戦艦 大和
タミヤ 1/350 徹底ディティールアップ決定版






↑艦橋を完成させるには、まず各管制機を完成させなくてはいけません。



1/350戦艦大和 管制機類のディティールアップ

管制機とは、艦上の艤装品や兵装のコントロールを行う場所で、例えば機銃の場合、非管制の一
部の機銃を除いて、こうした機械で目標を選定し、統制して射撃(従動射撃)を行うことで、各機銃
がバラバラにそれぞれの目標を選別して攻撃するより、複数の機銃で一機の敵機を攻撃すること
が出来、命中精度や威力を向上させるというものです。

1基の管制機で制御できる機銃の数は2〜3機程度で、各機銃の弾道を確認するため、管制機の
担当機銃ごとに、曳光弾の色を変える等の工夫もされていたそうです。 

大和型戦艦の管制システムは全てシールドが取り付けられているのが特徴で、これは防弾用とい
うよりは、主砲の発射時の爆圧から、管制機内の照準装置などの各機材を守る目的で装着された
ものです。

キットパーツの管制機類は、どれも良くできているのですが、もう少し生活感があればさらに見栄
えが良くなりそうだと思い、今回は全てにディティールアップを施しました。


↑まずは兵装ではなく、探照灯用の管制機からです。探照灯とは所謂サーチライトの
ことですが、夜間戦闘の際には全乗組員の眼になるため、非常に重要な兵器です。
キットのパーツは最初からシャッターもモールドされていて、過去のキットでは大抵単
なる塊状のパーツだったことを思えば、充分実感的に作られています。


↑しかし、ライオンロアのパーツセットに、このような立派なシャッターのパーツが
付属していたので、どうしても使ってみたくなり、このパーツを採り入れてみま
した。探照灯管制機のパーツは、エデュアルドのパーツにも含まれているのです
が、よりメリハリのある表現になっているのは、ライオンロア製です。下に映ってい
る同様のパーツは、シールド付機銃用のシャッターです。


↑そのまま被せると2重シャッターになってしまうので、まずこのようにしてシャッタ
ーのモールドを削り取ってしまいます。


↑そして、爪楊枝などに巻きつけてアールを付けたシャッターを瞬間接着剤で
接着します。せっかくのモールドがつぶれてしまわないように、接着剤をつける
量に注意しなくていけません。


↑背面には扉を取り付け、少し厚化粧気味ですが、基部にはラッタルも装備しました。
実は探照灯管制機の裏側の形状の情報はほとんどなく、CG資料や大和ミュージアム
1/10大和などでは扉が再現されていなかったようなので、実際に扉があったのかどう
かは不明なのですが、船の科学館1/50では、探照灯管制機が据えられているデッキ
上にハッチが再現されていたため、艦橋側の扉と一緒に再現しておきました。


↑塗装は、このように爪楊枝に刺して発泡スチロールの塊に固定して行います。


次は近距離防空の役割を果たす、九六式25mm三連装機銃用の九五式機銃
射撃指揮装置です。実際には肩が丸い形状のものと、角ばった形状(戦時急
造型)の2種類がありました。キットパーツはシャッターこそ再現されていません
が、観測窓の位置に凸モールドがあって、それなりに実感的にできています。


↑しかしこれも、ライオンロアの機銃射撃指揮装置用のパーツを
使用するため、モールドを切削して各パーツを接着していきます。


↑左から作業工程を順に追ったものです。なんと測距儀取付部のカバーまでパーツ化されていて、
非常に驚きました。しかし、パーツの説明書には取りつけ部分が間違って記載されており、またシャ
ッターの取り付け方向も、なぜか上下逆に指定してありました。せっかくの良いパーツなのに、ちょ
っともったいない気がします。


↑例によって、背面ハッチも装備します。探照灯管制機の裏側のハッチはライオンロアパーツに
は設定がなく、エデュアルドのものを使用しましたが、、この機銃射撃指揮装置にはライオンロア
のパーツを使用しています。


↑最後は高角砲用管制機、九四式高射装置です。これはキットのパーツそのままの状態で、左
側が爆風避け付きの前部のもの、右側が爆風避け無しの後部のものです。後部の高射装置は、
基部がキャンバス張りであったという説がありますが、今回はそこまでは再現していません。上下
の境目にバリがあるので、それらを丁寧に落としていく作業が中心になります。


↑実は九四式高射装置のディティールアップパーツは、どのパーツセットにも含まれていないので、
エデュアルドの大和セット用の副砲背面出口を流用して、後部にハッチを取り付けました。同社の
大和用副砲背面ハッチは、どうやら寸法を間違えて設計されているようで、副砲に使うには不便な
ものですが、上手い具合に高射装置背面にピタリと合ってくれました。考証どおりのスライドドアも
再現できて、思わぬ収穫です。 後部高射装置の基部には、ラッタルを配しました。今回はこうした、
兵員が直接手を触れて使う部分に力をいれています。

管制装置のディティールアップは、どれも地味かつ面倒なものばかりですが、大和が現役だった
当初、こうした場所へ配属された兵員達を思い、ひとつひとつ丁寧に作業を進めていきました。

その結果、後部のハッチやラッタルなどの追加で、兵員がどのようにして移動したかなど、いろいろ
なものが見えてきて、模型に「人の臭い」を吹き込む大きな効果が出てきたと思います。 

日本海軍艦艇模型を作るにあたって、船はもちろん主役であることに間違いはないですが、そこ
にいた人々の事は、けして忘れることはできません。 この調子で、船としての大和だけでなく、
まさに「男たちの大和」を再現すべく、今後も尽力していきたいです。(DVD「男たちの大和」を
鑑賞後に記述。笑)


↑製作中の艦橋背面。各管制機を多く装備することになる場所です。探照灯管制機を
取り付ける中央のデッキには、管制機内へ移動する為の扉を取り付けました(少し大き
すぎたかも?)。今回はこうした「人の動き」を考えた模型造りに力を入れています。


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