レグニッツァ上空遭遇戦ジオラマ








アルバクリエイツ 1/5000

普段、実在艦船の模型をメインに製作しているHIGH-GEARedですが(意外と思われる方も多いようですが)、アニメ作品のいわゆる宇宙戦艦にも夢中になった経験もあり、前回製作の宇宙戦艦ヤマトのような作品製作にもひそかに憧れていました。

今回の作品は、小説およびOVAにて(コミック版もあり)大ヒットを記録した田中芳樹氏原作のスペースオペラ「銀河英雄伝説」から、有名な戦闘シーンの1シーンです。

この作品は奈良模型愛好会の春展2010に向けて製作したもので、同展示会のテーマ「ジオラマ」に合わせてジオラマ仕立てとしました。

使用したのは銀河英雄伝説のガレージキットです。

キットはアルバクイエイツという京都の造形工房の手流しキットで、レジンとホワイトメタルとエッチングパーツがメインの典型的なガレージキットです。

アニメ作品をご覧になった方でしたらお分かりになる話題ですが、今回のジオラマの舞台は劇場公開版でアニメ作品の第一作目となる「我が往くは星の大海」において、物語の主人公である二人の英雄、ラインハルト・フォン・ミューゼル(後のローエングラム候)とヤン・ウェンリー(当時は参謀)が初めて向かい合うことになる、惑星レグニッツァ上空での遭遇戦を再現しています。

双方ともに全く予期しない嵐の中での遭遇戦という形で砲撃戦が開始され、後の帝国軍総旗艦となるミューゼル大将座乗のブリュンヒルトと、同盟軍第2艦隊司令官パエッタ中将座乗の旗艦パトロクロスが異常接近するも、お互いに有効打を与えられずにすれ違うという場面です。

惑星レグニッツァの大気はヘリウムと水素であるという設定で、アニメ版では木星の大気のような描写がなされていたので、ジオラマもその設定に基づいて背景画とガス状の大気を小物として据えることにしました。

背景画は、今回はトップページから相互リンクしている「祈り歌」管理人の みのりさんに依頼して手書きして頂き、大気は手芸店で買ったウールを使用しました。  このふたつの色合いが想像以上にベストマッチングしてくれたので、なんとかジオラマらしさが出てくれたかな?と思っております

ちなみに主砲のレールキャノンは05ミリ径の光ファイバーを着色したものです。光ファイバーなので、光が当たるとなかなか良い感じに発光してくれます 。





後に帝国軍総旗艦となる戦艦ブリュンヒルトです。後に全宇宙を統治することになる帝国の英雄、ラインハルトが大将に昇進した際に下賜された新型旗艦の試作艦で、数多くの戦いに参加するもほとんど損傷をうけることがありませんでした。それまでの帝国軍旗艦級戦艦とはデザインも装備もかなり異なっており、白鳥を思わせる優雅な姿をしています。この戦いにおいて、同盟軍の英雄ヤン・ウェンリー准将は、ラインハルトを「白い船の指揮官」として認識することになります。



アルバクリエイツのブリュンヒルトのキットは、レジンパーツのみのシンプルな構成になっているので、パーツを洗浄し、ゲートやバリを取れば後は接着して塗装するだけです。下地はレジンプライマー→グレーサーフェーサー→ホワイトサーフェーサーです。中央部のメタリックの部分は、ホワイトを塗装したあとにマスキングして吹き付け塗装で仕上げました。、



当時、同盟軍第二艦隊旗艦だったパトロクロスは同型艦の多いアキレウス級戦艦の6番艦にあたります。第二艦隊司令官のパエッタ提督の座乗艦ですが、直後のアスターテ会戦においてパエッタ提督が負傷した後は、ヤン・ウェンリー准将が指揮を引き継ぎました。レグニッツァではブリュンヒルトと衝突寸前の接近戦を演じたパトロクロスですが、アスターテ星域会戦においては帝国軍の戦艦ワレンシュタイン(標準戦艦)と交戦撃破したのち、後続艦のケルンテンを交錯し、わずかに接触するなど、旗艦としては珍しく幾度もの接近格闘戦を演じました。



パトロクロスのキットはブリュンヒルトとは違い、バーニア付近がホワイトメタルパーツで用意され、アンテナ用の真鍮線が多数付属するなど、パーツ数の多い構成になっています。細長いのでボリュームでは若干劣りますが、同盟軍独特の武骨なディティールで密度が高く、なかなかに魅力的なキットです。塗装は下地処理の後、エンジン周りのイエローからはじめ、バーニア内部をマスキングしてグリーン→レッドという順番で塗装しました。色合いはアニメ版をイメージしていますが、設定の色に近いかどうかはわかりません。


**総括**


銀河英雄伝説は、HIGH-GEARedが中学生時代に劇場版とOVAの製作がはじまり、第二部まで終わったところで続きを小説で読むようになりました。その後、第三部、第四部もOVA化され、外伝も製作されました。

それまでのアニメ作品にはない、生き生きとしたキャラクター描写に夢中になり、いつかはアルバクリエイツのキットを組みたいと長年願っていたものですが、今回の春展のテーマ「ジオラマ」と、同じく銀英伝ファンのみのりさんの協力で、ようやく製作が実現しました。

ちなみに奇しくもこのジオラマは、HIGH-GEARedが大阪に住んでいた時代の最後の作品ともなりました。引っ越しの荷物を整理しながら、プライマーを塗り重ねていたのは良い思い出です。

これまで艦船をメインに製作してきたHIGH-GEARedですが、最近はいろんなジャンルの模型に手を広げる喜びを感じております。

新しいことを始めるとわからないことばかりで大変ですが、ひとつひとつ難題を克服して満足のいくものを作り上げていく喜びは格別です。

そういう広い視野を忘れないことこそ、モデラーとして成長するには大切なことでじゃないかなぁと実感しております

キャラクターモデルはまだまだ未開拓でお見苦しいところもあるかもしれませんが、温かい目で見守っていただけましたら幸いです


SCALE MODELSに戻る

左側にメニューページが表示されない場合はここをクリック

艦船模型製作代行 モデルファクトリー ハイギヤードはこちら

スケールモデル完成品販売ネットショップ CHERRY&ANCHORはこちら
inserted by FC2 system