上記してますように、「あ」号作戦に備えてタウイ
タウイ泊地にて待機中の写真を参考に横方向に表示された補助線を追加。

風向標識も純正のモールドを削り取り、艦首波迷彩を施したうえで場所を
改めました。



船底はGSIクレオスの艦底色で、外舷色、船底色などはすべてエアブラシ
による重ね塗りを3回施し、最期の仕上げに船体全体に艶消しコートを施
して質感を統一しました。


**総括**

大鳳のキットは前回がはじめての製作で、当時はキットの素性の良さと仕上
がりに大いに満足したものですが、一度製作すると次はやはりそれ以上のも
のを目指そうとする余裕も生まれてくるようで、基本的な組み上げはそのま
まに、細部を煮詰めました。

やはりキットの仕上がりが良ければ良いほど細部の仕上げも生きてきますね。






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