戦艦 大和
タミヤ 1/350 徹底ディティールアップ決定版






↑今回の1/350戦艦大和徹底ディティールアップ決定版では、八角機銃座塔載をはじめとして、
各種の新しい表現を盛り込みました。 従来までの方法と合わせて行った下地処理を紹介します。



甲板の下地処理

タミヤの1/350戦艦大和は大和キットの中でも傑作と言って良い名キットであることは間違いありま
せんが、現在の考証に当てはめてみると、前甲板の機銃配置の違いがどうしても目立ってしまいます。

その後、1/700でタミヤがリニューアルを施したウォーターラインシリーズの大和キットでは、機銃座
位置の修正や、「マストの一部構造変更」で紹介しましたマストの改修などが施され、現在の目で
見ても最新考証と比べてさほど遜色ない良質なキットに仕上がっています。

タミヤ社内でも大和の考証に関しては、この時点で改められたはずですが、残念ながら1/350にお
いては、リニューアルや金型改修は行われず、79年当時の考証のまま、現代に至ります。

とりあえず、この機銃配置だけでも変更しないことには、現在世間に知られている天一号作戦時
の大和には近づきませんので、まずは最低条件と言える、この機銃位置変更を行うことにしました。



↑キットの考証は単装機銃を前甲板にたくさん並べた30年近く前のものです。この単装機銃は
レイテ沖海戦の戦訓において、ブラスト(主砲発射の際の爆風)の影響が大きかったため、内地
に帰還した後、修復改装の際に取り外され、代わりに25mm三連装機銃が増設されたことが現在
では分かっています。

そのため、機銃位置の変更が必要になるわけなのですが、上記画像のように、甲板上には無数
の単装機銃の取り付け穴があけられています。 キットが設計された当時は、機銃の位置決めを
簡単にできるよう、配慮してくれたものと思われますが、機銃位置の変更が基本となった現代に
おいては、これもまた少しばかり「有難迷惑」的な存在になってしまっています。


↑タミヤの1/350戦艦大和を現代の考証に作り直すには、この機銃取り付け穴を綺麗に埋める
必要があるのですが、はっきり言って、この穴埋めの作業が上手く行くか、行かないかで、模型の
完成度は大きく変わってくるため、全神経を集中して作業を行う必要がある部分です。

稀に、無数の単装機銃と三連装機銃とが混在した作例を見かけることがありますが、そうした機銃
配置は現在の考証では考えられないもので、穴埋めを諦めた結果完成したものと思われます。


穴埋めの方法は、パテで埋めたり、単装機銃の基部のパーツを使って埋めたり、または爪楊枝を
栓にして埋めたりと、これまで色々な方法を試して来ましたが、結局のところはパテで埋める方法が
最も効果的に思えましたので、その過程も今回初めて紹介させて頂きます。


↑まず、ポリエステルパテを硬化剤と混ぜ合わせ、甲板裏面から機銃取り付け穴になすりつけ
るように擦り込んでいきます。 すると、この画像のように表面にパテが顔を出してきますので、
この程度出てきた時点で作業をやめ、乾燥まで待ちます。 ちなみに今回の1/350戦艦大和
決定版の製作においては、全てのポリパテ使用部分に、WORKの「モリモリ」を使用しています。


↑パテが乾いたら、はみ出したパテを木甲板モールドを傷つけないように注意しながら削り取ります。
最初はニッパーなどで出っ張りを切り取って、ノミで成型。最終的には1000番くらいのサンドペーパ
ーを弱めにかけてやれば、それなりに綺麗に埋まってくれるはずです。 このあと、表面にサフを薄
く吹けば、綺麗に埋まっているかどうかを確認しやすくなりますので、そのときに削り方が甘い様子が
確認できた場合は更に削り足し、またサフをかけて様子を見ます。 削り足りなかったときは削り足せ
ばいいだけですが、逆に削りすぎていた場合には修正が効きませんので注意が必要です。上手く
仕上げるコツは、焦らずゆっくりやることに尽きます。


↑同じようにして、このような甲板の繋ぎ目のスキマもパテ埋めします。この部分は接着箇所を兼ね
ているので、裏面にプラバンを貼り付けてしっかり補強し、パテは木甲板モールドと中央構造物を
マスキングテープでマスキングし、表側から擦り込むことになります。 パテが乾燥すれば、あとの
作業は単装機銃の取り付け穴と同じ方法で滑らかに整えれば完成です。(作業中の画像を撮影
し忘れてました。申し訳ございません)



続いて、船首錨甲板をディティールアップします。キットの錨鎖甲板には このように錨鎖が繊細に
モールドされていますが、今回は精密チェーンを接着して立体感を演出するため、純正の錨鎖
モールドを削り取ってしまいました。


↑手前が、先に錨鎖モールドを削り取った右舷側の錨鎖導板です。奥の左舷側は、この時点では
まだ錨鎖モールドが残っていますが、もちろんこちらも削り取りました。錨鎖甲板の滑り止めモール
ドを痛めないよう、マスキングテープで保護しながら作業すれば失敗がありません。


↑そして錨鎖を張りました。今回はライオンロアの「真実の大和」セットに入っていた精密チェーンの
他に、フラグシップの超極細チェーンを使用して、錨鎖の太さに変化を付けました。縦横に貼られた
プラバンは、鋼板継ぎ目を再現したもので、配置は保存会1/100戦艦大和の写真集を参考にしま
した。 シコルスキー図面集やCG資料には、更に複雑なパターンが掲載されておりますのが、今回
のものは多少ディフォルメした再現にあたるようです。(武蔵の実艦写真でもかなり複雑なパターンが
確認することができます) なお、大和型戦艦の船首錨鎖甲板は、幅の広い独特の形状になって
いますが、この形状はバルバスバウに錨を干渉させないよう設計されたことが要因です。


↑今回は、機銃座を全て八角オープン形状に変更するため、この前部副砲バーペッド
左右の丸型機銃座には切削処理を施しました。


↑ブルワークを処理すれば、床面は木甲板モールド部分とツライチですので、中央部のタ
ーンテーブルのみをミニルーターで押しつぶせば、八角オープン機銃座の取りつけベース
の完成です。


↑同じく後部の丸型機銃座も・・・


↑このように平らにならしました。

次回は、下地処理を終えた甲板の塗装に移ります。



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