トヨタMR2 スーパーエディション 先代HIGH-GEARed AW11










フジミキット改造 1/24 

2011年夏に製作したカーモデルは、トヨタのMR2の初代モデルAW11です。

AW11といえば、以前は↓こんな



↑飛び道具を作ったこともありますが(笑)、今回はリアル車両をイメージした完成品にしました。

ちなみにこのAW11、キットはG-Limitedですが、後期型限定車の『Super Edition』に仕上げました。

ここまで書いたら「ピン!」と来る方がサイトをご覧の方の中にはおられるかもしれませんが、その通りで、私が10年ほど前まで所有していた車をそっくりそのまま再現してしまおうというプロジェクトになります。


↑これが、10年前に所有していたMR2 スーパーエディションです

このスーパーエディションは、今のAW11を購入する前に乗っていたもので、初めてサーキットやジムカーナに参戦したのもこの車でしたし、多くの車仲間に出会ったのもこの車に乗っていた頃で、ドレスアップやセッティングの楽しさを教えてくれた、大変思い出深い車です。

私の不注意で廃車にしてしまった無念と、この車が与えてくれた数々のご縁や経験を無駄にしないためにも、いつかは1/24で正確に再現したいと思う気持ちを持ち続けていたのですが、結婚式のときに上映したDVDに、この車で走行会に参加していた時の映像を使用した事をきっかけに懐かしさがつのり、この夏にようやく製作を開始することになりました。


キットからの変更点は、下記の通りとなります。

1:塗装を限定色(22E)とする→ボデーペンのエアブラシ吹きで対応
2:サイドインテークダクトのデザイン変更→実車でフィンを切り欠いていたので、同じく切り欠く
3:モール全周撤去→平ノミとヤスリで地道に切削
4:ヘッドライトをスタンレイのプラチナレンズに変更→ボンネットを切り開いてリトラを開状態に。レンズにクリアーブルーを塗装
5:マフラーを砲弾型に変更→フジミのモディファイ用パーツを加工して使用
6:シートと4点ハーネス→スパルコのシートはタミヤのインプレッサ用を使用、ベルトはヒロのパーツを使用
7:タイヤとホイールを交換→アオシマのガレージベリーロードスター用を流用(4H、PCD100の15インチで実車どおり)ロゴマークはアオシマのモーラスポーツカプチーノから流用
8:ロールバー装着→プラ棒で自作
9:エアロパーツ再現→カムデザインというメーカーのバンスポを装着していました
10:エアロミラーとフォーミュラカー用ステアリングへの交換→ハセガワ レイナード89Dから流用
11:エンジンフードを開口→キットのままではエンジンフードとトランクフードが一体となっているので分離する

それでは、以下に製作記を公開しておりますので、ご覧くださいませ。






ボディの加工はドアモールの撤去とサイドインテークダクトのフィン除去がメインです。その他、ヘッドライトとエンジンフードを切り抜いて開口しました。



ボディがツートンカラーの塗り分けまでが終わった状況。トヨタの040ホワイトは若干緑がかった白で、下半分のベージュメタリックと相まって、昭和期終盤のハイソカーなムード満点です。



実車では運転席側のみ内装を剥がしていたため、模型でもその通り再現しています。

また、(現行の愛車にも使用している)ナビフットレストと運転席足元のフロアパネル(←この車が廃車になった事故のさい、私の足を守って犠牲になりました)はアルミ板で製作し、ナビ側フロアマットも当時使用していたカロマットの模様を正確に再現しました。

ドライバーシートは、フジミのチューニングパーツのセットに付属していたフルバケットシートのベルトホールを(画像二枚目に写っているように)加工してスパルコ風に改造したのですが、結局は納得いかずに、タミヤのインプレッサWRC用のパーツをオーダーすることにしました。(これで消火器パーツも流用できます)



ちなみに、これが実車の室内写真です。この写真に写っているステアリング、ナビフットレスト、フロアマットや消火器等の特徴的な装備を模型でも再現しました。



4点シートベルトは、ドライバーシート側がウィランズのクラブ4、ナビシート側はスーパースポーツと、形状の違うモデルを使用していたので、そのあたりも再現しました。使用したパーツは、モデルファクトリーヒロの、フレシキブルシートベルトです(1/20用なので、少々幅広になってしまいました)



先代のHIGH-GEARed AW11に使用していたアルミホイールは、コンペティションユーザーには説明の必要のないボルクレーシングのTE37で、15インチのものを使用していました。

先代のAW11が事故で失われたときに、4本中1本をダメージによって失い、現在は16インチ2本を(中古で)新調してリアに装着し、無事だった3本のうちの2本をフロントに使用、1本をスペアタイヤ用にしてフロントフードに収めてあります。

