1/700スケール 戦艦扶桑 戦艦山城
ピットロード ハイモールドシリーズ レジンキット






奥が戦艦扶桑、手前が戦艦山城です。


こちらでは手前が扶桑、奥が山城になります。


ピットロード レジンキット 1/700


久しぶりのレジンキットの掲載になります。今回はピットロードハイモー
ルドシリーズの戦艦扶桑、山城を一気に2隻分アップします。

扶桑および山城は国産初の超ド級戦艦として36cm砲を首尾線上に連装6基、
合計12門も搭載した壮烈な艦容をもって竣工しました。

しかし太平洋戦争時には主砲を首尾線上に集めた構造上、改装による速力
の増強がみこめずに旧式艦扱いにされ、練習艦としてもっぱら内地にあり
ましたが、就任した艦長の記録によると旧式として問題にされていた内容
は改装後はほぼ全て解決しており、公証値として出されていた速力よりも
実際は数段速く航行することができたといわれています。

扶桑、山城の2隻は1944年のレイテ沖海戦において出撃し、西村艦隊の主力
としてスリガオ海峡に突入、米オルデンドルフ艦隊の猛攻撃を受けて被弾炎
上後、沈没しました。

もともと同形艦として設計された2隻の扶桑型戦艦ですが、改装後の主砲の
配置の違いによって、2隻の艦容は他の日本戦艦の同形艦と比較して非常に
個性的なスタイルの違いを見せています。

特に、第三主砲身が艦橋の後部に収納される扶桑の艦橋は、スペースの問題
から後部がくびれた独特の形状となっており、日本戦艦の中でもきわめて個
性的な艦橋をもつ艦として非常に人気が高いです。




これがその扶桑の艦橋です。真横からみると崩れそうで崩れない不安定かつ
味わい深い形状をしています。扶桑は人気艦の割には良質なキットに恵まれ
ない艦で、ウォーターラインシリーズにおいてはもっとも評価の低い戦艦キ
ットという不名誉な称号まで与えられていたため、こうした良質なレジンキ
ットの登場に歓喜したファンも多いことでしょう。



艦橋後方からです。フロアごとにリノリウムカラーでフロア素材を表現して
います。レジンキットの組み立て塗装はパーツをひとつひとつ手洗いし、イ
ンジェクションキットでは考えられない大きさのバリを除去した後にエアブ
ラシでひとつひとつ吹きつけ塗装を施し、色さしをしながらの組み立てとな
るので、艦橋を組み立てるのはなかなか大掛かりな作業になります。

しかもレジンには多少の反りがあるため、フレームとなる真鍮線を差し込ん
でバランスを取りつつ積み上げていきます。今回はエッチングパーツも組み
込んでいるため、各フロアのバランス調整に苦労しました。



扶桑の中央構造物の様子です。この時代の扶桑はカタパルトを簡易的に主砲
の上に搭載し、簡易的な艦載機用レールから左横にある簡易的エレベーター
に移動し、簡易的に主砲上のカタパルトに載せて簡易的に打ち出していたよ
うです。レールやカタパルト、そして煙突支柱などにエッチングパーツを多く
導入して精密間を出しています。主砲身は真鍮によるもので、副砲身はホワイ
トメタルのパーツを使い分けています。探照灯もファインモールドのクリア
ーパーツによるもので、妥協のないディティールを施しました。



扶桑のサイドビュー全景。ぺったんこな船体からにょっきり生えた不安定な
艦橋。これが扶桑型戦艦、特に一番艦扶桑の味わい深い魅力です。



一方、こちらは2番艦山城の艦橋。3番砲塔の砲身が後ろに向かって収納され
るため、艦橋基部に使えるスペースが多く取れたため、扶桑と比べて比較的
安定した艦橋となり、艦橋以外の部分の配置なども含めて後年の設計となる
伊勢型戦艦にも似た艦容となってます。こちらの艦橋の製作も、扶桑と同じ
く真鍮線を差し込んでバランスを整えながらの作業となりました。この真鍮
線は完成後も見えるものなので塗装してからの差しこみとなりますが、差込
穴などはもともと開いていないのでピンバイスで穴をあけつつの作業になります。



艦橋を背後からみたカット。機銃もエッチングパーツを使用、機銃横には弾
薬箱なども設置しています。



こちらは戦艦山城の煙突まわり。マストヤードや旗竿は真鍮線で自作せよと
の指示だったので扶桑、山城ともに自作しました。こうしてみると扶桑と比
較して中央構造物の形状が随分違います。今回製作したキットは対戦後期の姿
をモデルとしているものとあって、艦載機射出カタパルトの移動や主砲天蓋
のキノコ型通風塔なども時代背景にしたがって性格に再現されています。
もともとの艦容の違いもさることながら、時代の設定もより新しい時代のもの
とあって、この山城は大戦初期をモデル化した扶桑より数段近代的に見えます。



山城のサイドビュー。こうしてみると伊勢型戦艦と見誤りそうな雰囲気すら
あります。いや、伊勢型戦艦以上にバランスのとれた美しい艦容とも言えま
す。扶桑のような複雑怪奇な味わい深さのある艦容も好きですが、この山城
のようなバランスの良い美しいフォルムの戦艦も魅力的です。


**総括**

今回は久しぶりのレジンキットのアップとなりました。インジェクションキ
ットと比較すると製作に非常に手間がかかることはたしかですが、ピットロ
ードのハイモールドシリーズは艦船モデルファンには長年大好評として親し
まれてきたものとあって、そのモールドの細かさ、そして考証の確かさは見
事なものでした。

インジェクションキットで納得のいく完成度を目指すのが難しい艦種という
こともあって、自分のこれまでのギャラリーの中でも特に気に入った2隻と
なりました。






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