2007年8月13〜16日、東京〜横浜間 船と模型見学の真夏の旅



↑昨年初めて訪れ、すっかり虜になってしまった「太平洋の白鳥」日本丸の勇姿です。



第二日目 帆船日本丸、横浜マリタイムミュージアム再訪問




翌朝、「ハイケンスのセレナーデ」の目覚ましオルゴール放送で目を覚ましました。
これまででの旅では、早めに目が覚める事が多かったのですが、今回は大船着前の
放送での目覚めとなりました。今回の車掌さんは親切にもオルゴールを2回放送して
くださいました。



横浜には6時18分に到着しました。ここに来るのは昨年、一昨年に引き続いて3度目
とあって、この駅の雰囲気にはもうすっかり慣れました。(橋梁の上にある関係で、
列車の走行音がかなりウルサイところです)



寝台急行銀河の発車です。写真には映っていませんが、熱心な鉄道ファンが一眼レフ
を手に我先にと写真を撮影している姿が印象的でした。夜行列車の行くところ、彼ら
の姿が途切れることはありません。(笑) 銀河には、いつまでも愛される列車でいて
もらいたいです。



横浜駅の構内。早朝とあって、まだひっそりとしています。



横浜駅で時間をつぶしていても仕方ないので、京浜東北線ですぐに桜木町へ向かうこ
とにしました。 乗車したのはこの通勤電車です。



桜木町に到着。昨年の旅ではじめてここを訪れた時を思い出しながら駅名看板を見て
いました。



ん???なんか、見覚えのあるショットです。(笑) デジャヴかと思ったのですが、昨
年の旅行記と全く同じ展開です。昨年も電車を降りた直後にEH200牽引のタンク列車が
通過していきました。狙ったワケではないのですが、どうやら昨年と同じ時間の電車に
乗っていた模様です。



桜木町の改札を一歩抜けると、そこにはランドマークタワーを含む、テレビや雑誌など
で見慣れた光景が展開されています。



朝食は昨年の同じく駅前のベックスコーヒーショップで頂きました。7時開店と書かれて
いたのですが、実際には6時40分くらいから開店していました。夜行列車利用の旅人には
ありがたい配慮です。



頼んだのはモーニングプレート。あとから確認したところ、昨年の旅の時と同
じメニューのようでした。(笑)



ようやく桜木町まで来たのですが、やはりまずは日本丸を見ておかねばなりません。開館
まではまだ時間があるのですが、船外からの見学は可能ですので動く歩道に飛び乗って
日本丸パークへ向かいました。



船尾からの眺めも優雅ですね。昨年は大荒れの天候でしたが、今年は比較的落ち着いた
気候です。写真では曇っているように見えるのですが、実際には日差しが強く、この日
の最高気温は35度程度まで上昇しました。



日本丸に隣接した横浜マリタイムミュージアムの屋上展望台(?)から日本丸の船首
を見た様子。構造物が重なりあった機能美は、船の魅力のひとつです。



煙突の様子。模型に塗る色は、南極観測船宗谷と同じアラートオレンジでよさそうです。



帆走時に使用される後部航海船橋と救命艇の様子。



機走時に使用される前部航海船橋はクラシカルなデザインをしています。 日本丸を
扱った書籍によると、日本丸は太平洋戦争中は帆走を外して外舷が黒色に塗られて
いたということですが、当時の写真はいまだ未確認です。帆走を外して黒色に塗られた
日本丸はいったいどんな姿をしていたのでしょう?興味深いです。



ひととおり日本丸の船外見学を終えた後は、ランドマークタワーのコインロッカーに荷
物を預け、近くを散策して周りました。ここはドックヤードガーデンです。商船用石造
りドックとしては、もっとも古い「旧横浜船渠第2号ドック」を利用した飲食店街で、
横浜の船と港との関わりを現在まで伝えてくれる施設です。



石造りの階段に歴史の重みを感じることができます。1995年には国の重要文化財に指定さ
れました。



海側の壁は商船の舷側をイメージしたデザインに作られています。鋼板をリベット張り
するあたりにこだわりを感じます。



この街のあちこちには、海と船へのこだわりが見える逸品がゴロゴロしています。これは
ドッグヤードガーデンの脇にあったキャプスタンです。



日本丸メモリアルパーク内の横浜マリタイムミュージアムに繋がっていると見られる吸
気塔は船舶用のキセル型通風筒を意識したデザインに見えます。裏側のメンテナンスハッ
チには水密扉が使用されていました。



