ローラT88 インディーカー STPグラナテリローラ コスワース
1988年 インディ500 ロベルト・ゲレーロ











モノグラム 1/24 

2010年秋の奈良模型愛好会第三回展示会のカーモデルの小テーマは「イギリス車」です。

奈良模型愛好会のサブテーマ的には「ロータス」を推しているのですが、少々ひねくれ者のレーシングカーファンのケがあるHIGH-GEARedは、もうひとつの英国名車メーカーとも言える、レーシングコンストラクター「ローラ」社製のフォーミュラカーを製作しました。しかも、ヨーロピアンではなく、アメリカンレーシングカーというチョイスになります。

「LOLA CARS」はチームにマシンを供給する大手シャシーコンストラクターで、F-1ファンにはあまり馴染みはないかもしれませんが、過去には「ハース」「ラルース」「スクーデリアイタリア」などのF-1マシンの設計を行っていることもあり(短期間ですが独力参戦も経験しています)、そういう意味では同じシャシーコンストラクターのレイナードやダラーラなどと同様の「隠れ名車メーカー」と言えます。

また、F-1以外のサーキットレース(F3、F3000、インディー、スポーツプロトタイプ)においては、むしろローラの名前を目にすることがないというくらいお馴染みのメーカーとあって、HIGH-GEARedも少年時代から親しみを感じてきていました。

今回製作したキットは、静岡ホビーショーのフリーマーケットで入手したモノグラムのキットで、箱には「STPグラナテリチーム」のマシンであることが書かれています。

「グラナテリ??」って名前だけ聞いてもピンときませんが、あの有名なガスタービンカーを参戦させたチームといえば、モーターファンにはおなじみです。

しかしこのキット、ローラということしか書かれておらず、年式や形式、ドライバー名等は一切書かれていません。

インディ500はHIGH-GEARedは1990年からテレビ(当時は地上波で実況中継されていました)観戦をするようになっていたのですが、シャシー形状はもう少し古いタイプに見えたので、海外サイトでカーナンバーから検索したところ、88年のインディ500に出走した元F-1ドライバーのロベルト・ゲレーロのマシンだということが分かりました。

ゲレーロというドライバーは後にポールシッターも経験していますし、モントーヤが出てくるまでは、コロンビアの速いドライバーと言えば、彼のイメージでした。

レースでは残念ながらゼロ周リタイヤに終わったようですが、当時完走できなかった悔しさを、製作で晴らすことができたと個人的に思っています。





ヨーロピアンフォーミュラカーと比べると、インディーカーは背が低く、全長が長いイメージがありましたが、こうして改めて見ると、ディフューザーが意外と短く、ミッションケースが想像以上に長く飛び出していたりと、これまで気付かなかった特徴も見えてきました。

また、コスワースDF-Xのタービンと、ウイングカー形状のボトムラインを避けるように取りまわされたエキマニがなんとも印象的です。

キットパーツは、エッジこそ国産キットのように綺麗に出てはいませんが、ディティールのバランスがよく、内部ディティールの印象は悪くありません



昨年製作したティレル019と並べて撮影してみました。

同スケールでほぼ同じ時代のF-1とインディーカーのメカニズムの違いを楽しむことができて興味深いです。ローラのキットのウイングは、ロードコース仕様の大型のものと、オーバル仕様の小型のものが選択可能で、今回はオーバル用を取り付けました(オーバルセッティングといえば、スタッガーと言って、リアタイヤの外径がわずかに違う事がよく知られていますが、キットでは残念ながらそこまでは再現されてはいません)

ちなみにこの2台はともにイギリス車で、しかもエンジンもコスワースチューンのDF-○シリーズということで、意外と共通点が多かったりします

ローラのオレンジは、クレオスのオレンジに、蛍光オレンジを混ぜて明度をあげました。 
デカール後のオーバーコートはクレオスのーパークリアー3です。



サイドポンツーンは内部のラジエーターや各種配管まで再現されています。シートベルトはキットには付属しなかったので、暫定処置として、タミヤのタイサンポルシェのデカールを流用しました。気が向いたら、もっといいパーツに換えるかもしれません。


**総括**


静岡ホビーショーのフリーマーケットを見ていたとき、懐かしのインディーカーのキットを目の前にして、興奮を隠す事はできませんでした。 

HIGH-GEARedの青春時代、とくに1990年前後は泣く子もだまるF-1ブームの最中でしたが、当時はル・マンやインディー、パリダカなど、F-1以外のカテゴリーでも日本人ドライバーや日本チームが活躍する、モータースポーツの黄金時代でした。

インディーカーシリーズ(当時CARTシリーズ)においても、ヒロ松下の挑戦をきっかけに注目を集めはじめ、その派手なイベント性と、F-1ではすでに禁止されていたターボエンジン&グランドエフェクトカーのトップスピード、アンディレッティ&アンサーファミリーや、エマーソン・フィッティパルディら元F-1ドライバーたちの活躍がある意味、F-1以上に白熱しており、少年時代のHIGH-GEARedはその魅力に取りつかれたものです。

モノグラムのインディーカーは、キットの存在のみ、当時の雑誌で知ってはいましたが、店頭では出会う事がなく、入手したのは今回がはじめてです。

箱とパーツ単位でのランナーを見た限りでは、かなり大味な完成度になるのではないか?と不安になりましたが、出来上がった雰囲気は「いかにもインディーカー」という力強さにあふれて、大変気に入りました。

インディーカーのキットは、近年のものでは、モノグラムからこのローラ以外にマーチとペンスキーの88年仕様がモデル化され、レベルからはレイナードが1/25でリリースされているようです。 また、タミヤからもナイジェル・マンセルがドライブした、ニューマン・ハースローラとディックサイモンのローラ(共にT93)がリリースされていましたので、これもまた入手する機会があれば製作してみたいと思います。



SCALE MODELSに戻る

左側にメニューページが表示されない場合はここをクリック

艦船模型製作代行 モデルファクトリー ハイギヤードはこちら

スケールモデル完成品販売ネットショップ CHERRY&ANCHORはこちら
inserted by FC2 system