1/700スケール 戦艦 大和
モデルファクトリーヒロ製 ULTIMATE KIT製作記
↑キットはプラパーツは一切使用しないマルチマテリアルキットです。
|
このキットの最大のウリは、おそらく大和型戦艦のキットとしては以上はじめてとなる、内部構造再現です。 このような大規模な機関を持った機械モノの模型は、あまり一般の方には馴染みがないと思われますし、謎に満ちた大和の中身を覗いてみるというのは、大和ファンならずとも、興味のあるところだと思います。 話は少しそれますが、（付き合いの長い方は知っておられることですが）実は私の前職は、工場施設の構造模型がメインの建築模型製作でして、  こんな模型や・・・ |
 こんな模型をフルスクラッチで製作する仕事をしていました。 そのため、こうした機械ものの配管や図面の解読は得意でして（←今回の製作には図面解読は関係ありませんが【笑】）、仕事柄、巨大なボイラーなどは見慣れており、ある程度イメージが固まっていることもあって、キットとはいえ、久しぶりとなる構造模型の製作に、心躍る思いでいました。 しかし、現在稼働中の工場や船舶と違って、誰も見たことがない大和の内部ということで、最も悩むのは、内壁および、機械類の塗色です。 これに関しては明確な資料はもちろんありませんが、イメージという点で参考になるものがいくつかあったので、それらのイメージを総合して決めていくことができました。 |
 まず最初に、これは横浜で撮影してきた氷川丸の機関室です。主機がタービンとディーゼルという点、そして軍用艦と民間船という点では異なりますが、時代的には比較的似通った船と言えます。 内壁は白く塗られているのが特徴的ですね。 続いて、冊子にも大和の内部イメージを教えてくれるものがありました。 |
 双葉社スーパームック 超精密「3D CG」シリーズ 戦艦大和の全て 大和の内部構造について（おそらくは推測の部分が多いとは思われますが）詳しく紹介してくれているので、読むだけでも面白い本です。 そして、立体造形物としても、大和の内部構造を再現した大変面白いモデルが、過去には存在しました。 |
 タカラの連斬模型シリーズの1/700戦艦大和です。今回のMFH大和とは、切り方が異なり、またCGムックとは塗り分けが異なりますが、骨格やボイラーなどの部分ごとに丁寧に塗り分けられているので、塗装の際の参考になります。 これらの着色資料と、自身が持っている機械もののイメージ。このふたつを手がかりに、内部の色を決めて行くことにしました。 |
 内部の壁面は、一部がホワイトメタルパーツですが、ほとんどはこのようなステンレスのエッチング板を曲げてハメ合わせることで再現します。 |
 塗装は組み立ててからでは、内部の狭いところに色を回らせるのが難しいので、エッチング板から切り離す前に、一旦全面を明るいグレーで塗りつぶしました。 塗装順は、ガイアマルチプライマー、ガイアサーフェーサーエヴォグレー、Mrカラー灰色９号の順番です。 艦内は少しの灯りでも明るく見えるよう、白く塗られていたという証言と、戦艦長門の米軍接収時の写真を参考にしています。 |
 フレームは変化を出すために、バルジ周りの防水区画、注排水区画をオキサイドレッドで塗装しました。パーツは一旦切り取ってからマスキングする方が、効率的に塗り分けられます。 |
 艦内の区画を隔てる内壁は、エッチングパーツを折り曲げて再現します。ステンレスの分厚いエッチングですので、綺麗に曲げるにはある程度のコツが必要です。 強度の点では若干不利となりますが、うまく曲げられない時は、曲げ部分で一旦切り離して接着する方法も良いかもしれません。 |
 出来上がった隔壁内部に入れる機械類。これらはホワイトメタルで成形されています。 |
 ホワイトメタルパーツのパーツ点数はかなりのものですが、メタルパーツの袋詰めの分類は、結構大雑把ですので、パーツを洗浄する際に「対空兵装」「主砲関係」「副砲関係」「中央構造物」「内部パーツ」という具合に、より詳細な分類を行っておくと、製作の際に便利です。 |
 メタルパーツは塗装前に、ワイヤーブラシで軽く磨いておくと、表面がなめらかになります。左が磨く前、右が磨いた後です。右側は黒光りして、表面が若干なめらかになったのがわかります。 |
 メタルパーツを塗装して組み込み、最初のブロックが完成しました。 |
| next |
| 左側にメニューページが表示されない場合はここをクリック |
 ↑Android版のダウンロードはこちら↑ |
 ↑iOS版のダウンロードはこちら↑ |