戦艦 大和
タミヤ 1/350 徹底ディティールアップ決定版






↑甲板上の露天増設機銃座は、新考証の八角オープン形状にて自作しました。


甲板上八角オープン形状 増設機銃座の自作

天一号作戦時の、大和の甲板上の増設機銃座のブルワーク形状は長年、円形また
は半円形と解釈されていましたが、昭和20年の沖縄方面への出撃直前に撮影された
記念写真の解析から、現在では八角形の後半分を開放した形状であるとの考証が
知られるようになりました。

これは、大和考証の中では最も新しい考証のひとつでもあり、最新考証を駆使して
製作された「大和ミュージアム 1/10戦艦大和」ですら、このブルワーク形状に関しては
円形状にて製作され、将来的には改修される予定があるものの、少し後手に回って
しまっているようです。

もちろん、1970年代設計のタミヤの大和でも、八角形状が再現されているわけはなく、
八角形状を再現したアフターパーツもまだリリースされていないため、考証どおりの
再現となると、必然的に自作せねばなりません。

これまでの作例では、キットの甲板パーツにモールドされている丸型ブルワークは
そのまま使用し、追加部分のみを八角形状で自作していたのですが、今回は決定版
ということで、甲板モールドのブルワークも切削し、全てを八角形状のブルワークで
揃えることを決意しました。

しかし、ブルワークのみを自作していたこれまでの作例と違い、甲板パーツのブルワ
ークを切削すれば、床面の木甲板モールドは消えてしまい、その部分のみ板目の
表現がなくなってしまいます。 

1/350戦艦大和タミヤキットの木甲板モールドは、凸モールドになっているため、モ
ールドの彫り足しもできず、なかなか厄介です。

考えた結果、一種の「ごまかし」として、モールド切削部分のブルワークのみ、床面
を自作し、追加することにしました。 

映画「男たちの大和」では、大和坂にある非管制の特設機銃(番号不明)が、滑り止
め鋼板を敷いた台で水平出しされていましたので(実際には、甲板材をくり貫いて水平
出しされていたようですが)、その機銃座をモデルに、前甲板の左右2箇所およ
び、後部の4基(キットのブルワークは3基ですが、左右対称とするため1個追加)、
合計6基の機銃座を自作しました。


↑床面を自作するために、このような材料を用意しました。ファインモールドからリリ
ースされている汎用の滑り止め鋼板エッチングパーツで、自分で必要な寸法に切
り出して使用するものです。 当初は、ライオンロアの余った滑り止め鋼板パーツを
切り出して使用することを考えていたのですが、今回は滑り止め鋼板はほとんどエ
デュアルドパーツに統一しているため、目の細かさがエデュアルドのパーツに似て
いる、ファインモールドの品番AE-03を使用しました。


↑アップでみると、このように細かい滑り止めモールドが入っています。エレキギター
をやっている人間がこれを見ると、すぐに「MESA/BOOGIE」という真空管アンプの
メーカーのイメージが沸いてくるはずです。(笑) この汎用エッチングパーツはやたら
と高価ですので、失敗のないように、慎重に作業を進める必要がありました。


材料を揃えたら、あとは正確な八角形をケガいて切り出すだけですが、ここでは
正確な八角形をケガく方法が課題になりました。

一番簡単な方法は、製図用のテンプレートを使うことですが、一通り探してみたところ、
サイズの合う適当なものを見つけることができなかった為、結局自分でテンプレート
を自作することから始めることになりました。


↑まず、厚紙を正方形に切り出し、対角線と辺の中心線を結んでこのような図形を
書きます。各線が交差する中心から、作りたい八角形の半径の距離を進んだ到達
点は、八角形の一角になります。


↑このように半径を円で表せば、分かり易い図ができます。中央から放射
状に伸びている線と、○または□の線が交差しているところを結んで切れば、
正八角形が完成します。 今回の機銃座の直系は12mmですので、中心
から6ミリの場所に線を引き、交差地点を一角として切り出していきます。


↑こうして完成したテンプレート。これで正確かどうかなんともいえませんが(笑)、自分
なりに精一杯出してみた精度です。 


↑ご覧のように、甲板モールドの円形機銃座が隠れてくれる丁度いい大きさに仕上
がりました。 滑り止め鋼板のエッチングパーツは、最初からこのテンプレートを使用
して切り出すのではなく、まず12×12mmの正方形に切り出し、このテンプレートを使
って角を落とす方法で、同じサイズのものを順番に量産していきます。


↑実際に切り出してみた滑り止め鋼板。もちろん個体差は完全にゼロにはでき
ませんが、それなりに満足の行くものが完成できました。 ここまでくれば、あと
は従来の作例と同じく、ブルワーク追加を行うだけです。


↑ブルワークは、ライオンロアのパーツを使用します。
このパーツは、本来はこの画像のように丸めて丸型
ブルワークに仕上げるために準備されているパーツ
なのですが、八角形に曲げれば、今回の八角形機銃
座にも使用可能なものです。 元来ブルワーク用に用
意されているパーツだけに、高さや厚みが実感的です。


↑これがそのブルワークパーツ。同じ幅、厚さの細切り真鍮板でも代用で
きることでしょう。


↑そして、一緒に用意されている補強板のパーツも使用します。このパーツは、
今回の大和に使用しているパーツの中でも、最も精密なもので、後に移ってい
るカッティングマットの方眼の1マスが、10mmと言えば、その精密さが分かって
頂けると思います。短い方の辺は1mm程度ですが、ちゃんと軽目孔まで開け
られています。


↑ブルワークと補強板を接着し、外観がほぼ完成した床面付きブルワーク。これ
でまた、今回の決定版大和の「男たちの大和」指数がアップしました。(笑)


↑最後に、ターンテーブルを取りつければいよいよ完成です。床面の形状を変えて
いるだけですが、なかなか新鮮なものが出来ました。 床面なしのブルワークと並べ
た時に、どのような見え方をするのか、とても楽しみです。(違和感があった際には、
イメージ統一のために、床面付き機銃座を更に急造することになるでしょう)


↑キット機銃とキット機銃座(右上)と、ライオンロア機銃に半自作機銃座(左下)の
比較。 パーツが仕上がるにつけ、大和の船体誕生がいよいよ楽しみになってき
ました。

次回は13mm機銃を除く最後の砲槓兵器、12、7cm連装高角砲です。



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