ミッドシップモデル 1/700戦艦『ネヴァダ』










Midship Model 1/700戦艦『ネヴァダ』 艦船模型スペシャル掲載作品 

この作品は、モデルアート社出版『艦船模型スペシャル No43』の「真珠湾のアメリカ太平洋艦隊」の特集に合わせて製作したものです。

真珠湾攻撃当時の真珠湾在泊艦艇は残念ながらプラモデル化があまり進んでおらず、ペンシルヴァニア級の2隻を除いてはほとんどがレジンキットとなるため、今回私が担当させていただいたネヴァダも必然的にレジンキットの製作となりました。

1941年のネヴァダのレジンキットはHPモデルとミッドシップモデルからリリースされておりますが、今回製作したのはミッドシップモデル製のキットで、同誌にはHPモデル製の姉妹艦『オクラホマ』の作例も掲載されておりますので、同型艦のメーカーによる設計の違いなども楽しんでいただけましたらと思います。





戦艦ネヴァダ(戦艦ネバダ)全景。太平洋戦争参加戦艦としては大変小型で日本戦艦を見慣れた目には、そのコンパクトなスタイルは大変印象的です。 外舷色は資料をベースに自分で調合したものを使用しました。



竣工当時は籠マストが採用されていたネヴァダですが、その後の改装によって、三脚マストの状態で開戦を迎えました。真珠湾攻撃での被害から修復後された後は、さらに近代的な艦橋が設置され、竣工時の面影は全く感じられない姿となりました。なお、戦前のアメリカ戦艦の特徴でもある籠マストは、艦スペNo43誌上にテネシー(ピットロードハイモールドキット)およびカリフォルニア(ミッドシップモデル)の作例が掲載されておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。


**総括**


戦艦ネヴァダと言えば、我々日本人に最も 馴染み深いのが、真珠湾で日本海軍機の 攻撃を受けつつ、湾口への脱出を図る姿 だと思われますが、そのイメージ同様に 、真珠湾攻撃を描いた映画への登場の機 会も多く、1970年に公開された「トラ・ トラ・トラ!」においては実物大の撮影 セットが登場したほか、赤城艦内での水 平爆撃隊の模擬演習の場面での「ネヴァ ダを撃沈したぞ!」という台詞や、攻撃 シーンの中での淵田隊長の「あれはネヴ ァダや!」という台詞が大変印象的で、 それらの映画に親しんで育った筆者にと りましても、少年時代から「ネヴァダ」 の名前にだけはずいぶんと馴染みがあり ました。

しかし、いざ「ネヴァダってどんな船? 」と言われると、正確なイメージ作りを 脳内で完成させるまでには至らず、「ネヴ ァダって当時、籠マストだっけ?」とか 「アリゾナと似た形の戦艦だったはず」 という、少々いい加減なイメージのみで 、自分の無知を恥じることを繰り返して いました。

今回は、このもやもやしたイメージしか 持っていなかったネヴァダの作例をお任 せいただいたことで、ミッドシップモデ ルのキットから「ネヴァダってこんな船 だったんだよ」という具体的なイメージ を教えて頂いた気がして、それまで近く て遠かったネヴァダの存在がこれまで よりずっと身近なものに思えるようにな りました。

太平洋戦時の主力艦よりはずっと小型で クラシカルな姿をしていますが、連装砲 塔と三連装砲塔を併せ持ち、低い乾舷と 全長の割に幅の広い船体を持つスタイリ ングにはなんともいえない愛嬌があり、 旧式艦ながらも太平洋と大西洋を転戦し 、大戦を生き抜いた誇り高さも相まって 、ますます思い入れの深い船となりました。


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