戦艦 大和
ニチモ 1/200 






模型の製作内容に関する記述は、全て終わりましたので、完成画像や製作風景のみを
ご覧になりたい方は、ここから先は個人的な話題ばかりですので、特にご覧頂かなくても結構です。



総括

2000〜2001年にかけて、当サイトでの初めて艦船模型の製作記として、1/250戦艦大和を掲載してから、
5年の月日が流れました。

艦船模型のベテランの方からみれば、たかだか5年の初級者ではありますが、この5年という節目の年に、
技術面、知識面も含めて、「現在の自分に、今どれくらいのものが作れるのか?」 それを1/200のスケ
ールの大和で具現化してみたいという気持ちは、以前から持っていました。

その為に考えたプランが、今回のプランとほぼ合致するものなのですが、これまでの製作記を見ていた
だければ分かるように、これは膨大な製作費を必要とするもので、HIGH-GEARed個人の製作資金で
簡単に製作に踏み切れるものではありません。

HIGH-GEARed HOBBY WORKS!!に掲載している艦船模型は、そのほとんどが愛好家の方々から
のご依頼によって製作されているものですので、ご依頼者の方からの要求やイメージに近づけるべく
出来映えを調整しつつ仕上げていくのが当然で、なかなか自分の作りたいように作ることができない
のも事実です。(良く、メールやBBSで製作艦種などのリクエストを頂いておりますが、リクエストに
お答えできない理由には、こうした背景が存在します)

ですので、「こんなものを作りたい」と日々考えていても、基本的に一部の模型を除いて自分の作りたい
ようには作れず、また自分のために残したい模型を作る時間も予算もほとんど取れません。

完成品が自分のものにならなくても、せめて自分の作りたいように作りたいと日々願うものですが、
こうした事情の中、なかなか機会が来ることはありませんでした。

そうした中、今回の製作が実現した背景には、全ての製作方針をHIGH-GEARedに一任してくださり、「存分
に限界を目指して欲しい」というスタンスで私に1/200戦艦大和の製作を依頼してくださった、支援者の
方の大きなお力があります。

話が持ち上がったのは、2005年の年末のことで、製作時期は2006年春に決定しました。1/200大和の
パーツ類は入手に苦労するものが多いため、こうした充分な準備期間を用意できたことは、大きな救い
になり、また製作に向けてのプランを練りなおすにもまたとない期間でした。


↑今回なんとしても再現したかった丸型考証の測距儀室

また、製作を間近にした4月初旬に、偶然訪れた尾道にて、もはや二度と見ることがかなわないと諦めて
いた実物大戦艦大和ロケセットの公開延長を現地で知り、急いで再見学を行うなど、模型製作に向けた
インスピレーションを高めることができました。

製作途中の5月初旬には、待望だった大和ミュージアムの見学も果たしたのですが、この見学も、広島
にライブを観にいく計画と日程が重なった結果、初めて実現したもので、今回の大和製作と前後して、
この2箇所の大和見学が重なったのは、単なる偶然とも思えず、また大和ミュージアムでは企画展と
称して、坂上隆氏の1/100作品をはじめとする、数々の大和模型の名作を思いがけず拝見することが
できたのも、運命的な縁のように思えました。

このような経緯もあって、最初から最後までインスピレーションを落とさずに完成まで来れたのは、5年間
の製作活動の中にあって、素晴らしい記念になりました。

また、200枚を越える画像を掲載した製作記の掲載も、当サイトはじまって以来のことで、製作前の自分
が「こういう情報が知りたい」と思っていた内容に仕上げることができ、そういう意味でも、今回の大和製
作は、これまでにない良い機会になりました。


今回の製作内容は、見方によっては『製作費にモノを言わせた内容』」と映る部分もあることは認めて
おりますが、自作部分を極力減らし、その分、全体のバランスを考えたモールドの追加に時間と労力を
割くことが出来、パーツの差し替えによってキットの欠点を補うなど、近年の考証に近づけた大和の作
例としては、自作の苦手な方にも比較的低い難易度でディティールアップを行うことが出来、製作効率の
いいものと言えると思います。

ひとつひとつのパーツを実物と同形状に加工または改造していく資料模型等と比べると、まだまだ「組
み立て品」の域を出ないと言われる部分もあるかもしれませんが、個人的には、今回のような製作方法を
取ることで、必要な予算と必要な製作時間の中で、現状の技術でやれることを全てやりつくしました。

1/200ニチモ戦艦大和の作例を掲載しているサイトは近年急速に増加し、キットを忠実に組み立てたも
のから、資料模型顔負けの博物館級のものまでさまざまですが、当サイトの1/200大和の作例も、それら
の資料と供に、今後製作を予定しておられる方の参考にして頂ければ幸いです。

特に、艦船および模型雑誌などで、小西製作所の大和パーツばら売りの広告をみたものの、どのパー
ツがどのように使用可能か?詳しく分からないという方などには、品番、価格も含めた表示で参考にな
ると思います。

以下、製作費を含む使用キットおよび主要パーツのデータです。 


***ベースキット***

1/200戦艦大和 展示模型専用スペシャル \25200
 

***ゴールドメダルモデルズ エッチングパーツ***

200-1 日本海軍 大和・武蔵用ディティールパーツ \24675
200-1A 日本海軍 大和・武蔵用追加ディティールパーツ \11340


***日本海軍艦艇模型保存会 1/200精密パーツ (不二美術模型)***

59 大和用150cm探照灯 \3360
62 大和用副砲身 \2520
63 大和用主砲身 \3990


***小西製作所 1/200大和バラ売りパーツ***

2 スタンド柱・ネジ・ナット \5000
19 主錨 \300×2 \600
21 艦首フェアリーダー \1200
55 艦尾ブルワーク \500
56 テスリ柱 \1500×3 \4500
57 機銃座A \200×2 \400
74 94式高射装置・台イ \1500×2 \3000
80 12、7cm高角砲座 \600×6 \3600
86 15m測距儀・室 \1400
92 高角双眼鏡 \150×7 \1050
114 煙突頂上カバー \1000
154 クレーン \12000
160 12、7cm連装高角砲 \1500×6 \9000
166 銘板 (主要目) \2000
167 銘板取り付け台 \1000
170 舷灯 左右 \200×2 \400
H2 零式3座水上偵察機 \3050
H3 零式観測機 \3050×2 \6100


上記パーツ郡は今回使用したものの中の主なものですが、空中線材料や金属線、接着剤やパテ類、
またパーツの送料、手数料などは含まれておりません。 パーツ代金は合計約13万円ほどで、
ケースや諸材料なども含めた総製作費は、30万円近くなっていると想像しています。

最初にも記載しましたように、こうした規模の模型製作は、HIGH-GEARed個人の製作費からはなかなか
捻出できるものではなく、おそらくこの製作記もご覧頂いているであろう、支援者の方の協力なしにはありえませ
んでした。 この場を借りて、今回の製作の機会を下さった事を、心から御礼申し上げます。

次回、1/200戦艦大和を手がける機会はいつになるか分かりませんが、ひょっとしたらニチモベースは
今回で卒業になるかもしれません。

1/200スケールの戦艦大和は、自分の模型人生の中でのひとつのステータスと言えるものですので、
その時代、その時代の出せる力を出し尽くした最高の品にしていきたいです。


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