戦艦 大和
タミヤ 1/350 徹底ディティールアップ決定版






↑いよいよ最終仕上げ。これまでの努力が報われる瞬間が近づきます。



その他の艤装と修正点

1/350戦艦大和徹底ディティールアップ決定版の製作も、いよいよこれが最終局面です。

その他の艤装と一口に言っても、作業量と作業の種類は膨大なため、二回に分けてアップした方が良い様な
気もしたのですが、今回の頁で一気に紹介していきます。 全てをカバーしきれているわけではありませんが、
ひとつひとつの作業を、できるだけ詳しくご紹介します。



↑まずは船尾の増設機銃座です。この部分に該当するパーツは、ライオンロア製のもののみで、キット
発売の時点では発見されていない部位だったこともあり、純正パーツも存在しません。これまでは基本
的にプラバン自作が求められた部分ですが、ライオンロアのパーツ登場により、大和ミュージアム1/10
戦艦大和と同様の後部四角形状の機銃座が再現可能になりました。写真は、機銃座本体と脚のパー
ツを並べたものです。脚はプラ角材でも良いかもしれません。(説明書では、脚の取り付け角度が45
度間違って記載されているため、注意が必要です)



↑箱型に組み、手摺を取り付けた船尾機銃座。このパーツは上記のように、大和ミュージアム1/10
戦艦大和を参考に作られたもののようで、これは深海調査を基にした考証の形状ですが、実はこの
形状には早くも疑問点が浮かび上がっており、海底探査の映像は光の当て方の問題で生まれた
錯覚であって、実際は不等辺八角形であったと言われています。

ちなみに、ピットロードの1/700用パーツなどでは、船尾の機銃座は八角形で作られていましたが、
大和ミュージアム1/10戦艦大和が登場した後に設計された連斬模型大和リニューアル版では、後方
四角形状に形状が変更されていました。なお、実艦の大和では、天一号作戦時には、この機銃座
周囲に弾片避けとして、キャンバスで包んだ柔道畳が張り付けられていたそうです。



↑機銃座のターンテーブルはプラバンを革細工用抜き打ちポンチ
で直径5ミリのものを自作しました。 ライオンロアの機銃は精密すぎ
てターンテーブルがはっきり見えてしまうので、純正機銃の取り付け
穴を埋めて隠すという目的もあります。



↑甲板上の床面なしの角型増設機銃ブルワークは、床面付機銃座
を自作した時に使用した、八角形テンプレートを使って量産しました。
材料はライオンロア製丸型機銃座パーツのブルワークです。



↑これらのパーツを甲板上に接着した様子。床面なしのブルワークにも、内側に三角
補強板を貼り付けました。右側に見えるシールド付き機銃座に取り付けられたラッタ
ルは、「男たちの大和」ロケセットの影響によるものです。



↑後部の機銃座も同様に仕上げます。主砲上の増設機銃座を含む全てのシールドなし機銃座に、ポンチ
で打ち出したターンテーブルを貼り付けていきました。



↑そして、機銃を取り付けます。これまで頑張ってきた苦労が報われる瞬間という気がします。



↑第一、第二主砲塔の中間部分に取り付けられていたと思われる単装機銃ブルワークには、土嚢による応急
ブルワークを再現するのですが、この再現にあたり、丁度良いパーツがリリースされたので早速使用してみるこ
とにしました。これは、モデルアート社の企画で発売された大和用のレジンパーツセットで、主砲塔の内部構造
を一部再現した内部パーツと、応急ブルワークとして使用されていたと思われる土嚢がセットされたものです。



↑これがパーツセットの内部。土嚢が二種類と砲塔内部のパーツが1基分
入っています。土嚢は、比較的丁寧に積まれたものと、乱雑に積まれたも
のが選択できます。また、土嚢本体の形状も「いかにも土嚢」という平べった
いものと、「ハンモックのような」筒状のものとで区別されています。



↑主砲内部パーツは、このようにキットのパーツを切り欠いて使用するもの
です。今回は使用は見送りましたが、なかなか遊び心のある面白いパーツ
と思いますので、いつか何らかのカタチで活用したいと考えています。

ちなみに、このパーツの原型製作は、HIGH-GEARedのようなプラモ改造
艦船モデラーで、その名を知らない人はいない、高橋ヤスヒコ(高橋泰彦)
先生の手によるものです。



↑今回は、「丁寧に積み上げられた土嚢」形状のものを使用しました。単装機銃本体は、
三連装機銃とディティールを合わせる目的で、ライオンロア製のものを使用しています。
次は波除板の手前に写っている、ロープが均等に巻かれたリール類について説明させ
て頂きます。



