1/700スケール 航空母艦 蒼龍 
AOSHIMA製 インジェクションキット













アオシマ インジェクションキット1/700

航空母艦蒼龍は、一から空母として設計建造された日本海軍初の本格的航空母艦で、大戦中
は機動部隊の中核としてハワイからミッドウェーにかけての各海戦で活躍しました。

キットは1/700ウォーターラインシリーズの日本海軍主力艦群の中にあって、長年リニュー
アルが切望されていたもので、2003年の飛龍リニューアルから6年あまり経った2009年、
ようやく新金型キットとして登場しました。

今回はこのキットをベースに、アオシマ純正エッチングパーツとゴールドメダルモデルズ
の日本海軍空母用エッチングパーツ、ハセガワおよびジョーワールドの救助網とファイン
モールド製ナノドレッドシリーズの25mm連装機銃などを使ってディティールアップを施し
ました。



↑アオシマ1/700蒼龍リニューアルキット、右舷から



↑アオシマ1/700蒼龍リニューアルキット、左舷から


**船体各部のディティール**


↑左舷船首側。飛行甲板は薄めに成型され、裏面の梁も細かくモールドされています。



↑左舷中央部。25mm機銃はファインモールド製ナノドレッドシリーズのパーツに置き換え
ました。発売前から高いスケール製と精密さで話題になっていたもので、今回初めて使用
しました。



↑左舷後部。空中線支柱はアオシマ製、人員救助網はハセガワ製のエッチングパーツを
使用しました。



↑船首右舷側。遮風柵はアオシマ製エッチングパーツで立てた状態にセットしました。高
角砲は砲座がアオシマの新金型パーツ、砲身が従来のリニューアルパーツ(Wランナー)
です。



↑高角砲射世制限枠と空中線の一部は真鍮線で自作し、艦橋窓枠はラッタルのエッチング
を流用して再現しました。



↑右舷後部。シールド付き機銃および高角砲も、全て新金型パーツで、観測窓のシャッター
までモールドされています。


**飛行甲板および艦載機のディティール**



↑艦載機も全て新金型で整形されています。零戦21型は増槽も別パーツで再現済みです。



↑99型艦爆は特徴的な主脚と爆弾が別パーツで再現されています。艦載機は全てゴールド
メダルのエッチングパーツでプロペラを再現し、胴体には蒼龍所属機を示す青帯を書き入れ
ました。



↑97式艦攻は魚雷を搭載し、一機は翼を折りたたんだ状態で格納庫内部に設置しました。


**塗装について**

タッチアップ部分を除いて、塗装はほぼ全てエアブラシ塗装です。 

サーフェーサーで下地を整えた後、船体外舷色はGSIクレオスMrカラー艦艇色セットの
SC01呉海軍工廠標準色を使用し、船底はMrカラーNo29艦底色を使用しています。

飛行甲板も鉄甲板部はSC01、木甲板部はMrカラーNo58黄橙色を下地に塗装し、MrカラーNo19
サンディブラウンを塗装、エナメル塗料のブラウンで墨入れを施してモールドのメリハリを
強調しました。 コンクリート貼りと思われる部分はNo31軍艦色1です。


**その他**

ウェーブのTケースWMのベースと模型の間にタミヤの情景海面プレートAを塗装して挟み、
航行波を自作してジオラマ仕立てにしました。 船底裏側にはナットを仕込んでいるので
ベースと海面プレート、船体はボルト接合で取り外し可能です。

空中線はフラグシップの1号テグスを着色して使用しました。


**スーパーキッズランドプラモデルコンテストでアオシマ賞を受賞**

この作品は、2009年11月15日に大阪日本橋で行われたスーパーキッズランド第四回プラモデル
コンテストにエントリーするつもりで仕上げた作品だったのですが、その際に光栄にもアオシマ
のメーカー賞を受賞させて頂くことができました。

その際に営業部の方から詳しくお話を伺ったのですが、アオシマの最新製品の完成品だった
(つまり新製品のアピールになる)ということ、そしてそれが「いかにも突貫で仕上げました」
という出来でなかった(手抜きがない)ということが受賞の理由だったようです。

当日は相互リンク先の「艦船模型の部屋」管理人の「まいど!」さんが1/350妙高を出されて
いたので、個人的には1/350の方が大物感があるし、受賞はまいど!さんだろうと考えていた
ので、蒼龍の受賞には少々驚かされました。

いずれにしましても、スーパーキッズランド本店といえば、近畿圏のモデラーのほとんどが
訪れるであろう、スケールモデルのメッカ的店舗でもあり、エントリー総数124もの作品の
中から、HIGH-GEARedの作品にメーカー賞を頂けたのは、非常に光栄というほかはなく、2007年
の1/350『宗谷』でのハセガワ賞に引き続いて、これからのスケールモデル界の期待の星とも
いえるアオシマの賞を頂けたことに、本当に感激しています。


アオシマ賞の受賞記念写真です


**総括**

2003年の飛龍のリニューアル以来、待ち焦がれた蒼龍のリニュアールがようやく叶いました。

当初から、飛龍の反応次第では蒼龍のリニューアルもありうるという雑誌記事を見て期待
して待っていたのですが、残念ながらしばらくリニューアルの噂はなく、艦船模型冬の時代
を実感したものですが、近年の艦船模型ブームの後押しもあってようやくの登場となり
ました。 

飛龍、蒼龍は姉妹艦とは言え艦型が全く異なるため、完全な新規開発となることを考える
とメーカー側の慎重な動きは仕方がないかもしれません。

しかし、飛龍リニューアルから蒼龍リニューアルまでの6年の間のアオシマの技術の向上は
素晴らしく、結果として蒼龍のリニューアルキットがWLシリーズの空母キットの中で最高
水準の完成度に仕上がったことは大変喜ぶべきことと思います。

特に感動したのは12.7cm連装高角砲と艦載機のリニューアルです。

これまでの日本海軍前期型艦載機はウォーターラインシリーズ初期にリリースされたもの
で、今回ほぼ全ての主力空母がリニューアルを終え、精密化したのに対して少々アンバラ
ンスと言わざるをえませんでした。 

以前はアルミ線を切って自作していた爆弾や魚雷も精密に再現され、またリニューアルパ
ーツにも大きく不満のあった高角砲も驚くほど繊細に再現されています。

特に高角砲は、日本海軍艦艇のほぼ全てに搭載されている兵装ですので、ぜひこのディテ
ィールがシリーズの標準になってほしいと期待しています。

赤城や飛龍と比べるとあまり目立たない印象もある蒼龍ですが、こうしてリニューアルさ
れたキットを見ていると、その存在感はただものではありません。


↑HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!において、蒼龍の作例を単体で紹介したのは、ピットロ
ードのハイモールドシリーズのキットが唯一です。これは、当時の完成写真です。



↑それ以前となると、1990年から2000年まで製作した過去作品ギャラリーに掲載された、
この初代キットの完成写真のみです(笑)艦橋窓枠にシールを貼っていた時代が懐かしく
思われます。





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