船体と甲板の合いは悪く、甲板に対して船体の幅が随分広いので、内部にプラ角棒で補強を入れ、接着面積も増やした上でクランプを使用して圧着し、更に船体舷側内側と甲板の裏側に満遍なくプラ三角棒を貼り付けてエポキシ接着剤でコーティングするなど、経年変化への対策を施しました。 最上甲板には新選組の木製甲板を貼るため、板目のモールド(ニチモの1/200戦艦大和をはじめ、昔の艦船キットは凸モールドで再現されていました)を削りとりました。また、ハッチや機銃ブルワークはのちほどエッチングや小西製作所の金属パーツで再現しなおすために一旦削り落としています。(航空作業甲板は塗り分けとエッチングパーツでの飛行機運搬軌条の追加を行うため、この時点ではまだ取り付けていません) |
木甲板部はキットの特性上、艦橋基部のあたりで分割され、大きな段差が発生します。今回は新選組の木製甲板を使用するため、剥がれ防止のために段差をパテで埋め、平滑に整えました。また、画像には写っていませんが、航空作業甲板直下の短艇格納庫周りの舷側パーツにも大きな段差が出来るので、粗めのサンドペーパーを当て板に貼り、段差が完全になくなるまで厚みを落としました。 |
私は最近、縮尺を問わず、艦船模型の下地塗装には赤茶色のオキサイドレッドサーフェーサーを使用しています。実艦を建造する際に行なわれる錆止め処理を行う気分が味わえるほか、独特の発色が得られるので、とても気に入っています。まずは定石どおり、バリやヒケの処理を行い、全体にサフを吹きました。 |
木甲板部は、新選組の木製甲板を貼ることでほとんど隠れてしまいますが、外舷部と同じくオキサイドレッドサーフェーサーを全体に塗装しました。 |
続いて、舷側の鋼板継ぎ目の再現を行います。前回製作時には、舷側全体に継ぎ目を入れましたが、今回はバルジの部分は別体と考えて、この部分のみ先にマスキングを行いました。同時に船首もマスキングし、これから追加する継ぎ目とは独立させました。 |
まずは、横方向の継ぎ目の追加を行います。このようにマスキングを施し、サーフェーサーを厚塗りしてマスキングを剥がせば、サーフェーサーの厚みのぶんだけ段差ができます。この段差を、横方向の鋼板の継ぎ目(重なり)とみなします。 |
続いて、縦方向の継ぎ目を追加します。ケガキで再現する方法もありますが、今回は縦の継ぎ目も塗膜の段差で再現しました。鋼板の継き方も前回製作時は、ただ互い違いに継いだだけでしたが、今回は継ぎのパターンも変更しています。 |
縦方向の継ぎ目は奇数列、偶数列の二回に分けて行いました。上が一回目のマスキング、下が二回目です。撮影場所は、HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!では2006年以前によく登場していた懐かしのスポットです(笑) |
全てのマスキングをはがすと、このような段差が姿を表します。若干、厚みがつきすぎている部分がありますので、サンドペーパーなどで整えてから本塗装に移りました。 |
オキサイドレッドのサーフェーサーを吹き付けたあと、船底を中心にミスターカラーNo29艦底色を吹き付け、続いて船底をマスキングしてタミヤカラーTS66呉海軍工廠グレーを吹きます。写真は呉海軍工廠グレーを吹き付けた状態で、サーフェーサー同様、木甲板部もムラなく塗装を済ませました。 |
今回は、お客様のご希望で全体的に汚し塗装を追加するため、まずはエナメル塗料でウォッシングを行います。1/200の船体(全長1.3m)ともなると、模型用の筆では小さすぎて埒があかないので、今回はペンキ用の刷毛を使用しました。 |
舷側と船底の汚しは、それぞれ独立して行うため、舷側の汚しは船底をマスキングしたまま行いました。 |
船底部は若干明るいトーンでの汚しを入れました。様子見も兼ねて軽くサビ汚れも追加しましたが、これは暫定的なもので、最終的には錨などを取り付けたあとに改めて追加の処理を行う予定です。 |
続いて、新選組の木製甲板を貼り付けました。同社の木製甲板は非常に薄くて実感的ですので、大変オススメです。同社の意向もあり、裏側には糊は付いていないので、この点は製作側で処理する必要がありますが、そのぶん、接着剤の選択肢も広がるので、個人的には有難いと思っています。 |
船首の様子。撮影時にはかなり暗くなっていただめ、明度を上げた結果、少々大げさな汚れに写ってしまいました。実際はもう少し落ち着いているので、今後の画像でご確認いただけましたらと思います。 |
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