1/700スケール 戦艦 長門 レイテ沖海戦時
AOSHIMA製インジェクションキット













青島文化教材社 1/700

戦艦長門は日本海軍が列強の海軍力に負けない海上戦力
を保有する目的で計画された八八艦隊整備計画の第一艦
として建造され、竣工当時から太平洋戦争開戦時にかけ
て、40cm主砲を8門備えた世界最強艦のうちの1隻として
日本海軍のシンボル的存在として、開戦時にも山本五十
六連合艦隊司令長官座乗のもと、連合艦隊旗艦を勤めました。

後に大和型戦艦の一番艦大和が就役すると同時に旗艦の
座を譲りましたが、国内でも最高機密として扱われてい
た大和の存在は国民にはあまり知られず、戦時中も国民
達のアイドル的戦艦は以前この戦艦長門と姉妹艦の陸奥
のままでした。



太平洋戦争では真珠湾攻撃時の内地での司令塔の役目を
はじめとして、ミッドウェー海戦、マリアナ沖海戦と、
常に海軍の主力として働き、レイテ沖海戦にも参加しま
した。

やがて、戦局が悪化し、大和をはじめとした日本の主力
戦艦郡が次々と壮絶な最期を遂げていくなかで、この戦
艦長門は終戦までを戦い抜き、戦後唯一の作戦行動可能
な戦艦として沈没を免れ、生き残ります。

しかし、太平洋戦争のすさまじい戦禍を潜り抜けたこの
戦艦長門は、戦後連合軍に接収され、1946年7月のビキニ
環礁での水爆実験の標的艦として使用されることになり
ました。

この時、長門は水爆のほとんど直撃に近い場所で核兵
器の猛烈な爆風と灼熱に晒されつつも、被爆後数日間に
渡って洋上に浮かんだまま沈まず、その強靭な防御力を
証明しました。

この時、戦艦長門は乗組員が乗りこんでいれば沈没を防
げたことであろうということを証明し、日本の造艦技術の
高さを世界に知らしめるという、最期の役割を果たして
一生をおえました。

戦後、日本の復興が造船業からはじまったのはこの長門
の最期の働きがあったことも大きな要因と言えます。

生まれながらにして日本国民に愛され、その最期まで日本
のために働いた戦艦長門。その美しい艦容とともに名艦と
していつまでも語り継がれていくことでしょう。



今回製作したこの戦艦長門の模型は、太平洋戦争の開戦時
を上手くモデル化したことで定評のあるアオシマの新金
型版のキットをベースに、機銃の配置を変更、十三号、
二十一号、二十二号の各電波探信儀を増設したレイテ沖
海戦時の戦艦長門に仕上げてみました。。

使用した主なディティールアップパーツはトムズモデル
ワークスの戦艦長門、伊勢、扶桑型戦艦用のエッチング
パーツおよびファインモールドのカッター用オール、
40cm砲塔の砲身はKEBUROコーポの真鍮砲身、空中線も
同フラグシップの着色済み極細テグスです。

レイテ海戦時に増設された電波探信儀の再現には十三号
電探はピットロード艦船パーツセットから、二十一号電探
はトムズのエッチングパーツ、二十二号電探は静模協のリ
ニューアルパーツからそれぞれ選んで使用しました。

機銃は単装機銃がピットロードの艦船パーツ、2連および3
連機銃が静模協のリニューアルパーツです。資料にしたが
って海戦時と比べて数倍に増設された強靭な対空攻撃力
を持った姿としています。


↑増設された機銃の様子。

レイテ海戦時に増設されているマストの増設ヤードは真
鍮線にて追加し、成形の都合上省略されている副砲舷側
の舷窓や中央構造物サイドの丸窓はピンバイス加工で大幅
に増やし、長門の特徴のひとつである艦橋にふたつ開けら
れた丸窓も再現してあります。

