ミノルタ トヨタMR2LM-GT1
1989年 ル・マン24時間レース(のつもり)











ミキシングビルド(フジミ+タミヤ) 1/24 

モデラー仲間の皆さんの中には、私がトヨタの初代MR2のオーナーであることをご存知の方が幾人かおられると思います。

そして、普段車でご交流いただいている皆さんは、私の得意分野が模型だということをご存知の方が多いと思います。

そして、モデラーの皆様、車でご交流頂いている皆様に共通して、私が熱烈なレーシングカーファンであることをご存知の方も多いと思われます。


国産初のミッドシップスポーツカーとして生まれながら、レースの世界(ジムカーナを除く)ではほとんど活躍の場がなかった、初代MR2(E-AW11)ですが、低く構えられたボンネットフードやトンネルバック&カットオフテールのリアビューを持つ、そのスタイリングから、同年代に活躍したスポーツカーベースのGTレーシングカーをイメージした方は多いと思われます。

「もし、初代MR2がレースの舞台にデビューして世界の有名スポーツカーを相手に激しいバトルを繰り広げたら?」

そのような妄想をした方は私一人ではないはず!と、勝手に思い、イメージを模型の世界で形にしてみることにしました。


ベースに使用しているキットは、フジミからリリースされていた「トヨタMR2スーパーチャージャー」です。

このベース車両をもとに、ラリーバージョンやスーパーエアロ、アメリカンなんとかカスタムとか銘打って時々再販されるブリスターフェンダーのエアロを取り付け、その他のパーツは本物のGTカーのキットから流用して組みあげました。






車輌を右側かた見た様子。ル・マンの詳細な車両レギュレーションを知っているわけではないので、自分の中にある「カッコイイGTカー」をイメージしたデザインにしました。タイヤとホイール、サイドミラーはタミヤのゼクセルスカイライン、リアウイングと室内パーツは日産R390GT1、デカールはトヨタ88CVのパーツをそれぞれ取り寄せて使用しました。



自作した部分は、固定ライトとフロントのエアダム内部とサイドステップ、リップスポイラー、そして(キットには含まれていない)サイドウインドウ等で、全てプラ板を切り出す方法で作りました。その他、ロールケージはプラ丸棒で全て自作しています。車高を下げるため、フェンダーアーチもギリギリまで広げました。



フロントのアップ。バンパーとボンネットに開口部を二か所設けました。固定ライトもプラ板による自作で、内部のレンズは内側がキットのフォグランプ、外側がウインカーの流用です。フェンダーは外側にもう一枚フェンダーを貼りつけ、後ほど内側のフェンダーを切り抜くという工作をしました。



サイドミラーはタミヤのゼクセルスカイラインに付属のクラフトスクエア製ミラーですが、奇しくも私の愛車と同じパーツです。ミラーの位置とフェンダーラインがツラになっていることからも、この車のワイド具合がお分かり頂けると思います。



リアビュー。ノーマルの面影をある程度残してますが、コンビランプのガーニッシュ部分を開口しました。その結果、ウインカーとバックランプの置き場がなくなったので、ストップランプに機能を集約させました。マフラーはフジミの汎用パーツです。(ここまでやると、リアディフューザーが欲しくなりますね)



この角度、結構気に入ってます。車高の変更およびホイールのオフセットは、プラ棒で自作したパーツをR390GT1のアップライトとシャシーの間に挟む方法で行いました。 自作品や流用品の塊のような作例ですので、汚くならないか心配でしたが、そこそこ綺麗に仕上がってくれたと思います。



と、いうのも、作っている途中はこんな感じでひたすらパテとサフと磨きの繰り返しだったため、上手く仕上がるのか不安で不安で仕方なかったからです(笑)



室内は外枠はノーマルのパーツをほぼそのまま使用しています。インタークーラーは前置きを想定しているので、前後に太いパイプが二本通りました。ロールケージはその後 点数をもう少し増やしてレーシングカーのイメージとしました。リアにはいちおうR390のシーケンシャルミッションを積んだのですが、ボディを付けるとほとんど見えなくなってしまいました。


**総括**


このマシンの設定をいろいろと考えていたのですが、ル・マン24時間レースではAW11の現役当時はグループCのワンメイクの時代と重なるので、現実的にいえば、AW11の現役期のル・マン投入はありえません。

また、仮にMR2ベースのGTカーを出せる年代設定を考えた場合、GTカテゴリーがC4クラスとして復活したのは1993年のことですから、1989年に生産が終了したAW11をワークスチームがベースにする理由はなく、実際に1995年からは二代目MR2のSW20をベースに、セルシオのV8エンジンを搭載したMC8Rがサードのオリジナル車両としてデビューしています。

となると、もう「1980年代の終わりから1990年代初頭にかけて、既にル・マンにGT-1クラスが存在した!」と仮定するしかなく、その場合の年代設定を考えて、カラーリングはホワイトとブルーのツートン塗装となる、ミノルタカラーに決定しました。

実は、このコンセプトの模型を製作するという構想は5年ほど前から持っておりまして、最初に挑戦したのは実は10年ほど前のことだったのですが、その時はいったん挫折し、カーモデラーとして、それなりの技術を経験を積んだときに再挑戦したいという思いを長年持ち続けていました。

今回は、レースカテゴリーを「ル・マン24時間レース」、年代設定で1988年から1989年あたりをイメージした関係で、ミノルタカラーをまとっての完成となりましたが、よくよく考えてみると、当時のル・マンはユノデュエールの直線にシケインが追加されていない時代ですので、こんなショートホイールベースの車であのデコボコ路面の直線を全開で駆け抜けたら・・・と、思うと、ちょっと怖いですね(笑)

構想に5年かかったとはいえ、実際に作業を始めてみると案外すぐに完成してしまったので、機会があれば今度はダカールラリー仕様のAW11を作ってみようとか、早速あらたな構想を練りはじめているところです。

あくまで妄想の世界ですが、ifを模型にする楽しさを実感しています。



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