1/700スケール 戦艦 プリンス・オブ・ウェールズ
TAMIYA製インジェクションキット













田宮模型 1/700

エリザベス女王のアルマダ討伐戦以降、七つの海で無敗を誇り、
数百年に渡って世界最強を誇ったと言われる英国海軍の中に
おいて『虎の子』と呼ばれたキングジョージX型戦艦の2番艦
にあたる超ド級戦艦が、プリンス・オブ・ウェールズです。

マレー沖において太平用戦争初戦にて日本海軍と戦火を交わ
した艦として、日本陸海軍や連合艦隊ファンの方々にもお
なじみの戦艦だと思います。

プリンス・オブ・ウエールズは1941年3月に竣工しました。当
時、ドイツ海軍の新鋭戦艦ビスマルクの北大西洋進出が予想
されていたため、ただちにビスマルク追撃部隊として艦隊に
編入されました。

そしてそれからまもない1921年5月23日、北大西洋に向けて出
撃したビスマルクを巡洋戦艦フッドとともに追撃することに
なりました。しかし、このビスマルク追撃戦において、完成
まもないプリンス・オブ・ウェールズは船体の艤装の工事が
完全には終わっておらず、造船所の工員が乗りこんだままと
いう状況下において自慢の35、6cm 4連装主砲の同時射撃がで
きず、午後5:55分、ビスマルクと寮艦プリンツ・オイゲンと
の壮絶な砲撃戦を開始することになります。

砲戦数合にしてビスマルクの砲弾がイギリスの巡洋戦艦フッ
ドの船体を粉々に吹き飛ばして轟沈させ、プリンス・オブ・
ウェールズも艦橋や喫水線下を含めて38cm砲弾を4発被弾し、
そのまま戦線を離脱することになりました。

1941年10月25日、ビスマルク追撃戦での修理を終えたプリン
ス・オブ・ウェールズはイギリス本国を出航、11月16日に
ケープタウンに到着すると、高速戦艦レパルスと共にシンガ
ポールへの派遣の命令を受けます。それは日本軍との開戦の
日が近いことを悟ったチャーチル首相の読みによる南方資源
地帯への兵力増強の目的のためのもので、この時プリンス・
オブ・ウェールズはイギリス東洋艦隊旗艦に就役しました。



そして12月8日午後5時35分、日本のマレー上陸船団を攻撃
するべくフィリップス提督に率いられたイギリス東洋艦隊
はシンガポールを出航、途中潜水艦からの攻撃を受けつつ
もそれをかわし、日本軍の上陸地点と目されるクァンタンを
に向かったものの、その情報は誤報だったため、シンガポ
ールに引き帰すことになり、その途上にてツドウモ基地より
発進した美幌航空隊の白井中尉、元山航空隊の石原大尉、
鹿屋航空隊の鍋田、東大尉の率いる一式、九六式陸攻の雷撃
を受け、7本の魚雷を被雷しました。

通常の戦艦なら確実に沈没しているであろうその被害で、速
力は30ノットから15ノットに落ちたものの、それでも来襲す
る日本軍機に対空放火を浴びせつづけ、不沈艦と言われたそ
の名に恥じない奮戦ぶりを続けました。

しかし美幌航空隊の武田大尉以下8機の水平爆撃により、500
キロ爆弾を後部艦橋右側と左舷艦尾に受けたプリンス・オブ
・ウェールズは12月10日、午後2時50分に大爆発を起こして
沈没し、フィリップス提督も艦と運命を共にしました。

今回製作のこの戦艦プリンス・オブ・ウェールズの模型は、タ
ミヤのインジェクションキットをベースにビスマルク追撃戦に
おいての塗粧にて完成し、ゴールドメダルモデルズのエッチン
グパーツや空中線、自作のパーツや加工などをおこない、ディ
ティールアップを施してみました。


↑モデルの大きさは長さがおよそ33cmです。細かいディティー
ルを施すには限界の大きさですね、手摺の高さはおよそ2ミリ。

キットは静岡の有名模型会社3社協同開発の国内艦船模型の最
大のブランド、ウォーターラインシリーズの外国艦開発華やか
なりし時に登場し、好評をえた名キットのひとつです。タミヤ
からはこの後、1/350スケールにおいてもプリンス・オブ・ウェ
ールズのキットがリリースされたこともあって、メーカーの
思いいれも窺い知ることができる素晴らしいキットです。

まず、船体の舷窓は全てピンバイスで開口し、箱型の成形の都
合で再現されていない艦橋基部や内火艇甲板基部などの構造物
側面の舷窓なども、ピンバイス加工で多数再現しました。

