アオシマ 1/700貨客船『新田丸』 







AOSHIMA 1/700日本郵船『新田丸』1944年 

この作品は、製作ご依頼をいただいて製作したものです。

『新田丸』は、日本郵船が欧州航路に就役させることを目的として建造した豪華客船で、それまで欧米に頼っていた設計、鋼材、艤装、調度品などを全て国産化した上、空調を標準装備したことで、当時としては非常に画期的な船でした。

しかし、第二次世界大戦の影響で欧州航路に就役することは叶わず、海軍に徴用されて航空母艦『冲鷹』に生まれ変わることになりました。





キットは、アオシマ製です。冲鷹と船体が共通となっているあたり、懐かしさを感じる構成になっています。



組立には苦労するものの、組み上がれば美しいシルエットとなるのが、昔のアオシマキットの特徴です。手すりのある部分はほとんどがブルワークとして再現されているので、全て切り取り、エッチングの手すりに変えております。



構造物側面には窓がモールドされていないので、黒で書き込みました。エッチングのシュラウドを付けることで、精密感の高い客船模型に仕上げることができます。



ブリッジの左右には大穴が空いていて空っぽの船内が丸見えになるので、裏側からプラ板で塞ぎました。



前回制作時にはブリッジ両脇の合わせ目の処理に困りましたが、船体と構造物をこのような状態まで組み立てて処理すると、あとの工程が楽になるのでオススメです。 


**総括**


私はこれまで、1/700艦船模型を多数製作してきて、正直、現行品番で買えるキットの中では、この新田丸型が組み立て難度、塗り分け難度ともに最も厳しいキットと言えるのではないかと、常々思っております。 

パーツ分割がとにかく特殊なので、デッキを水平に組むのが難しく、また、取り付けダボなどはあってないようなものなので、構造物の前後方向のズレはもちろん、左右対称になっているかのチェックも欠かせません。 

1/700日本郵船『新田丸』は、現行ウォーターラインシリーズで最も難易度が高いキットと呼んで差し支えないと思われますが、『あるぜんちな丸』『ぶらじる丸』『報国丸』など、このところ地味にラインナップが拡大している戦前型の客船をコレクションするなら避けては通れない道ですので、ぜひ多くの客船ファンに製作していただきたいと思います。


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