1/700スケール 重巡洋艦 那智 最終時
HASEGAWA製インジェクションキット










ハセガワ 1/700

重巡洋艦那智は日本海軍傑作巡洋艦と誉れ高い妙高型重巡洋艦の2番艦として、
1928年11月に呉海軍工廠に竣工し、直後に昭和天皇即位の際の御大礼特別大
観艦式に参列して注目を集めました。

太平洋戦時においては、第五戦隊に配属され、スラバヤ沖、アリューシャン作戦、
アッツ島沖海戦などに次々と参加しました。

レイテ沖海戦においては同型艦足柄とともにスリガオ海峡に突入するも、重巡洋艦
最上を衝突事故を起こして破損、そのままマニラに帰港しました。そしてマニラに停
泊中に米軍機の爆撃および雷撃を受け、1944年11月に沈没しました。



今回は1/700ウォーターラインシリーズのハセガワリニューアルキットにある最終時の
形態の指示に従い、重巡洋艦那智の最終時を再現しました。ハセガワの妙高型重巡
洋艦のキットは年代ごとに必要なパーツを選択して組み立てることができるので、考証
派にはなかなか評判の良いキットです。



ディティールアップにはハセガワから専用にリリースされている妙高型重巡洋艦用の
エッチングパーツ(主砲塔上空中線支柱や探照灯支柱トラス、窓枠、クレーンなど)を
中心に使用し、ハセガワパーツには含まれていないカタパルトと電探はエデュアルド
製を、そして手摺レールはゴールドメダルモデルズのパーツをそれぞれ使用しました。



モールドはとてもシャープなので素組みでもディティールアップでも非常に模型栄え
する精悍な妙高型の艦影が再現できます。錨鎖は精密チェーンを、そして機銃は
ピットロード製を使用しました。空中線はいつもどおりナイロンテグスによるものでリノリ
ウム甲板の再現にはクレオスの艦艇色セットに付属の専用色を使用しました。



**総括**

ハセガワの妙高型リニューアルキットは二回目の製作になります。ディティールの再現
度やバランスなどはウォーターラインシリーズでも最高クラスのものになると思いますし、
完成した姿には何も不満はなく、本当に満足できるものです。 

しかし、これまで何度かギャラリーの総括に記載していることですが、最近のハセガワキ
ットはいかんせんパーツ数が多すぎると思います。特にこの妙高型は1/700離れしている
というか、1/350程度のスケールでリリースされても違和感がないくらいのパーツの分割
具合を見せてくれています。

年代別に再現できるようにという配慮からのものだと思いますが、ランナー数、パーツ数の
割には、完成させると1/3程度のパーツが余ってしまい、それらを見るとなんだかもった
いことをしたような複雑な気分になります。

しかし、1/3のパーツを残して完成した模型に使われたパーツ数が決して少ないわけ
ではなく、数えてはいないのですが、船体を左右と甲板数枚に分けて成型されている
都合か?感覚的にはタミヤの大和型戦艦の同等くらいではないか?と思わせるほどの
工数を重ねなくてはいけません。

マストや、煙突周りの通路の仕組が特に複雑で、説明書には詳しい製作順序が明記さ
れていないため、組み立て順序を誤ると組みあがらないモデルになってしまうので注意
が必要です。これから組み立てる方は特に煙突周りの通路の仮組みは徹底して行うよう
にしてください。探照灯トラスも順序を考えないで進めていくと組みつけられなくなる可
能性があります。

ひとつのキットを長く楽しみながら製作したい方にオススメの1隻です。






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