また、キットをそのまま組むと艦橋の正面にできて目立って
しまうパーティングラインはパテで埋めてあります。

ディティールアップには主にゴールドメダルモデルズの
『英海軍キングジョージクラス用』を使用しています。甲板
上にある英国海軍独特の3段手摺や船首部分のアールのついた
手摺も上手くフィットしています。


↑リアビュー、クレーンや艦載機、格納庫などの様子。

キットには含まれていない前部マストの中ほどにある277型
レーダーや骨組状の火器官製レーダーなどをエッチングパ
ーツで追加するほかに、クレーンのパーツをエッチングのト
ラス構造のものに変更、クレーンのワイヤーも再現しています。

艦載機のウォーラスのプロペラなどもエッチングパーツにて
再現するなど、基本的なディティールアップを施しています。

また、艦橋防衛用に装備されているはずの単装機銃はキット
では防盾のみがモールドされているだけなので、銃身を真鍮
線で自作し、加えてあります。

艦首と艦尾にある旗竿も真鍮線を組み合わせて自作したもの
で、空中線の再現には今回は0、6号釣り糸(太さ0,128mm)
を着色して使用しました。取りつけは全て瞬間接着剤による
ものです。この釣り糸は着色してるとはいえ、もともとはテ
グスなので保管の際にメンテの心配がいらないのがメリットbr です。

艦首の錨鎖はアイコムの精密なホビーチェーンを使用し、本
物の鎖ならではの立体感を再現しました。銅製のこのチェ
ーンを専用の黒染液剤でブルーイングしてあります。

プリンス・オブ・ウェールズの外観上の大きな特徴でもある
連装の主砲はもちろん、2連装の主砲も全てピンバイス加工に
よって砲口を開口しました。

塗装に関しましては95パーセントにエアブラシを使用してい
ます。木甲板色と外舷色に関してはほぼ100パーセントで、
甲板上の細かい構造物などは筆で色刺ししてあります。

外舷色に関しましては、GSIクレオスの31番を使用したので
すが、この外舷色はそのまま塗装しては発色が良過ぎるの
で、重量感を出す工夫として、下地に赤茶色のサビ止め塗
料の色(艦底色)を吹き付けてみました。

艦底色の下は白立ち上げにて塗装を始めているので下地の
発色も確保しています。個人的にはこれらの下地が重量感
確保にかなり貢献したと思っています。

甲板の塗装はGSIクレオスのタンを全面に吹きつけ、その後
ウッドブラウン→黄燈色を極限まで薄めたものを数回コート
しています。

今回の塗装もエアブラシがメインのため、ほとんどの部分
に塗膜の強いラッカー系塗料を使用したのですが、探照灯
など一部の色刺しにTAMIYAエナメルカラーを使用しました。

塗装の最終仕上には、船体、甲板ともに艶消しクリアコー
ティングを施して質感を統一してあります。艦橋の窓はす
べてスミ入れを行ってあります。


↑艦橋周りのディティール、タラップ、ハシゴ、艦橋後端
頂部の火器官製レーダーなどをエッチングで再現しています。


**総括**

このギャラリーにはWW2艦船としてははじめて外国艦の登場
ですが、このプリンス・オブ・ウェールズ(キングジョージ
クラス)は幼少の頃、艦船に興味を持ち始めたときから大好
きな艦のひとつです。

艦容の美しさはもちろん、この4連装主砲は本当に力強く、心
ひかれるものがありました。

いつも思うことですが、各国の艦はそれぞれにその国のお国
柄がでていて面白いと思います。英国の艦はこのキングジョ
ージXクラスの宮殿のような艦橋がとても印象的で、ドイツ
艦は工業的、アメリカ艦は開拓の歴史を象徴する馬のような
スマートかつ勇ましいものです。そして、日本の艦は五重の
塔のような艦橋と、侍のような引き締まった船体を持ってい
ますよね。

話はそれましたが、ウォーターラインの第一時外国艦開発期
ということでかなり昔のキットになりますが、タミヤのこの
キットの成形水準は現在でもまったく見劣りする事なく、今
回のようなディティールアップを行わなくても、素組の状態
で充分、美しい艦容を再現することが可能です。

クリッパーモデルの真鍮砲身などを使用すればなおのこと良
くなりそうですね。また製作する機会があれば、イギリス東
洋艦隊期間時の複雑怪奇な迷彩塗装にも挑戦してみたいです。






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