1/700スケール 高速戦艦 霧島
HASEGAWA製インジェクションキット













ハセガワ 1/700

今回は前回の高速戦艦榛名のアップの後、ほぼ連続アップとなる金剛型高速戦艦
の霧島の作例を紹介します。 

HIGH-GEARed HOBBY WORKS!!の模型ギャラリーにおいては、これまで金剛
型戦艦は幾度となく登場して参りましたが、90年代の素組の作例も含め、実は霧島
は初登場になります。

先日アップした旅行記において、全真鍮製の霧島の精密模型の話題で盛り上がった
ばかりですが、今回の霧島製作は以前から決まっていたもので、旅の影響とは関係
はありません。(それだけに、縁があったと言えそうです)

今回の霧島製作では、手摺や空中線の追加などの基本的なディティールアップの
他、榛名の製作の際にやり残した錨鎖導板の自作をはじめとして、波除板、副砲
撤去跡を再現するなど、考証に基づいた調整を行い、窓枠をエッチングパーツ化、
走航波を再現したベースをセットしました。



↑霧島全景。船体の全長は約31、5cm、台座の長さは37cm程度のものです。

今回霧島に行った、主なディティールアップおよび調整箇所は以下の通りです。

ゴールドメダルエッチングパーツ使用(手摺、ラッタル、射撃指揮所ヤグラ等)
ハセガワエッチングパーツ使用(カタパルト)
艦橋窓枠エッチング化(ジョーワールドパーツ)
副砲撤去跡閉塞(プラ板)
主砲身を真鍮砲身に採用(クリッパーモデル)
主砲塔防水キャンバスををメタルパーツにて追加(クリッパーモデル)
波避板自作(プラ板)
錨鎖導板自作(プラ板)
機銃パーツ交換(ピットロードパーツ使用)
艦載機WLリニューアルパーツ化(零観1機、水偵2機)
錨鎖精密チェーン化(フラグシップ超精密チェーン)
空中線再現(テグス)

それぞれのディティールアップについては、この後詳細に紹介して参ります。

まずは実艦の解説になります。


***高速戦艦 霧島 実艦について***

戦艦霧島は金剛型巡洋戦艦の4番艦として、1912年3月17日、三菱長崎造船所
で起工され、1915年4月19日に竣工し、佐世保鎮守府に配属されました。

九州配属の為、建造当初の艦名は榛名でしたが、その後、一日早く神戸で起工
された霧島と名前を入れ替えることになりました。 太平洋戦争開戦前、金剛型
4隻は巡洋艦、駆逐艦を支援する為、第二次近代化改装を受け、30ノットの高速
力と各武装も強化された高速戦艦に生まれ変わりました。

霧島はハワイ作戦に参加、その後ラバウル方面攻略戦、ジャワ南方機動作戦、
ミッドウェー海戦など、各作戦に参加。 1942年11月14日、第三次ソロモン海戦
で、ガダルカナル島に向かい、夜間、米戦艦サウスダコタ、ワシントンと交戦、
舵機装置を損傷、火災を起こして沈没し、その生涯を閉じました。


***キット、組み立て、ディティールアップについて***

キットはフジミがWLシリーズを脱退した後にハセガワによってリニューアルされ
たもので、主砲塔のナックルの有無や、他の金剛型戦艦との相違をある程度
再現したものです。 また、船体パーツを共有した他の金剛型キットで指摘さ
れている航空作業甲板のレイアウトの違いにつきましては、霧島のレイアウトを
参考に設計されていることもあり、霧島に使用するにあたっては比較的、忠実
に作られています。

今回はこのハセガワ製キットを使用し、手摺や空中線の追加などの基本ディ
ティールアップを行ったほか、キットで省略されている各部のパーツ自作などを
行い、更に実艦の考証に近づけるための各部修正を行いました。


***船体***

ハセガワの霧島キットは、艦種的にも年代的にも船体の修正点はあまりありま
せんが、最も船首よりの副砲の取り付け部の閉塞、省略されている錨鎖導板、
第一主砲塔バーベット側面にあったと思われる波除板などを、プラバン自作
して追加しました。


↑錨鎖導板、波除板、副砲撤去跡などはプラバンによる自作です。錨鎖は
精密チェーンを使用し、主砲身にはクリッパーモデルの真鍮砲身を使用、
ホワイトメタル製の防水キャンバスを追加しました。