↑リールのエッチングパーツは、エデュアルド、ライオンロア、ホワイトエンサインの
パーツに含まれますが、今回は床面が鉄板ベースになっているホワイトエンサイン
製を使用しました。これを使用することで、キットでは2種類の大きさしか区別でき
ないところを、4種類の大きさに分類することが可能です。



↑リールの軸は、本来真鍮線またはプラ棒などを使用して再現するのが順当な方法なのですが、
今回はキャラクターモデル用の精密スプリングを使用してみました。WAVEのA-SPRINGという製品
です。



↑アップにしてみると、このような密巻きタイプになっていて、リールに
ロープが巻かれている状況に良く似ています。リールの再現として、本
物の糸を巻くとケバになりやすく(ケバがあるのもリアルとも言えますが、
今回は清潔感を重視しているため)、また均等に巻くのも難しい作業に
なりますですから、今回は より丁寧に見える密巻きスプリングの使用
を選択しました。



↑リールに合わせた長さに切ったスプリングは、このように爪楊枝にはめ込んで塗装すれば、
取り付け後に塗りわけるよりもシャープに仕上げることが可能です。



↑完成したリール類。一見、丁寧にロープが巻きつけてあるように見えます。内部の空間が気に
なる方は、先にプラ棒材か真鍮線を中心部に入れてからスプリングを重ねれば、より完璧に近い
仕上がりになることでしょう。



↑波除板後部の通風筒の様子。これも、実艦の主砲のブラスト対策から生まれたものだそうです。このような細
かい通風筒は、最上甲板の各部にあるので、それぞれエッチングパーツを貼りつけてメッシュ部分を再現して
いきます。



↑号令台の様子。右側に貼り付けた ポンチで抜き出した丸いプラバンは、艦長訓示の際な
どに使用される、拡声器と思われるものを再現したものです。このように、アップの画像を掲載
すると、塗り分けの甘い部分が見つかるもので、この号令台もあとから木甲板との塗りわけ面を
修正しました。



↑航空作業甲板にも同様の通風筒がありますので、これらもエッチングで再現しました。このような
台座のない通風口の再現には、少し厚めのゴールドメダルの追加パーツをおすすめします。



↑後部副砲バーベッドと第三主砲塔の間には、このようなキセル型の通風筒が
あるのですが、エデュアルドの武蔵用パーツには、このような部分の出口フィン
までエッチングで用意されているため、それを貼り付けて立体化しました。目立
たない部分ですが、「ここまでやってるぞ」という満足感に浸れます。(笑)



↑甲板上のハッチ類は、各メーカーが様々な形状でエッチングパーツ化しているため、
場所によって最適なものを使い分けました。



↑ハッチ類は、純正モールド上に貼り付けるだけではなく、このようにキットでは省略されて
いる部分にも追加しました。このハッチは、映画「男たちの大和」において、坊ノ岬沖海戦
の際、最初の場面で内田一曹を演じる中村獅童氏が給弾のために上がってきたハッチ
で、大和ミュージアム1/10戦艦大和をはじめ、最新の模型や最新の図面などでは必ずと
言っていいくらい再現されている大型ハッチです(ホワイトエンサインパーツ使用)。 なお、
リングプレートの再現は今回は見送りました。



↑ハッチ類と同じく、弾薬函もエッチングパーツ貼り付けによ
ってディティールアップします。画像が若干不鮮明で分かり
にくいですが、右側に6個並んでいる弾薬函の、右から2個目
までが、エッチングパーツを貼り付けた様子です。



↑150cm探照灯のディティールアップは、ライオンロアのパーツを使用し、1基につき
3枚のエッチングパーツを貼り付けて再現します。見所は、旋回ハンドルと、爆風防止
シャッターで、キットの探照灯をよりリアルに彩ってくれます。



↑取り付けを終えた探照灯。実際にはさらに多くの旋回ハンドルが装備されていたことが、実艦写真
から確認できますが、実物に関する資料は見つかっておらず、現在の考証は110cm探照灯の資料
を拡大解釈したものになっています。探照灯のディティールアップについては、1/350程度のスケール
においては個人的にはこれで満足しています。



↑高角砲射界制限枠(高角砲射界制限器)は、例によって真鍮線による現物合わせの自作品です。本当は、
真鍮角線で再現したかったのですが、1ミリ以下の細いサイズの角線を見つけることができず、結局0、5ミリの
丸線を使用しました。この部分の形状は、資料によってまちまちですので、参考資料はCG資料1本に絞って
再現することにしました。右舷側と左舷側の形状は基本的には対称ですが、シールドなし高角砲の形状自体
が左右非対称ですので、そうした事情を考慮し、部分的に形状を変更しました。もちろん、実際に機能するよ
うに、自艦の艤装に射線が向かないように計算した構造としています。



