戦艦 霧島
アオシマ 1/350徹底ディティールアップ決定版









1/350戦艦『霧島』製作記 その10



今回は艦橋製作の第一回目をご紹介します。戦艦『霧島』アオシマキットの艦橋の主要パーツです。日本戦艦のキットを組みなれた方でしたら『おや?』と思うのではないでしょうか? と、言いますのも、このキットの艦橋のパーツ割りは少々特殊でして、日本戦艦キットの定番パーツである三脚支柱がありません。三脚支柱は支柱同士をつなぐ補強プレートと一体化された板状のパーツとなっており、そこに各フロアを差し込む形で組みあげる方式になっています。(おかげで「後から支柱が入らなくて---」とか、「フロアを積み重ねるに従って徐々に水平じゃなくなってしまって---」という問題が生じにくくなっています)




キットパーツを仮組みしてみた様子。面とエッジも美しく出ていて、金剛型戦艦特有のスマートさとメカニカルな魅力が引き立ちます。成形色が二種類あるのは製造ロットの違いによるもので、明るい色のパーツは最近発売されたリテイクキットのパーツになります。




リテイク前とリテイク後のパーツ比較。色の暗いパーツがリテイク前で、明るいパーツがリテイク後になります。アオシマのアイアンクラッドシリーズの霧島は、艦橋内に木張り甲板の板目があることが考証と異なる点として指摘されてきましたが、今回のリテイクによって板目のモールドが消された他、双眼鏡の支柱も別パーツ化されて社外パーツの流用もやりやすくなりました。




ディティールアップは艦橋の下部から開始します。今回はお客様から『水密扉を開けた表現』をいくつか盛り込むように御指定頂いておりましたので、KAモデルのエッチングパーツを使用して艦橋基部の4つの扉を開けた状態としました。なお、艦船の扉は右舷と左舷でヒンジの向きが異なるのが普通なのですが、KAモデルのパーツはヒンジの向きが一種類しかなかったので、一部の扉は枠と扉を切り離して逆向きに付け直す作業を行いました。




また、『老朽艦らしさ』を出したいというご希望に応え、側面や砲座にリベットの表現を行いました。使用したのは鉄道模型用のエッチングで、本来は旧式国電のHOゲージ用のパーツです。その他、ジャッキステーにはアライアンスモデルの汎用パーツ、パラベーンには(付属エッチングが使えるという理由で)ハセガワのパーツをそれぞれ使用しています。 




窓枠下縁にコンマ5ミリのプラ角棒を貼ってメリハリを演出したほか、三脚支柱の補強プレートのパーツは専用のエッチングパーツがないので片っぱしから肉抜き穴を開口してそれらしく仕上げました。また、ラッタルもプラモールドからモンキーラッタルのエッチングに切り替えています。リテイクによってリノリウム表現に変わった艦橋の各フロアにはリノリウム押さえ金具も再現しました。




羅針艦橋天蓋の様子。天井の裏側にはレインボーモデルの汎用穴あきバーを使用して補強トラスを再現しました。地味で手間のかかる部分ではありますが、作品を見上げた時の効果が高いので、今回の霧島製作ではこのような再現を各所に行っています。




戦闘艦橋および副測的所&照射指揮所の様子。副測的所&照射指揮所の裏側は支柱と一体の補強プレートの接着面になる部分ですので補強トラスは入れていません。(補強プレートの延長部分には肉抜き穴を開口しました)




防空指揮所および副砲射撃指揮所の様子。防空指揮所の前面には清流装置が備わるので、この部分はプラモールドを削り取ってホワイトエンサイン製のエッチングパーツに交換しました。ホワイトエンサインパーツはユーザービリティに難があり、このようなパーツには図入りの説明がなされていないので必要な場所に適合するパーツは英文説明書を翻訳しつつ、自分で探して組み方を考えなくてはいけないのが少々面倒です。(裏側の補強トラスは例によって汎用パーツの組み合わせです)




艦橋内には双眼鏡や伝声管も再現する予定です。これらの多くは塗り分けの手順を考えてパーツ単体で塗装してから取り付ける予定ですが、機銃スポンソンや見張所など、塗り分けのいらない部分は先に取り付けて一通り形にしました。 機銃の弾薬箱は、今回は全てのモールドを削り取った上で、ジェニュインモデルのレジンパーツに交換しています。

次項では艦橋の塗り分けと組み立てを終えた様子を御紹介します。


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