2011年12月、かねてよりうわさがあった、タミヤ1/350戦艦大和がリニューアルされました。
1/350戦艦大和をこれまで多数製作してまいりました、HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!におきましても、早速この期待のキットをレポートさせていただきたいと思います。
タミヤの大和のリニューアルキットは、タミヤが威信をかけて設計したキットだけに、そのまま組むだけでも素晴らしい大和が完成できますが、まず最初に従来型の大和キット用パーツや1/350艦船模型用の汎用パーツを一部取り入れ、更なるディティールアップを施しました。
ディティールアップの内容は、キット状態で少々ディティールの弱い舷外消磁電路をアオシマの軟質プラ製のものに置きかえてボリューム感を演出したほか、手摺類はタミヤ推奨の柱と銅線を用いた手摺パーツではなく、大和の従来キットのものを一部加工して流用しております。
その他、主砲身はアルミ製挽き物砲身を使用し、零式三座水上偵察機はハセガワの水上機セットのものを使用して透明の風防などを再現しております。
空中線はテグスとメタルラインを適材適所に使い分けました。 模型映えを考え、少々本数を多めに再現しております。
完成画像は先に掲載しておりますので、ぜひともご覧くださいませ。
なお、従来製品と比べてどこがかわったのか？という質問をメールフォームなどからかなりたくさん頂いていたので、簡単にまとめたところでは、
三連装機銃位置
機銃ブルワーク形状
主砲塔側面形状
主砲塔後側の扉形状
機銃シールド形状（従来は1種類のところ4種類）
高角砲風防および射界制限枠追加
三脚マストの構成
兵員待機所形状を含む艦橋基部および中央構造物形状
射撃管制機の数および台座形状
煙突側面通路および探照灯デッキ形状
船尾形状はカットオフスターンを廃し通常型へ
などが目立つ部分で、細かい部分もあわせると多すぎてここにはとても書ききれません。
また、2011年秋の幕張でのホビーショーにおいてタミヤ担当者に年代違いのバリエーション化について問い合わせてみたところ「現在では予定にございません」との回答をいただきましたが、明らかに年代違いのバリエーション化を睨んだパーツ分割が行われており、穴あけ箇所の指定には「Y」「M」という刻印があります。
これらはいうまでもなく、「YAMATO」と「MUSASHI」を意味するものであると理解して間違いないものと思われます。
将来的にはリニューアルキットでも「決定版」にあたるものを製作したいと考えておりますが、まずは船体形状や構造物の位置、比率に関しては、文章にするより下記画像が参考になると思います。（申し訳ございませんが、許可なく画像の二次使用は固くお断りします）
上がリニューアル版、下が従来版です。
船首と船尾の太さの違いが目立つ点ですが、その他にもいろいろと違うところがあります。
リニューアルキットを製作してのレビューですが、「これは素晴らしい！」と思う点、「これはちょっと・・・」と思う点など、たくさんありましたが、全体的には「これは素晴らしい！」という点が圧倒多数で、一作目としてはそれなりに満足のいく作品になりました。
しかし、気になるにはやはり膨大なパーツ点数と非常に分厚い説明書。 ピンバイスなどの工具もドリル径をたくさんそろえねばならず、モールドの切削指示も多かったため、またしても1/350艦船模型の敷居が一段あがってしまったな〜というのが正直なところです。
リニューアル大和を製作していて、リニューアルキットの素晴らしい点にはたくさん気づかされました。しかし、そんな中、私は従来キットの素晴らしさにも同時にきづかされることになりました。
少ないパーツ点数で組み立てやすく、誰にでも気軽に大和型戦艦の勇姿を再現でき、30年にも渡って1/350艦船模型の代表選手として活躍を続けた1/350戦艦大和の従来キットは、船体形状や細部の考証を、大和のとらえかたのひとつと考えるなら、現在のキットを上回る名作と言えるかもしれません。
パーツの合い、接着強度、そして精密さではもちろんリニューアルキットが素晴らしいものであることは間違いありませんが、モデラーのスキルにあわせて、新旧大和キットを選ぶことができればいいのに、などと、勝手な考えを持ってしまった次第です（笑）＞実際にそれをやると新しいキットが売れませんから無理でしょうけど（笑）
|