***主砲および対空兵装***

主砲身は上記のとおり、クリッパーモデルの真鍮砲身を使用しています。

↑もちろん砲口も開口され、プラパーツより遥かに高い精度で仕上げられています。


↑真鍮砲身およびメタルキャンバス製作中の未塗装画像です。

また、ハセガワの金剛型戦艦キットには、対空兵装の高角砲および機銃が専用
で用意されていますが、機銃のパーツは比較的おおぶりなため、ピットロードの
ディティールアップパーツに交換しました。

この機銃は、銃身と銃座に分かれた2個のパーツを組み立てるもので、キットパ
ーツと比較してより立体感に優れています。


***艦橋等の中央構造物***

艦橋は窓枠のプラモールドを切削し、全てジョーワールドの窓枠エッチングパ
ーツに交換しました。 内部に空間があり、メリハリのある仕上げです。


↑艦橋のクローズアップ。窓枠をエッチング化するディティール
アップを行いました。

艦橋の各層は床面にリノリウムに模した塗装を施し、夜戦艦橋天蓋に手摺を
追加しました。

艦橋と第一煙突の中間部分外側にある機銃射撃指揮所のヤグラはゴールドメ
ダルの日本海軍戦艦用エッチングパーツに交換し、精密化しました。


↑船体中央部のクローズアップ。空中線の様子も。

また、航空作業甲板上の艦載機は、キットに付属のものは使用せず、WLリニュ
ーアルパーツに交換しました。 

キットには水偵しか付属しておりませんが、零観1機、水偵2機の、合計3機配置
してあります。もちろん、プロペラはエッチングパーツにて再現済みです。

 なお、カタパルトはハセガワ製のエッチングパーツに交換しました。


↑航空作業甲板と艦載機の様子。なお、艦載機のマーキングは全て
塗装再現です。



***塗装について***

船体および甲板、また艤装のほとんどの塗装はエアブラシによって行いました。

艦橋の床面や防水キャンバス、短艇などの一部の色刺しは筆塗りによるものです

全てのパーツには1200番のサフによる下地を作り、滑らかに仕上げました。

船体色はGSIクレオスMrカラーの軍艦色2、船底は艦底色、甲板の塗装は
自家調合の甲板色(タン、ウッドブラウン、黄橙色等を調合)を吹き付けてあります。


↑霧島前方よりの全景。


***空中線***

空中線は、フラグシップの超極細テグスを着色して使用し、取り付けました。

要所要所にガイシを模した塗装を施してあります。



***展示台およびケース***

ケースはWLシリーズ収納用品の定番でもあるWAVEのT-CASE WM(幅360
×奥行90×高さ100ミリ)を使用しました。

同ケースの台座にタミヤから限定発売されたウェーブボードをクリアーブルー
に塗装したものを貼り(ネジ固定ですので取り外すことも可能です)、走航波を
自作しました。

波再現はエマルジョン系のメディウムで行い、波頭の塗装にはリキテックスを
使用しています。


ケースに収めた様子。



銘板はキットに付属のものにデカールを貼りつけたものです。品質の高いWL用
艦名デカールを市販すれば売れるのではないか?と考えているのですが、いか
がでしょう?(自作するしかないかな?)




***総括***

こうして、HIGH-GEARed HOBBY WORKS!!に ようやく金剛型高速戦艦が全艦
揃いました。 これで、残るWW2日本戦艦はディティールアップ版の陸奥のみです。

けしてWW2日本戦艦をフルコンプすることのみを目的に製作を続けているわけで
はないのですが、ここまできたら全艦そろえておきたいという気持ちは正直あります。

更に欲を言えば、将来的には日本海海戦時の主力艦隊も全てそろえてみたいと
考えています。

話がそれましたが、その他のハセガワの金剛型キットと同じく、今回の霧島も非常に
組みやすいキットという印象で、気持ちよく製作を進めることができました。 艦橋の
形状においては、榛名とは防空指揮所の形状のみの違いとあって、同艦での製作
経験も、霧島で生かすことができました。

ハセガワの金剛型戦艦キットの難点としては、主砲身基部の防水キャンバスが再現
されていないことですが、その問題はクリッパーの砲身のホワイトメタル製のキャンバ
スが付属しているものを使用すれば、自作できなくても簡単に解決できるので、砲身
の精密化と共に大変役立つディティールアップとなりえると思います。







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