公園内に展示されていたストックアンカー。



ドッグの排水ポンプもありました。



日本丸メモリアルパークでは、この日サマーナイトなるイベントが行われていました。
この日の目玉はシルバニアファミリーとの握手会だそうです。(HIGH-GEARedには縁が
ありませんね)



開園まではまだ時間があります。住宅展示場を見ていても仕方ないので(爆)、再び
近場の散策に移りました。(笑)



とりあえず、むかうは昨年訪れた氷川丸が繋留されている山下公園です。昨年、桜木町
駅前の観光案内の人に「日本丸から氷川丸まで徒歩で行けるか?」とたずねたところ、
「やめといた方がいい」的なことを言われたのですが、脚に自身のあるHIGH-GEARedは
今回、あえて徒歩で挑戦してみました。



これは道中通り過ぎた横浜赤レンガ倉庫です。歴史的価値の高いレンガ作りの倉庫を改修
し、現在はショッピングセンターとして利用され、観光客の人気を集める施設です。



赤レンガ倉庫を抜けると、そこはまた観光スポットとしても大変有名な横浜大桟橋です。
昨年は、ここに停泊する海上自衛隊の大型輸送艦「しもきた」を山下公園から見ることが
できましたが、今年もなにやら巨大な船が停泊していました。

なんと、日本を代表する外洋クルーズ客船の「飛鳥U」です!1990年、バハマ船籍の「クリスタ
ル・ハーモニー」として登場、2006年に三菱重工業横浜製作所にて改装工事を受け、飛鳥U
として完成しました。 

当日は飛鳥Uが入港しているとは知らず、思いがけない遭遇となりました。昨年といい、今
年といい、大桟橋はHIGH-GEARedにサプライズを与えてくれます。(笑)



現在の日本を代表する客船の飛鳥Uから山下公園に目をやると、そこには戦前、戦後を代表
した客船氷川丸が繋留されている様子が見えました。 昨年の訪問直後に休館となり、現在
では2008年の公開に向けて、修復作業を待っている状況です。



昨年、この氷川丸訪問をきっかけとしてHIGH-GEARedの中では客船ブームが起こりました。(笑)
1/700氷川丸の製作も、横浜旅行がきっかけです。一時は廃船の危機を経験しましたが、日本
郵船が責任を持って修復し、再公開するとのこと、同船を愛する者として、胸を撫で下ろ
しました。



船尾には、再公開に向けた準備が進められていることを示す横断幕が掲示されていました。
しかし公開されていた頃と比べるとメンテナンスが行き届いていない様子で、舷側の水垢
と色あせはかなり激しくなっていました。早く元通りの美しい姿に直ってほしいものです。



船橋のズームショット。昨年、あの階段を上った自分の姿を重ねて見ています。再び、あの
船橋に上がる時が楽しみで仕方ありません。



氷川丸売店のボードウォークショップは閉鎖されていますが、建物と看板は残っていました。
ひょっとしたらここも営業再開されるのかもしれませんね。



日本丸の開館時間が近づいたので、山下公園から日本丸メモリアルパークに引き返しました。
距離的には徒歩30分、往復1時間程度です。田舎育ちのHIGH-GEARedは1時間程度の徒歩では
ビクともしません。(爆)



復路で発見した巨大なストックレスアンカー。ホテルの玄関に置かれていました。



ここは汽車道というところだったと思います。埠頭の物資輸送に使われた臨港鉄道の遺構
で、横浜で博覧会が開催された際には、実際に汽車を走らせたりしたこともあったそうです。



日本丸メモリアルパークに到着し、チケットを購入していよいよ日本丸に乗船します。
昨年は時間の制約上、ゆっくり見学することができなかったので、今回の再訪問はまさ
に待ち焦がれたものでした。



乗船口から船尾側を見た様子。チーク張りのデッキに立つと、艦船ファンのテンションは
右肩上がりに上昇していきます。(笑)



順路の最初は前部航海船橋。このクラシカルな船橋構造は結構好きです。日本丸といえば、
帆装の華麗さに目が行ってしまいがちですが、HIGH-GEARedは日本丸の構造物の雰囲気も
いたく気に入っています。