入手時はこのホイールはホワイト塗装でしたが、後にスーパーエディション限定ツートンのベージュメタリックに自家塗装しました。

この時、ホイールのロゴステッカーを剥がしてしまったため、再入手する方法はないかとRAYSに問い合わせたところ、気前良く無料で送っていただいたことが、大変いい思い出になっています(その後、ネットオークションでの悪質な転売等が問題となり、ステッカーのアフターサービスはなくなったそうです…)

話は逸れましたが、この思い出深い自家塗装TE37をプラモデルのAW11でぜひ再現したいと思い、その方法を検討したのですが、実現までには思った以上にいろいろな手続きが必要になりました。


**自家塗装TE37の再現**


TE37自体は大変有名なホイールですから、プラモデル用のオプションパーツとしてもたくさんの種類が市販されています。

しかし、AW11に装着するにはサイズが問題となりました。

AW11に装着していたTE37は15インチ、フジミとアオシマから発売されていたTE37は17インチと18インチ。

他に、ホビーデザインから販売されているものも19インチでサイズが合わず、AW11の4Hに対して、製品として売られているものはほとんどが5H仕様というところがネックになりました。

例外として、4HのTE37グラベルがアオシマから発売されておりましたが、14インチで、かつスポークがオフセットしたタイプですので、AW11に装着していたものとは形状的にはかなりの違いがありました。

そこで、カーモデルの品揃えの多い某模型店で、TE37と思しきホイールを付けた箱絵を持つキットの内容を片っ端から確認したところ、アオシマのSパッケージシリーズの「ガレージベリー ロードスター」のパーツに、15インチのTE37を発見!

ロードスターはAW11と同じ4H PCD100ですので、待ちに待ったパーツ発見となりました。

そこで早速、アオシマにガレージベリーロードスター用のホイールとタイヤを注文。(もちろん、お世話になった模型店ではいろいろと買い物しましたよ!)

パーツが届いてから、重要なことに気づきました

「ホイールロゴのデカールが無い・・・」

どうやら、ガレージベリーロードスターにはRAYSのデカールは含まれていないようで、その点を見逃してしまっていました。

市販のチューニングパーツメーカー用デカールにも、RAYSのホイールロゴはなく、また市販パーツのサイズ違いのTE37はどこも品切れという次第!

もはや、諦めかけたそのとき、再びアオシマ製品にロゴ付きTE37を履いたモデルを発見しました!!

その商品は、同じくSパッケージシリーズの「モーラスポーツ カプチーノ」です。

13インチのTE37を履いたモデルですが、ホビーサーチで説明書を確認したところ、RAYSのデカールの貼り付け指定があったため、早速再注文!

これで、タイヤ、ホイールとデカールはオールアオシマ製で揃いました。(タイヤは少々時代遅れになりますが、BSのRE71です)



こだわりのホイールを再現するためとはいえ、随分高い出費になりましたが、パーツが揃っても依然として大きな問題が残っておりました。

それはフジミキットとアオシマキットのホイールの取り付け方法の違いです。

フジミ製はポリキャップの受けがホイール側にあるのに対し、アオシマはアップライト側。

ですので、フジミのキットのアップライト(ナックル)からは太さ2ミリのプラロッドが突出し、ホイール側にも2ミリのロッドが付いているという、なんともカオスな状況を整合する必要がありました。

ロッドとロッドをつなぎ合わせるには、パイプを切ってボスを作るしかなく、エバーグリーンの太さ3ミリ、内径1.5ミリのプラパイプの内径をピンバイスで拡大し、ボスを製作。 実車のオフセットに近くなる長さに現物合わせて切り出しました。(画像は自作ボスを差し込んだホイール裏側の様子です)

また、キットにはディスクブレーキが再現されていないため、レイナード89D用のディスクブレーキのハブ径を2ミリから3ミリに拡大して流用しました。

このパーツはF-3000用のブレーキローターなので少々大げさな気もしますが、スリット加工やピンホール加工などもされておらず(実車1ピースに対して2ピース構造なのがネックですが)、大きさも13インチホイールに収まる大きさでちょうど良かったので、当時の愛車と同じくキャリパー本体を赤、ハブ周りを青に塗装して取り付けました。



ホイール装着イメージです。 ボディはモール類を塗装していないのでちょっと違和感がありますが、ようやく完成のイメージが見えてきました。



モール塗装終了。外装は実車の仕様に合わせて、ドアモールの全周削り取りやサイドインテークダクトのフィンの除去など、地味なところをいくつか処理しておりますが、ここからは最も目立つフロントバンパースポイラーの処理をご紹介します。



