1/220スケール ノイシュバンシュタイン城<豪華メッキ版>
童友社製インジェクションキット









DOYUSHA 1/220

建築模型のコンテンツは、法隆寺五重塔から数えておよそ4年半ぶりの更新になります。

今回製作したのは童友社のノイシュバンシュタイン城です。

キットはなぜか父が随分前に購入し、実家の屋根裏部屋で眠り続けていたものなのですが、
5月の静岡ホビーショーで完成品を見る機会があり、その後贈呈用として製作する機会が出来
たことから、この度めでたく「積んでるプラモデル」から完成品への変身を遂げたものです。



↑キットはこのような山が一体となったベース付きのもので、石垣の
イメージが強い日本の城キットとはかなり印象が異なります。


***キットについて***

国産キットにヨーロッパの城があることすらマイナーですが、キットは童友社の製品で、
「西洋の城」と銘打っているシリーズのひとつです。

「シリーズ」という割にラインナップが「ノイシュバンシュタイン城」と「デラックス
ノイシュバンシュタイン城(豪華メッキ版)」の2種類だけという事実を見るに、発売
当時は日本の城プラモデルほどセールスが伸びなかったんでしょうね。

何年前にリリースされたキットなのかはわかりませんが、型の痛み具合や、ランナーの
パーツ番号の不備を見るに、少なくとも30年、ヘタしたら40年以上は経っているんじゃ
ないか?と思われる状態でした。


↑正面からの見上げアングル

***製作について***

パーツの合いは劣悪で、特に回廊パーツの反りはひどかったです。

円柱状の塔も合わせ目がモロに出るので徹底的にポリパテで埋める必要がありました。

キットはほぼ素組なので、実感的に見せるには塗装が鍵となります。

今回製作したのは、「豪華メッキ仕様」のキットでしたので、塗装をするためにまずは
メッキ落としから作業を開始しました。

壁面や屋根のメッキ落としはキッチンハイター浸け置きで手軽にできましたが、全長420
×幅155もある土台のメッキ落としには苦労しました。バケツに薄めたハイターを満杯ま
で入れて、土台を半分ずつつけて落とすという段取りです。半分落とすのに約3〜4日
浸けたままになり、結果的に期間的に1週間、ハイターを5本程消費しました。

塗装は白い壁面部分はグレーサフ→ホワイトサフ→灰色9号→艶消しクリアーの順番で塗
装し、最後にエナメルのダークシーグレーでウォッシングしました。

屋根はエアスペリオリティーブルーに原色のブルーと暗緑色を加え、軍艦色1で少しく
すませた色を自作しました。写真をみると天候や季節で全然色が違って見えるので、中
間的なイメージで調色しました。

基本の塗装を終えた後は、屋根はタミヤエナメルのブラックグリーン、壁面はダークシ
ーグレーでウォッシングし、石畳はダークシーグレーをベースにしたグレーを数色作り、
ドライブラシしました。

山肌はタミヤの情景テクスチャーペイントの(土 ダークアース)を塗りつけ、
KATOブランドのシーニックス社製ターフ(草色)を重ねて河合商会の針葉樹を植えつけ
ました。



↑屋根の汚れ具合は実物の写真を参考にしました。



↑中庭の様子。実際は石畳が敷き詰められていてもっとデコラティブ
なのですが、パーツには一切のモールドがないので塗装で質感のみを
演出しました。



↑見上げアングル。壁面は重厚感のある白を追及しました。白塗装
だとどうしても軽く見えがちなので難しかったです。



***総括***

ノイシュバンシュタイン城は中世の城を思わせるデザインですが、建築開始は1869年と
意外に新しく、中世騎士道に強い憧れをもった当時の王、ルートヴィヒ2世の「ワガママ」
によって建築されたものなので、実用的な城というよりは、デザイン性重視の城に仕上
がっています。

結果、ルートヴィヒ2世はノイシュバンシュタイン城の築城をはじめとした様々な
「ワガママ」が原因となり、その後廃位し、軟禁生活を送った末、シュタルンベルク湖畔
に散歩に出かけた際に同行した医師と一緒に水死体となって発見されました。

ノイシュバンシュタイン城はこのような歴史の悲劇を演出した城ではありますが、その
建築美は非常に評価が高く、現在はロマンチック街道の終点として大変人気の高い観光
スポットとなっています。 

有名なディズニーランドのシンデレラ城も、ノイシュバンシュタイン城をモデルにした
といわれているあたり、ノイシュバンシュタイン城の建築美の評価の高さをうかがい知
ることができますね。


童友社のこのキットをきっちり組み立てるのはそれなりに大変ですが、この美しい城を、
どの程度売れてくれるかわからない日本国内においてキット化してくれた心意気には
感謝の気持ちを送りたいです。

そして、キットを快く提供してくれた父にも感謝の言葉を贈ります






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