前部航海船橋の内部。操舵手から見た室内の様子。今回はカメラに広角レンズを取り付
けているので、こうした室内の撮影の際に視野が広がって見やすくなりました。



前部航海船橋背面の様子。ここには海図室があります。昨年の訪問時には入室できたの
ですが、今年はロープが張られていました。



前部航海船橋側壁ディティール。いいですね〜。船に乗っていると実感させられる雰囲
気です。



前部航海船橋の天井。むき出しの配線と伝声管がクラシカルでステキです。



前部航海船橋から降りて船首楼甲板から前部航海船橋を眺めた様子です。



船首楼甲板には、甲板の掃除用具が展示されていました。モップのほかに、このような
ヤシの実も使われるそうです。



ここは前部航海船橋の真下にあたる凹甲板です。ウェルデッキより一段下で船首側は開放
されていますが、中央部はこのように窓のない吹きさらしの甲板になっています。



お!いいものを見つけました。甲板に使われているチーク材のサンプルです。これはホー
ムセンターの材木売り場等で御馴染みの比較的新しい状態のチーク材。



それが55年間風雨にさらされ、毎日行われる乗組員による磨きこみが行われると、この
ような風合いになります。甲板材として使用されたチーク材がどのような質感になるの
か?興味を持っている艦船モデラーにとっては非常にありたがい資料という気がします。
このチーク材は思ったよりも濃い色合いで、「漂白されて白っぽかった」と言われる日本
海軍艦艇のイメージとは少々異なります。 本来はこのようにグレーがかったブラウン
なのか?それとも磨きこまれたチーク材が、再び風雨にさらされる凹甲板におかれてい
るため、再び変色してしまったのかまでは分かりません。



凹甲板には船内に下りる階段があり、ここから第二甲板に下りることができます。ここ
には主に実習生の居室が並んでいます。中央に見える太い柱は日本丸の帆走マストで、
船底まで続いています。



こうした狭いところの撮影は広角レンズの本領発揮です。昨年のレポートと比較すると
視野が広がって、全体のイメージを掴みやすくなりました。



実習生の居室。2段ベッドが並べられています。奥の舷側側のベッドが少し低くなって
いるのは、デッキの断面形状が舷側に向かうにつれて低くなるというシアーラインの
影響があるためです。 下段のベッドには「実際に寝てみて寝心地を試してください」
と書かれていましたが、さすがにひとりでベッドに寝転がる勇気はありません。誰か
一緒にやってくれる人がいてくれないと恥ずかしいです。(笑)



舷窓の様子。蓋とガラスの二重構造です。最近、舷窓型のインテリアミラーというもの
を見つけて、つい欲しくなってしまいました。(笑)



天井にはクーラーからの水滴落下を防ぐ工夫が・・・。(爆)



日本丸の機関室。日本丸建造時にはまだ珍しかったディーゼル機関が採用されていま
す。昨年のレポートにも記載しましたが、稼動年数世界一(54年2月20日4時間07分)
の船舶用ディーゼルエンジンだそうです。



展示室には日本丸が受賞した数々の賞状およびトロフィーが展示されていました。



ここでは前回、日本丸の「総帆展帆(そうはんてんぱん)」のビデオ映像が放映され
ていましたが、今回は日本丸の現役時代の実習航海の映像が放映されていました。



風をいっぱいに受けて帆走する日本丸。順風満帆という言葉そのままの情景です。



荒天時の調理室内を撮影した写真パネル。立っていることすら難しい状況の中、大勢
いる乗組員の食事を用意するのにはさぞ苦労されたことでしょう。



これがその調理室の様子です。



巨大な釜です。米は大きい釜で炊けば対流が活発になって美味しいご飯になるそうで
すね。船の飯が上手いと言われる理由はそこにあるのかもしれません。(僕は食べた
ことがないので本当に美味しいかどうかは知りません)



日本丸の廊下は比較的広めですが、機関室が真ん中にある中央部から後部よりの部分
は人ひとりが通るのがやっという狭さでした。



ドッグ内で船底をさらす日本丸。日本丸の模型を本格的に作る人でしたら、このような
船底の写真も大きな資料になることでしょう。(HIGH-GEARedはそこまではやりません。笑)



これは日本丸での実習生活を記録したイラストです。上甲板中央部の第一教室に展示され
ていました。



ここからは主に士官が使用する区画になります。


船尾に近い士官サロンは木張りの壁と赤絨毯でゴージャスに飾り付けられています。



再びデッキに出ました。前部航海船橋を含め、ここは長船尾楼甲板と呼ばれるそうです。
たしかに全通甲板ではないのですが、船首方向まで伸びているので「船尾楼」と呼ぶに
はなんだか違和感があります。(笑)



日本丸の操舵輪。操舵手が高波にさらわれないよう、覆いが取り付けられています。
日本丸の最大舵角は35度で、この舵輪を一周回すごとに1度ずつ舵角をつける仕組みに
なっています。