↑高角砲射界制限枠の塗装を終えた状態。これで大和決定版の中央構造物はほぼ完成です。



↑航空作業甲板で少し触れた内火艇搬入口の踊り場ですが、結局は航空作業甲板支柱と干渉しない場所に
プラバン自作して取り付けました。右側に見える格納庫扉には、人員用の出入り口も再現しています。実艦では、
この扉の奥に短艇を3艘程度収容できる格納庫があり、その奥の扉を開ければ、飯を炊く烹炊所に繋がって
いました。



こちらは右舷側の踊り場のアップです。艦に収容された内火艇を降りた
乗組員が、すぐにこのラッタルを登って航空作業甲板に上がっていくこと
もあったことでしょう。



↑空中線は、今回は線径0、15ミリのテグスを油性サインペンで黒塗装して使用しました。
空中線についても、各資料再現がバラバラですので、あまり深くは考えず、各資料の平
均的なものとしました。



↑艦橋および、第一副砲塔回りは特に空中線の本数が集中しています。1/350戦艦三笠では、フルリ
ギングに挑戦しましたが、今回の大和では、実艦と比べるとあまりに少ない再現数であることは間違い
ありませんので、今後機会があれば、更に本数を増やす可能性もあります。



↑舵には補強板を追加。パーツはライオンロア製ですが、ライオンロアパーツに多い、説明書の記載間
違いがありますので訂正しておきます。説明書でCパーツとなっているこのパーツは、実際にはKパ
ーツに含まれています。 補強板の貼り付けは、左右対称とするために、舵パーツの左右を接着す
る前に行いました。



↑スクリューブラケットには、特には加工を施していません。このように、バリと
ゲート痕を修正したのみで、継ぎ目の修正などもありません。



↑これらのパーツも爪楊枝に刺してから塗装すると便利です。今回の製作におい
ては、この爪楊枝と発砲ブロックが随分活躍してくれました。



↑スクリュープロペラは、ライオンロアの金属プロペラを使用するわけですが、そうなるとスクリューシャフトも
ぜひ金属製にしたい!と、いうことで、このような真鍮材料を使用しました。キットのパーツより若干線径が
太いので、25mmのピンバイスでブラケットおよび船底の取り付け穴を広げて差し込みました。



↑このように、少しブラケットからはみ出させておけば、大和ミュージアム1/10戦艦大和のような、ブラケット
からプロペラが離れた再現が可能です。



↑そして、プロペラと舵を取りつけます。プロペラには、あらかじめ真鍮線を差込み、真鍮パイプに通しました。
完成してしまえば見えませんが、実艦と同じ2重構造のシャフトに仕上がっていることになります。



↑旗竿パーツはキットのものをそのまま使用。しかし、機銃座との位置関係で、補強支柱のみ
自作しました。 船尾信号灯は、クリアーパーツ化こそしていませんが、下地にシルバーを塗装
した上で、クリアーレッド、クリアーグリーンを塗り重ねてクリアー感を演出しました。



↑これは、最初に仕上げた後部艦橋ですが、やはり機銃スポンソン支柱の太さが気に入らなか
ったので、0、5ミリの真鍮線で作りなおしました。また、スポンソン下部にも、軽目穴をあけるなど、
地味な部分ですが若干の修正を加えてあります。



↑第二主砲塔背面扉の足場には、折りたたみ式のラッタルを設けました。これは、「男たちの大和」ロケセット
で再現されていた表現です。なお、このような背面扉は、普段の移動用には使用されず、弾薬の搬入や緊急
脱出、砲内部に被害を受けたときに爆風の逃げ場確保の目的などで使用されていたものだそうです。



↑最後に船首フェアリーダーと菊の紋章を仕上げれば、いよいよ大和完成です。 フェアリーダーのパー
ツは極端に合いが良くないので、このようにパテで修正しました。切削しにくい場所&形状ですので、少々
苦労がありましたが、なんとか無事終了しました。なお、船首旗竿は真鍮線で自作し、錨見台にはゴール
ドメダルの追加パーツを使用しています。 



↑余談ですが、この菊花紋章を塗装した当日、皇室に新宮様が誕生されたニュース
を聞きました。 この日が重なったことは、単なる偶然に過ぎませんが、5年半あまりに
およぶ大和建艦の計画が終了した当日に、そうしたニュースに遭遇したということで、
少々不思議な気分です。 将来、この大和を眺め、製作した当時を振り返るに、ひとつ
の思い出になってくれると思います



↑1/350戦艦大和徹底ディティールアップ決定版 全景。


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