ロールセンターアジャスターetc






AW11 ロールセンターアジャスター(アダプター)

これは車高を下げた場合に不正になったロアアームの角度を修正する
ためのパーツで、ナックルとロアアームのボールジョイントの間には
さんで使用します。

AW11のようなストラット構造のサスペンションの場合、ロールセンタ
ーアジャスターなしで車高を下げるとロアアームの角度が水平または
バンザイしてしまうカタチになり、このバンザイしたアームの角度の
ままショックをバンプさせるとロアアームがさらに上を向き、ボディ
からナックルまでの距離がアームの水平状態より短くなるため、結果的
にキャンバーがポジティブ側に変化してしまいます。

この動きはロールすればロールするほど大きくなるのですが、アダプ
ターなしで車高を下げると、アームの角度の不正からロールセンター
の位置が下がり、重心位置との距離に開きができてしまうため、結果
としてロール角自体を大きくしてしまうことにもなり ますますサスペン
ションのジオメトリーを狂わせてしまう傾向にあります。

そこで、ロールセンターアジャスターをロアアームとナックルの間に
挟み、そのままではバンザイしてしまうロアアームの角度を純正に近
い状態まで戻してやるわけですが、これにも弊害があります。

ロアアームの角度だけを修正してタイロッドの角度がそのままだとタ
イロッドとロアアームの支点の長さが不揃いになってしまい、バンプ
リバンプ時に不正なトー変化を起こしてしまうので、結果的にかえって
限界をさげてしまう可能性があります。

特に、AW11のリア側はその影響が大きく、ロールセンターアジャスタ
ーだけの使用の場合、ゲージ上の数値として、最大で片側4度もトーア
ウトになるというデータが出されているそうです。

それを克服するにはタイロッドの角度も同じだけ下げて、ボディとナ
ックルとのアームとタイロッドの距離と角度の比率を純正と同じにし
てやることが必要になります。

23mmのアジャスターと23mm下がるタイロッドをつければ、仮に車高を
30mm落としたとしても、純正より7mm落としただけの状態になるのでジ
オメトリーに与える影響は少なくてすむというわけです。


↑これがアジャスターの厚みに合わせたリア用ロッドです。

このタイロッドは『バンプ対策ロッド』という名前で市販されてはい
るのですが、『バンプステアによって起こるトー変化をなくす製品』
という意味ではなく、あくまで車高を下げることで一緒に下がってし
まうロールセンターと重心との距離の補正と、サスペンションのジオ
メトリー純正値に近づけるための物であると言う事をしっかり理解し
ておく必要があります。

HIGH-GEARedはリア側のロッドは純正値のジオメトリーにもどすタイ
プのロッドを装着し、フロント側はあえてロール時にトーをコントロール
するセッティングが施されたタイロッドを装着してあります。 

リア用はナックルが最初から下刺しに設定されているためこうしたアダ
プター付きタイロッドはポン付け可能ですが、フロント用は上から刺さっ
ているタイロッドを下刺しの方式に変更するため、ナックル側の上向きの
テーパー加工が必要なので、技術に自信のない方はプロショップで加
工を依頼するのが安全と思います。

ちなみに、このテのロッド装着の際の注意点ですが、リバンプ側のス
トロークが長いショックを使うとロッドのベアリングの稼動範囲を越
えてしまうので注意が必要です。

いずれにしても、アジャスターとロッドでかなりの高額になってしま
うので、予算的に両方購入が不可能な場合はロールセンターだけの装
着は避けてリアはノーマルのロアアーム角で使うほうが無難かもしれ
ません。ロールした際にトーが変わるのですから、いっそバネやスタ
ビを固めてロールの少ない車を作ってみたり、またロールの少ない走
法を身に付けるのもひとつの方法かもしれません。(こうしたロッド
が開発される前のAW乗りはこうして攻めていたといいます)

AW11フロント用バンプ対策タイロッドエンドの解説はこちらです。




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