操舵手の視線で船首方向を眺めた様子。前方の様子は分かりづらいですが、帆の様子は
よく分かります。



操舵輪より少し前方には後部航海船橋があります。帆走時に使用される指揮所で、コン
パスなどの航海船具が設置されています。



煙突とキセル型通風筒の様子。ディーゼル機関を採り入れていたこともあって、戦前に
建造された船としては細身の煙突です。手入れがよく行き届いているようで、まるで新
品のような輝きを放っています。



煙突基部の様子。オレンジとホワイトの塗り分けが模型製作の参考になります。



今回はおよそ2時間半ほど見学することができ、お腹いっぱいになりました。(笑)一度
の見学では、たいていあとになって「あそこはどうなっていたんだろう?」という部分
が出てくるので、再訪問はやはり重要であると実感させられました。 



今回の見学の経験を生かして、1/350日本丸製作を頑張りたいと思います。(実際は製
作資料というより、製作にむけたモチベーションを得るのが訪問の目的のメインです)



日本丸下船のあとは、隣接する横浜マリタイムミュージアムの見学です。昨年も記載しま
したが、この博物館は撮影禁止とあって、残念ながら今回も展示品の画像はありません。

この博物館収蔵の船舶模型は本当にレベルの高いものばかりで、作りの丁寧さだけを見る
なら、「船の科学館」と同レベルか、ひょっとしたら少し上かもしれません。

中でも、「グレートイースタン」および「ウエスタン」に代表される汽帆船、そして戦前
戦後の豪華客船、「氷川丸」「秩父丸」「ぶえのすあいれす丸」「あるぜんちな丸」
「照國丸」「に志き丸」「橘丸」の模型の完成度は秀逸で、撮影が禁止されているのが
個人的には非常にもったいなくて仕方ありません。 

他にも港湾ジオラマや、コンテナの運搬を解説した動く模型もたくさんあり、模型好きの
人間にはたまらない場所です。 まだ訪れていない船舶模型ファンの方がおられましたら、
ぜひ訪れてみることをオススメします。

なお、この日はテレビの取材もあったようで、タレントと思しき女性とカメラスタッフが
なんやかんやと大声で騒ぎつつ館内をうろうろして(邪魔して)いました。




また、この日は水産総合研究センターによる調査船の模型と魚類はく製展示会があり、
漁船の模型がいくつか展示されていました。 このコーナーに関しては、撮影禁止場所
ではなかったので、カメラを回しました。今回この場所での唯一の収穫です。



海運会社の社長室あたりに展示されていそうな、見事な模型です。



今回の旅では、日本丸と横浜マリタイムミュージアムを合わせて4時間程度を過ごしまし
た。 氷川丸との連続観覧となった昨年よりも比較的ゆっくりと見て周ることができ、
満足の行く見学となりました。



日本丸・横浜マリタイムミュージアム公式サイトへは、ここをクリック(別ウインドウで表示します)




ここで、今回横浜マリタイムミュージアムで購入したお土産品の紹介です。今回は絵葉
書が中心ですが、右下に見えるマグネットも購入しました。昨年の旅にて、船の科学館
で購入した帆船マグネットと同じシリーズの商品のようです。



それと、帆船日本丸の一般配置図も購入しました。額に入れて、ポスター感覚で楽しみ
たい逸品です。



日本丸と横浜マリタイムミュージアムの見学が終わると、いよいよ腹ごしらえです。
前回横浜に来たときは、「ラーメン博物館」や「カレーミュージアム」訪問といっ
たグルメネタも多数用意してあったのですが、今回はそこまで旅程を練る余裕がな
かったので、行く先々で目に付いたものを食べる方針になりました。 今回目に付
いたのはランドマークタワー内にある「ウェンディーズハンバーガー」です。 
HIGH-GEARedの地元ではお目にかかれないバーガーショップということで、少々興味
を持ちました。



メニューも良く分からず、とりあえず「ビッグトリプル」という巨大なバーガーをメインに
したセットを注文したところ、こんなに物凄いバーガーが来ました。(爆) マク●ナルド
でいうところのメガ●ックのような位置づけでしょうか?



ビッグトリプルのアップ画像。袋を開ける時点で崩壊してしまい、既に原型がありません。
(笑)肉の味はマク●と比較して歯ごたえがあり、メガ●ックなんかより断然食べ応えがあ
り、美味しかったです。あとでネット情報を調査してみたところ、両方のバーガーを食べ
た経験のある方全員がビッグトリプルを推していました。 たしかに、HIGH-GEARedも
同感です。 なかなか目にすることのないお店ですが、また機会があればこのメニューに
挑戦してみたいですね。


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