戦艦 大和
タミヤ 1/350 徹底ディティールアップ決定版






↑今回は後部艦橋から製作開始しました。



1/350戦艦大和 後部艦橋のディティールアップ

いよいよ、念願かなって5年半待った自分用の戦艦大和製作が開始されました。いつもでしたら副砲
から製作を開始するのが自分の中でのパターンなのですが、今回は後部艦橋から製作を開始しました。

実艦では前部艦橋と供に重要な役割を担っていた部分ではありますが、形状的には比較的あっさり
している部分ですので肩ならしに丁度良いと考え、また砲槓兵器類は、8月4日発売の「男たちの大和」
DVDを見てからの方が、モチベーションもより高まると考えて、後回しになりました。(製作開始は7月
31日のことです)  

「男たちの大和」といえば、7月に近隣のホテル併設の劇場でリバイバル上映があり、約半年ぶりに観覧
することができたのですが、これも今回の製作に向けての良いタイミングでした。

ちなみにこの後部艦橋は、坊の岬沖海戦では残念なことに250kg爆弾(前部艦橋の測距儀配置だった
八杉氏によれば、500kg爆弾だそうです)の直撃を受け、後部13号電探室と供に機能、兵員ともに全滅
した悲劇的な場所でもあります。

後部艦橋の製作は、まず10メートル測距儀と後部主砲射撃指揮所から開始しました。 

測距儀は、まず測距儀室の扉の開口から始めました。キットでは、もともとこの部分の扉は開いた状態
を再現してあり、内部が一段窪んだ造型になっているので、ここを開口してメリハリを強調させようという
わけです。


↑測距儀室扉の開口はピンバイスで四隅に穴を開け、穴を繋ぐように
デザインナイフで切り開きつつ開口し、ヤスリで整えます。内部まで作
りこむわけではありませんが、これだけでも思った以上に印象が変わっ
てきました。


↑主砲射撃指揮所のパーツは上下の合わせ目が目立つので、ヤスリ
で削り落としました。上部のメッシュ状の観測窓(?)モールドは、現在
の考証では艤装工事中の写真を参考にした一時的な姿を再現したも
のとされてますが、模型映えを優先して削らずに残しておきました。
保存会の河井先生が作られた1/50大和では、この部分はスリット状の
観測窓が再現されており、その再現が気に入っているからです。

続いて各種手摺、ラッタルをエッチングパーツで追加し、これまでの作例と同様のディティールアップ
を徐々に施していきます。 


↑測距儀および主砲射撃指揮所、前面の様子。手摺は主にゴールドメダ
ル製を使用、ラッタルはエデュアルドの武蔵用(使用箇所に合わせて最
初から長さが調整してあるので便利です。)を使用し、その他、キャットウォ
ークにもエデュアルドの武蔵用を使用しました。


↑背面の様子。主砲射撃指揮所の観測窓は、プラバン貼り付けにて蓋を再現
しました。多くの資料模型を見るに、窓枠より若干大き目の蓋が取り付けられて
いたようで、そうした再現を真似てみたものです。また、扉もエッチングパーツで
追加しました。 測距儀室の背面ラッタルは、キットのモールドを切削した上で
エッチングに置き換えました。


↑続いて、副砲予備式所や九八式方位盤照準装置などのある後部艦橋
本体を組み立てるのですが、この部分はほとんど改造せずに、そのまま組
み立てています。 画像のような、左右に開かれたパーツを・・・


↑平らな台に載せたサンドペーパーで擦り合わせ、接着面の平滑
を出します。この作業をしっかり行っておくと、あとあと行うパテを使
った合わせ目を消す作業が楽になります。


接着後、パテ埋めした後部艦橋にディティールを追加してい
きました。副砲予備式所の上面は角を取った形状という説が近
年出てますが、この部分はキットのまま使用しました。一段手摺
はゴールドメダル製で、機銃ブルワークの床面にはエデュアル
ドの武蔵用パーツから、滑り止め鋼板を敷きました。このブルワ
ークの形状も、古い考証の形状そのままです。


なんだかのっけから新考証をあまり採り入れる気がないようなレポートになってきましたが、
前面の補強材は、大和ミュージアムの1/10戦艦大和に似せた形状の物をプラバンで自作
して貼り付けてみました。もちろん、同じ形状のものをそのまま再現するというのはとても無
理な話ですので、ディフォルメした表現で、船の科学館1/50を参考にした1/200ファインデ
ィティールとはまた別の表現になります。丸窓の位置も、大和ミュージアムを参考にしたも
のですが、武蔵の後部艦橋の窓の位置はまた違っていたようで、同型艦といえどもこうした
細部に違いが見受けられる点が興味深いです。


