タカラトミー 1/700技MIX 地上航行戦艦 大和







TAKARA TOMY 1/700 技MIX 地上航行戦艦 大和

この作品は、艦船模型製作代行のご依頼をいただいて製作したものです。この『技MIX 地上航行戦艦 大和』は、船底裏側に車輪を装備し、床の上を走行させることで、水場のいらない手軽な赤外線RC船として設計されたもので、一般的な洋上艦船モデルと同じ1/700の縮尺を採用し、スケールモデルとしても大変完成度の高いものです。




『技MIX 地上航行戦艦 大和』の全景。この製品は、いわゆる『塗装済みキット』という形式で発売されているもので、一見手軽に完成できそうに思われてしまいますが、実際にやってみると組立は想像以上に難儀しました。塗膜の厚みか?成型誤差かわかりませんが、パーツの取り付け穴が、パーツ側のダボより小さいことが多く、例えばシールド付き高角砲や、同じくシールド付き機銃の砲身パーツなどは、全て側面にヤスリがけが必要だったり、取り付け穴を片っ端から広げなくてはいけなかったりと、意外に手間のかかる作業が多かったです。



とはいえ、このように完成してみると、一見ギミックモデルとはとても思えないような精密さです。ディティールはもちろん、考証的にも新しいものが採り入れられ、コアな大和ファンも納得の仕上がりに、思わず驚かされました。今回の製作では、お客様のご希望で、タカラトミーから発売されたディティールアップセットを組み込んだほか、張り線を追加しました。その他は特に変更した点はないので、純正パーツ+張り線だけで、ここまで精密感のある大和が出来上がるということになります。



中央構造物。ファンネルキャップは、赤外線の導光部分を兼ねているため、半透明に成型されたものを取り付けています。張り線に関しては『動かす模型』とあって、多少ディティールを犠牲にしても、破損防止のためにいつも以上に接着剤を多めに盛り付けて補強しました。



前部主砲塔および副砲塔の旋回および俯仰のギミック。上から二枚目の写真が旋回した様子、一番下が砲身に仰角を付けた様子です。写真には写っていませんが、艦橋頂部の15m測距儀も砲塔に連動して回転し、シールド付き高角砲もすごくゆっくりでホンのわずかですが、旋回します。



後部の砲塔および測距儀も同じように可動します。砲身の俯仰の際の動きには若干バラつきがでますが、これは構造上仕方がないようです。副砲塔の上の空中線支柱は、サイズ的に軸を仕込むのが難しいので、前後共にナイロンテグスをたるませた状態で接着しました。メインの張り線には金属線を使用して強度に差をつけているので、砲塔をほぼ真横に向けても破損などはありません。


**総括**


この地上走行大和は、メインの組立説明書の他に、砲塔の組み込みを中心に、複数の補足説明書が付属しており、「○○な場合は、こうやって調整してください」という記載が多数あったのですが、その「○○な場合」が、私の場合は全て適合し、(部品を削るなどの)調整を繰り返さなくてはいけない状態でしたので、砲塔のメカニズムは、かなりセンシティブな仕組みになっているんだなという印象でした。 

とはいえ、大和本体の前進、後退、旋回は大変安定しており、コントローラーから発せられる効果音など、船好きの心をくすぐる工夫の数々は本当に楽しく、船の操縦を楽しむのに水場いらずという発想も相まって、とても魅力的なモデルと思いました。 大和以降、残念ながら、このような製品の続編はまだ出ていませんが、なんらかの形で、また艦船のギミックモデルも登場してくれたらいいなと思います。


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