1/20 ロータス25 コベントリークライマックス LOTUS25 COVENTRY CLIMAX






ロータス25 ジム・クラーク仕様

2010年3月、スーパーキッズランド日本橋のおいて、タミヤモデラーズコンテスト
が行われました。

同店舗で行わるコンテストおいては、毎年行われるスーパーキッズランドプラモ
デルコンテストにほぼ毎回(第三回を除いて)参加をつづけていて、1/350南極
観測船「宗谷」でハセガワ賞、1/700空母「蒼龍」でアオシマ賞などを受賞させて
いただいたのですが、タミヤのコンテストにはこれまで参加したことがなかった
ので、2010年には初めて参加してみようと思い立ち、製作キットを調べてみることになりました。

当初はいつもどおり艦船での参加を検討していたのですが、製作を予定していた
1/350航空巡洋艦「最上」はとても間に合いそうにないので、課題部門である
F-1のカーモデルで参加することになりました。

初めてのカーモデルでのコンテスト参加ということで、いろいろなキットの製作
を検討してみたのですが、マシン的にも面白く、またパーツ数も抑えめて比較的
作りやすそうだった、葉巻型のF-1、ロータス25コベントリークライマックスを
製作することに決まりました。

2010年のF-1世界選手権においては様々な新規参入チームが話題を集めましたが、
その中でも大きな話題となったのが、名門ティーム・ロータスの復活です。

カラーリングも今回製作のロータス25と同じ、グリーンにイエローのストライプ
という事がわかっておりましたので、時事ネタにも乗っかる感じで面白いので
はないかと思いました。


**実車について**

ロータス25は当時、スペースフレーム構造が主流だったF-1マシンの中にあって、
初めてのモノコック構造のシャシーを取り入れたマシンで、1962年にデビューしました。

デビューシーズンの62年には、当時新人ドライバーだったジム・クラークが、9戦
中6回のポールポジション、3度の優勝という結果を残し、翌年には7勝を挙げて
ティームロータス初のコンストラクターズチャンピオンを獲得しました。

ロータス25の成功を受けて、その後各F-1チームは次々とモノコックシャシーの
マシンを開発することになります。 

そして、現在においてもモノコック構造に替わるシャシー構造は採り入れられて
いないことから、ロータス25はレーシングカーの歴史において偉大な変革をも
たらした名車といえます。


**キットおよび製作について**

キットはタミヤのもので、パーツ数も少なめで比較的組みやすいものです。カウ
ルは着脱可能で、ロータス25のシンボルともいえるアルミモノコックが見られる
構造ですが、内部の表現は少々あっさりしているので、レストア車両の写真を
参考に、配管(ブレーキ関係)、配線(メーター関係、プラグ)ワイヤー
(アクセルワイヤー、スピードメーターケーブル等)をいくらか追加しました。



↑キットはこのように、カウルを外すことで内部構造が見られるという
仕組みになっています。ディティールはそのままではシンプルすぎると
いう印象を受けましたので、配線、配管類を追加しました。
(画像は追加前です)



↑ロータス25のエンジンはコベントリークライマックス製です。この
エンジンは純粋なレーシングエンジンのサプライヤーではなく、本来は
消化ポンプ用エンジンの製造メーカーで、軽量で高出力な利点が買われ、
ロータスに採用されることになりました。ファンネルはキットにメッキ
パーツが付属していますが、ゲートの位置の関係で綺麗に仕上げるのが
難しかったので、「さかつう」のアルミパーツに交換しました。
(ミッション本体はメタリックグレーか黒鉄色が正しいようです)


↑キット説明書の塗装指示はリザーバータンクがボディ同色指定となるなど、
かなり不正確ですので、レストア車輌の写真と一部推定を交えて塗り分けました。

ちなみに、画像二枚目にはカウルを置くスタンドが写ってますが、これは今回の
展示のためにプラ角棒で自作したものです。(タミヤのコンテストなので、タミヤ
製のプラ棒を使用しております(笑))


**総括**

オールドレーシングカーファンであるHIGH-GEARedにとって、タミヤのロータス25
コベントリークライマックスは、発売された直後から気になるキットでした。

葉巻型のF-1といえば、多くの方はホンダのマシンをイメージされる方が多いと
思われますが、今回はロータスのF-1復帰記念もあって、ロータスを製作すること
にしました。

この時代のマシンは当然のように現在のようなハイテク装備は一切なく、ロール
バーも低くシートベルトさえありません。

そのため、現在の感覚ですと、安全性に大きな問題があるマシンですが、それだけ
に当時は、「命がけで戦うドライバー→英雄」というイメージが強かった時代だ
と思われます。

マシンも非常にアナログな感覚で仕上げられており、アクセルワイヤーが
スロットルにワイヤーでつなげられている様子や、スピードメーターケーブルが
ミッションに伸びている様子など、普段自分がいじっているマイカーに近い
構造が多く、親近感を覚えました。

マシンの性能はもちろんですが、現在以上のドライバーの技量や度胸が試された
時代のレーシングカーはとても魅力的です。 

タミヤのF-1キットには、絶版キットも含めて、このような魅力的なレーシングカー
がたくさん揃っているので、また来年、再来年と、このようなキットが製作できれ
ばと思っております。





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