HASEGAWA 1/24エスポラルース ローラLC90 ランボルギーニ






ハセガワ エスポラルース ローラLC90 1990年日本グランプリ

この作品は2015年の春に行われた、『奈良模型愛好会 第六回春展』に向けて製作したものです。

キットはハセガワのもので、当サイトではお馴染みの1/24スケールのF-1モデルです。絶版となって随分期間が経った古いキットですが、劣化したデカールはシュンコーモデルの製品で補填し、シートベルトを取り付けるなどして『素組み+アルファ』の使用で完成させました





独特のカラーリングは、塗装順をじっくり考えつつ、下地から一色一色丁寧に塗り重ねました。

塗装順は、@黒サーフェーサーで透け止めを施し→A裏表全面にカーボンブラックマットを塗装→B裏側をマスキングしてグレーサーフェーサーで発色を上げ→C続いて白サーフェーサーで白下地に持っていき→Dイエローの下地となるファンデーションクリームを吹き(ここから全てフィニッシャーズカラー)→Eピュアイエローを重ね→Fイエロー部とグリーン部をマスキングして→G赤の下地にファンデーションピンクを吹き→Hピュアレッドを重ね→Iレッド部分をマスキングし→Jスーパーディープブルーとピュアブルーを混色して作ったブルーを吹き→K全てのマスキングを剥がし→Lグリーン部分のみをマスキングしてブリリアントグリーンを吹き→Mオートクリアーで仕上げる、という順番になります。 一色塗り重ねるごとに3日ほどの乾燥期間を設けているので、最後まで塗り終わるのには本当に時間がかかりました。



後部からの様子。前回製作のF-1マシン、ベネトンB190フォード(http://nabeck.web.fc2.com/bene.htm)のときはカーボンフィニッシュを各部に貼り付けるなどのディティールアップを施しましたが、今回はシートベルトを追加した以外は完全に素組みで仕上げました。



ランボルギーニV12エンジンもキットのままです。このエンジンは実車写真を見ても、ヘッドカバーとエンジンブロック&ミッション共にみな黒塗りとなっていて、見た目は思ったより地味な雰囲気がありました。本当はEXマニホールドも赤茶けたグレーですが、模型映えを考えて『ステンレス色+焼け表現』で仕上げました。



ローラのフォーミュラカーといえば、1989年からF-3000用シャシーのT-89/50(http://nabeck.web.fc2.com/nakaya.htm)にてハイノーズをいちはやく採り入れており、90年開発のLC90も、フロントウイングのマウント位置を若干上げた設計になっています。(写真では少しわかりにくいですね) なお、このときラルースチームにシャシーを提供していたローラ社はその後、チームの破産によってシャシーの代金を回収することができず、93年からは提供先をスクーデリア・イタリアに変更しました。 ラルースチームはランボルギーニ社へのエンジン使用料の支払いも滞っていたと言いますし、(90年は最も結果を出したシーズンだったとはいえ)チームの体制はこの時には既に破綻していたのかもしれません。



1990年のF-1日本グランプリを盛り上げた3台が1/24で揃いました。1990年は1/24F-1キットにとっては比較的豊作な年ですので、ある程度の数が揃っていくことに楽しみを感じています。1/24で90年式のF-1マシンは、残すところフェラーリ641/2(WAVEまたはプロター)だけですので、こちらも機会を見つけてぜひ製作したいと思います。


**総括**


『エスポラルース・ローラ』と聞くと非常に長い名前ですが、『エスポ』は鈴木亜久里選手をバックアップしていたメインスポンサー、『ラルース』はフランスのコンストラクター、『ローラ』がシャシー開発と製作を担当したサプライヤーで、ランボルギーニも含めると4つの団体が協力し合って走らせていた車ということになります。

この車が活躍していた当時、私はまだ中学一年生でそのような複雑なチーム事情は知る由もありませんでしたが、日本人ドライバーが初めて表彰台を獲得したことは大変印象的で、思い出深い一台です。(ちなみに私は亜久里派というよりは中嶋派なので、製作順としては後回しになってしまいましたが、F-1華やかなりし時代なカラフルなマシンを完成させることができて、大変満足です)

F-1モデルは現在では1/20が市場のメインとなり、1/24は比較的マイナーですが、作りたい車はまだまだあるのでこれからも製作を楽しんで行きたいです。




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