副砲予備式所の上に乗っている「カニ眼鏡」と呼ばれる九八式方位盤照準装置改一は
キットパーツでは円柱形状に造型されているため。斜めに削りだして少しでも実物の形
状に近づけるべく、加工しました。塗装後はレンズを書き入れるつもりです。


吸気口フィンには今回はほとんどの部分にホワイトエンサイン社製エッチングパーツを
使用しました。しかし、同社のパーツは形状が実物の考証の形状に近く作られすぎて
いるため、一部のパーツがキットに合わず、中央部のものに関してはエデュアルド製に置
き換えて対応しました。


背面の様子。後部副砲背面出口の足場を兼ねた台座部分のラッタル
は、以前は側面に配置されている表現が多かったのですが、今回は
後部の右舷側に配置しました。プラバンで自作した側面の補強板も、
大和ミュージアムを参考にしたものです。


およそのディティールアップを終えた後部艦橋の前面と背面。機銃座の支柱は、1/200ファインデ
ィティールで真鍮線化していた割には、今回はキットパーツそのままになりました。部品を見てい
る分には、このスケールだったらこのままで良いような気がしていたのですが、今こうして写真で見
ると、ちょっと太くて目立ちすぎてしまっている気がします。 今だったらまだ間に合うので、完成ま
でに気が向いたら修正するかもしれません。


真正面の斜め上からのアングル。大和の後部艦橋を作っていて気にな
るところは、既存の資料模型等に機銃ブルワークへ通じる扉なりラッタ
ルなりが見当たらないことです。実艦の大和の乗組員集合写真の中に
ブルワーク中央部付近にラッタルが確認できる写真があるのでので、こ
のあたりも今後の修正を検討しています。

こんな感じで、製作を終えての感想はいろいろありますが、なんとか言いつつ今回製作した後部
艦橋は、基本形はキットそのままとはいえ、エッチングパーツや自作パーツでなかなか良い雰囲
気に仕上がったと自分では思います。

惜しむべくは、キセル型通風塔の再現に適したパーツがなく、小西パーツなどのカタログを当た
ってはみたのですが、大きさ、形状ともに丁度良いパーツが見つからなかったことです。 これも
完成まで調査を続ける予定ですので、今後の展開しだいでは、若干変更があるかもしれません。


組み立てが終わると、次はいよいよ塗装です。両面テープ
を巻いた割り箸を中に差し込んで持ち手にし、エアブラシ
で塗装していきます。 写真はサーフェーサーを吹き終えた
ところで、ディティールアップの後付け感がなくなって、後部
艦橋全体に一体感がでてきました。 

模型サイトを見ていると、サフ派とアンチサフ派の方がおられるようで、サフはパーツの繊細なモー
ルドを埋めてしまうので嫌いという記述を良くみるのですが、HIGH-GEARedは断然サフ派です。

完成後に光が透過してしまってプラ臭さが出て安っぽくなってしまうのが大嫌いなので、完全に表
面を覆ってしまうまで徹底的に吹き重ねるようにしています。 

艦船模型の専門誌などでは、メッシュ状のエッチングモールドを埋めてしまう危険が良く指摘され
ていますが、それはおそらくスプレーサフで起こりうることであって、エアブラシの場合はシンナー
との調合費やエア圧の設定をよほど間違えない限りは問題ないと考えています。


↑そして無事に塗装完了。三笠の時は、下地に黒鉄色を塗るというイレギュラーに挑戦
したのですが、今回はそこまではいかなくとも、やはりあまり一般的ではないアプローチ
で塗装を行いました。サフと船体色の間に、艦底色の下地を作ったのです。実物の船は、
本塗装の前に赤茶色の防錆塗料を塗ったと言われているので、その実艦塗装工程を
再現しました。船体色は比較的明るめのタミヤ呉海軍工廠色(スプレーからビンに出し
てエアブラシで使用)なのですが、艦底色下地の効果もあって、なかなか重々しい発色
になり、満足しています。

赤茶下地の画像は、今後機会を見つけて掲載する予定です。


next


左側にメニューページが表示されない場合はここをクリック

艦船模型製作代行 モデルファクトリー ハイギヤードはこちら

スケールモデル完成品販売ネットショップ CHERRY&ANCHORはこちら

■管理人オススメ!本格海戦ゲームアプリ「蒼焔の艦隊」■


↑Android版のダウンロードはこちら↑

↑iOS版のダウンロードはこちら↑

フル3Dで作成された艦艇で迫力の大海戦を勝ち抜いていくゲーム。無料にて配信中!(一部有料アイテムあり)








inserted by FC2 system