そして船体の舷窓は全てピンバイスで開口し、いつもどお
り艦橋窓などはスミ入れでモールドのメリハリを表現して
います。


↑タラップ、手摺、カタパルトなどエッチングパーツを使
用したディティールアップの様子です。


↑カッターに搭載されたオールはスケール感を出すため今や
必需品です。

主砲の砲身は今回はクリッパーモデルではなく、KEBUROコ
ーポ(フラグシップ)の真鍮砲身です。プラにはできない
新円に近いフォルムと正確な砲口を再現しています。クリ
ッパーの砲身に比べて砲身基部の加工がやりやすくなって
ます。


↑正確なスケール感とディティールの再現に真鍮砲身を使用。

空中線は、今回もメンテの心配のいらないフラグシップの
模型用極細テグスを使用して 再現しました。空中線の張り
方は資料を参考にオーバースケールにならない程度に再現
してあります。

また、これらを支える空中線支柱は実艦と同じ3脚状のもの
を真鍮線で自作して強度を稼ぎました。


↑空中線の様子。


後部マストはベースキットの素材を骨組に、レイテ沖海戦時
の追加ヤードを真鍮線を使って再現しました。



↑真鍮線でヤードを追加したマスト周辺。

また、細かい部分ですが、八九式12、7cm高角砲は今回は
静模協のリニューアルパーツの観測室の足をカットする
など、実感的に見せる加工を施してして取りつけました。

塗装は95パーセントにエアブラシを使用しています。リノ
リウム部分および煙突上部、マストの一部の色刺しなどは
筆塗りです。

船体は下地処理、白立ち上げの後にピットロードシップス
カラーの『呉海軍工廠色』を吹き付けてあります。この
塗料は呉海軍工廠で実際に艦船に使用された塗料の資料に
基づいて調合されたもので考証の色そのものです。

船体、甲板とも下地に白を使うことでスケール性に合わせ
た少々発色を明るく調整してあります。


↑船体の色加減。青みがかかった独特の呉海軍工廠標準色
です。

甲板の塗装は、白立ち上げの後、Mrカラーのタンにサンデ
ィブラウンを少量混ぜたものを全体に吹きつけ、その後ウ
ッドブラウンを溶いたものを薄くコーティング、さらにそ
の後、黄燈色を溶いたものをコーティングし、最後に艶消
しのクリアーでコーティングしてあります。

また、画像ではわかりづらいですが、甲板の床板の色調の
差異は色エンピツを使って若干ですが再現してあります。

また、リノリウム甲板も、考証どおりに調色されたピット
ロードシップスカラーのリノリウム色です。主に飛行甲板
や艦橋の一部に使用しました。

今回の塗装もエアブラシがメインのため、ほとんどの部分
に塗膜の強いラッカー系塗料を使用したのですが、機銃や
菊花紋章など、金属色の再現が求められる部分には、金属
色の再現に適したTAMIYAエナメルカラーを使用しました。

機銃はメタリックグレイ、菊花紋章はチタンゴールドです。
一部ライトレンズ部分にはエナメルシルバーを使用していま
す。

塗装の最終仕上には、船体、甲板ともに艶消しクリアコー
ティングを施して質感を統一してあります。 機銃、高角
砲シールドや射撃指揮所の窓はすべてスミ入れを行ってあ
ります。


**総括**

1/700スケールでは伊勢に続いて長門と、日本戦艦の基本形
を製作してきました。このアオシマのニューキットは以前に
2回ほど製作していることもあって、そのままでは物足りな
く、レイテ海戦時に改造することで変化をつけてみました。

原型はWLシリーズでもトップクラスの完成度なので基本的な
デティールアップだけで非常に見栄えのする長門が完成し
て満足しています。しかし細かいところに手を入れ出すと
今度は今まで気にしていなかった部分のアラがどんどん見え
てくるようで、最近は少し空中線の太さが気になりだして
きました。次回作からはテグスを0、6号(0、12ミリ)のも
のに変更してみようと思います。(現在は0、28ミリ)

あまり精密にするとかえって存在感がなくなるかもしれませ
んが、全体のバランスを考えたうえでステップアップしてい
きたいものです。





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