1/700スケール 航空母艦 赤城 1941年真珠湾作戦時
HASEGAWA製インジェクションキット
ハセガワ 1/700
赤城は当初、日露戦争時代の艦をすべて作りなおす八八艦隊整備計画の一
環として天城型巡洋戦艦４隻のうちの１隻としての建造が進められていたのです
が、ワシントン軍縮条約により、日本海軍の戦艦保有数に制限がかけられ、空
母に改装され、日本海軍では初の空母、鳳翔に次ぐ二隻目の本格的航空母
艦として完成しました。
空母として完成した直後は世界でも他に類を見ない発艦、着艦が同時に行え
るように工夫された三段甲板式航空母艦で兵装も、機銃、高角砲以外に、20
mm砲10門と中型巡洋艦並みの攻撃力を持った珍しいものでした。
しかし、この三段空母は航空機の性能が上がるにつれ、より長い飛行甲板を使
用する必要があるため後に廃止され、長さ250m、幅30mの広大な一枚甲板に変
更する大改装が行われました。改装の後は第一航空艦隊の旗艦に就役し、南
雲忠一提督指揮のもとに、真珠湾奇襲作戦で大勝利をおさめ、世界最強の
空母、機動部隊と世界にその名を知らしめました。
しかし、ミッドウェー海戦において甲板上で兵装転換のさなか、米エンタープラ
イズ機の攻撃により、2発の爆弾が命中。発進準備中の航空機やその爆弾へ
の誘爆をおこして大火災に見まわれ第4駆逐艦隊の魚雷により沈没処分されました。
今回はこのサイトでも作例の多い航空母艦赤城で、もう何度目になるでしょう
か？ハセガワキットを使用し、ゴールドメダルのエッチングパーツとジョーワー
ルドの窓枠、ピットロード製の艤装や精密チェーン、空中線でディティールアッ
プを施しました。
↑右舷からの全体像。現在の視点での細部の作りこみに不備が
指摘され、リニューアルが望まれるとはいえ、艦形はとても優れた
キットと思います。
艦橋まわりのちょっとしたディティールアップでこのキットはとても引き立ちますね。
好みで防弾マントレット等を追加するのもいいでしょう。
ちなみに巡洋戦艦時代の甲板部にあたる舷側通路はリノリウム貼りだったとい
う説もあるようなので、最近の作例ではこの部分をリノリウム色に塗装しています。
↑船首の様子。赤城と加賀は飛行甲板の位置が高いため、船首部分は
他の日本航空母艦と比べてかなり目立ちます。 この部分をうまく処理す
ればグッと実感的に仕上げることが可能です。
↑飛行甲板は真珠湾攻撃部隊の発艦準備中の様子を再現しました。
97式艦上攻撃機の一番機はもちろん第一次攻撃隊指揮官の淵田美津夫機です。
＊＊総括＊＊
このサイトを開設していらい、大和と一緒に数え切れないくらい製作してきた
赤城は日本海軍連合艦隊を代表する人気の艦種です。
総括も繰り返しになりますが、ディティールの点では最新のキットには及ば
ないまでも、艦形の良さでは現在のキットに負けない素晴らしい完成度です。
また、部品数も比較的少なく容易に組み立てられる点などは大いに評価さ
れるべきだと思います。
最近のハセガワキットは精密さでは1/700洋上モデルメーカーでもトップレ
ベルのものですが、部品数の多さによる組み立て辛さは悩みどころです。
ヘビーユーザーの期待に応えてもらえる点では嬉しいことですが、新しい
ユーザーの開拓という点を今後考えて頂ければさらにありたがたいと思います。
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