1/700スケール 航空母艦 祥鳳 
HASEGAWA製インジェクションキット













ハセガワ 1/700

日本海軍はワシントン条約において航空母艦の建造に関しても制限を受
けたため、有事の際に短期間の工事期間で航空母艦へ転用することが可
能な高速給油艦、剣埼と高崎の建造を計画しました。しかし、同2隻の高速
給油艦は潜水母艦に設計変更され、昭和14年1月に竣工しました。

その後、航空母艦への転用が正式に決まり、昭和16年12月に航空母艦
『祥鳳』として完成、そして姉妹艦の高崎も『瑞鳳』の名を冠して基準排水
量11200トンの搭載機27機の軽空母として完成しました。翌年1月に第一
航空艦隊大四航空戦隊に編入されました。

昭和17年、珊瑚海海戦の際にはポートモレスビー攻略部隊の直衛任務任
務を受けて行動中、米空母艦載機の集中攻撃を受け、魚雷7本と爆弾数
発を被弾して沈没。祥鳳は日本海軍の歴史において初の損失空母となり
ました。


↑模型の全長は約25、7cm、ケースの全長は36cmです。

キットは1/700洋上模型ブランドの中心、ウォーターラインシリーズの90年
代拡充期にリリースされた比較的新しいキットで、専用ディティールアップ
エッチングパーツを付属したスーパーディティールキットを使用し、さらなる
ディティールアップを施しました。

艦上機はキットに付属のもののほかに静岡模型協同組合の日本艦載機
前期セットを追加購入して、模型映えするよう多めに搭載しました。


まず、舷窓のモールドをピンバイスでさらいなおしてモールドのめりはりを
強調し、船体の合わせ目のバリなどを消しました。一部、エバーグリーンの
プラ材を使い、汚水捨て管のディティールも追加しました。

高角砲は静岡模型教材協同組合のものの基部を切り取って実物とおなじ
ように観測室を浮かせる形状に成型し、機銃はピットロードの2ピース構造
のものに交換し、立体感のある仕上げとしました。

錨鎖はフラグシップの精密チェーンに置き換え、立体感を強調しました。

手摺レールはハセガワのスーパーディティールキット付属のエッチングパーツ
を中心に使用し、専用パーツで再現されていない部分にゴールドメダルの手摺
エッチングパーツを使用して付け足しました。起倒式マストの基部トラス部分も
エッチングパーツです。


↑船首飛行甲板のディティール。防護ネットやタラップ、遮風柵や制止索の様子。
防護ネットもハセガワ製のもので、タラップなどはゴールドメダルモデルズ空母用
から使用し、板やスポンソンから飛行甲板に繋がる部分等、タラップのディティー
ルを追加しました。

飛行甲板のディティールアップには、ハセガワのエッチングパーツから滑走
制止索を使用し、遮風柵は立てた状態を再現しました。

艦上機はキットに付属のものの他に、静岡模型教材協同組合の日本空母艦載機
前期セットから、零式艦上戦闘機二一型と九七式艦上攻撃機を使用しました。

零戦は12機、艦攻は8機を搭載、プロペラを全てエッチングパーツにて再現
しました。艦戦と艦攻以外は搭載されていないという資料に従って艦爆は搭載
していません。


飛行甲板上の零式艦上戦闘機二一型。


飛行甲板上の九七艦上攻撃機。

艦上機のマーキングは全て塗装による再現です。

空中線の再現には今回は0、6号釣り糸(太さ0、128mm)を着色して使用
しました。取りつけは全て瞬間接着剤によるものです。

空中線基部には白塗装でガイシを表現しました。


↑艦中央部のディティール。


塗装はスケール性を考慮した上で船体やパーツの本塗装の前には塗装後
の塗膜の発色を良くするために、ホワイトサーフェーサーで下地を作った白
たちあげにて塗装しています。

飛行甲板鋼板貼り部分とエレベーターはアクセントとして多少トーンを明るめに
塗装し、木甲板部分はタンをベースに吹き、マホガニーとクリアーイエローをコ
ートして木の色調を再現しました。

飛行甲板上の着艦標識にはデカールを使わず耐久性を考えて全て塗装で
再現しました。。

仕上げには艶消しのクリアーをオーバーコートして質感を落ち着かせました。

塗装後の乾燥にはマイナスイオンドライブースを使用しているので塗膜のカブ
り防止に一役買ってくれてます。

海面のベースはタミヤモデラーズギャラリー特別販売のウェーブボードを使用
し、クリアーブルーを吹き付けることで透明感のある海面を再現しました。アクリ
ルケースのベース部分はネイビーブルーのまだら塗装で仕上げて深みを出し
てみました。

船体とベースの固定は船底にナットを埋め込み、ボルトを底面から通すことで
行いました。




**総括**

祥鳳型航空母艦は以前に瑞鳳の南太平洋海戦時を製作したことがあります。

そのときはエッチング飛行甲板などを使用し、スポンソン支柱や甲板裏面ガー
ターを自作するなど細部をつくりこんだものですが、今回は祥鳳のスーパーデ
ィティールをストレートに組み、タラップや汚水捨て管などを追加しました。

こうして組んでみるとハセガワのスーパーディティールキットのパーツというもの
も非常に精度が良く、艦形の良さも相まって細かい追求はなくとも非常に見栄
えのする完成度になると思いました。

キットを価格を考えるとディティールアップ用のエッチングパーツを別買いする
よりこれはかなりオトクかもしれません。

最近ではキットと別扱いの艦船用エッチングパーツもリリースしているハセガワ
のことですから、こうしたスーパーディティールキットに付属のものも別売りして
新たに買い足すことができる体制ができてくれたらより層が広がるのではないか?
と考えてます。





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