フジミのAW11 MR2のキットは成り立ちが非常に複雑でバリエーションが多く、もともと先行プロトタイプカーのSV3としてリリースされたものが、市販バージョンの前期型となり(この時点でルーフ形状がTバールーフからムーンルーフになり、ウイングも大型のものに形状変更されました)、その後、後期型がリリース(この時はバンパーやサイドインテーク、テールランプ形状が変更された他、エンジン部品が4A-GZEに変更され、ルーフがTバールーフに戻りました)され、その後、オーバーレブの志濃涼子バージョンがリリースされたときに、ルーフがTバーからノーマルルーフに変更されました。(そうした経緯もあり、キットには必要のないパーツや前期型の特徴を残した部分が数多く存在します)

また、その間、ブレンボのディスクローターを装備したスーパーインチアップシリーズや、ブリスターフェンダーのスーパーエアロ、ラリーバージョン、アメリカンエアロバージョン、可変ウイングシリーズ、GTWウイングシリーズなど、多数のバリエーションキットが発売されましたが、スーパーインチアップとGTWウイング仕様には、私が先代AW11に装着していたカムデザイン(レグルス)のバンパースポイラーにそっくりな後付けエアロパーツが付属していました。

画像二枚目の上段に掲載しているものがそれですが、リップ部分の出方やインテークのフレームの本数などが違うため、中段のようにフレーム数の調整とリップを短くする加工を施し、一体プラ整形のフォグランプを切り取ってヘッドライトを加工した自作フォグランプに交換、裏側には黒く塗装したプラ板を貼り付けました。 

これで分割部分こそ少々異なりますが、下段の実車画像と大差なく仕上がりました。



この画像は、エンジンルーム内部です。プラグコード、バッテリーケーブル、スロットルリンケージなど、いくつか配線を増やしたほか、実車でメッシュホースにしていた部分はメッシュに換えてあります。 ただし、タワーバーを通す場所がなかったので、その点省略となったのが、少々心残りです。(ホースもフィッティングがないのが少々不自然ですね)



ロールバーはキットの特性上、メインアーチを置くスペースがないので、上半分の見える部分のみをプラ棒で自作したものをリアバルクヘッドの上から生やしました。
 
ちなみに、実車に装着していたロールバーはOKUYAMAのリア5点式で、メインアーチの後ろにバルクヘッド止めの縦バーが2本伸び、その2本をダイヤゴナルバーで繋ぐという構造だったのですが、スペースの関係で実車どおりの構造が再現できず、やむなくメインアーチをダイヤゴナルバーで繋ぐという構造に変更しました。

ヘッドライトはテープで仮固定してあるだけなので、下の実車写真と同じように半開きにすることも可能です(笑)



こうして見比べると、似ているような?あまり似ていないような?

まぁプロポーション自体に相当難のあるキットですので、このあたりはご勘弁ください(笑)

マフラーは、フジミのチューニングパーツセットの砲弾型2連マフラーを切り離して一連とし、サイレンサーの長さを詰めて、当時使用していたフォルテッシモに似た形状に加工しました。

ナンバープレートは、フジミのインレタデカールで当時の実車のナンバーを再現し、文字通り、当時の愛車が1/24にて再現されました。


**総括**


完成した模型を目の前にすると、当時の思い出が鮮やかによみがえり、目の前にある模型の車に乗車できそうな気にさえなってしまいます。

2年前にカーモデルに出戻って以来、はやいものでフォーミュラカー、ラリーカー、スポーツカー等、合計12台を仕上げてきましたが、AW11だけはこれまでずっと避け続けてきました。

それは、一番思い入れのある車だけに、自分がAW11を納得のいく仕上がりに出来る腕を身につけるまでは、けして手を出したくないという思いがあったからです。

これまで製作してきた12台はいずれも好きな車ばかりではありましたが、これまでの製作経験は、(数字はあまりよくありませんが)13台目のこの先代AW11を製作するために重ねて来たと言ってもいいかもしれません。

私は車には、生き物と同じように魂が存在すると信じているのですが、2001年に、自分の不注意のために廃車にしてしまった元愛車の供養を、10年後となる2011年のお盆にようやく出来た気がして、なんとも感慨深い思いをしているところです。

なお、この先代AW11の(実車)パーツは、私が現在所有しているAW11にも多数受け継がれ、内装パーツ一式とホイールのほか、エンジンとギアボックスも移植されております。

実車でも模型でも、車の楽しさを教えてくれた、この先代AW11との思い出とともに、これからの人生を楽しんでいきたいと思います。

長い製作記をご覧いただきありがとうございました。





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