1/700スケール 戦艦 扶桑 
AOSHIMA製 インジェクションキット













アオシマ インジェクションキット1/700

戦艦扶桑は大正6年11月、呉海軍工廠にて完成されました。従来日本
の戦艦には国内に存在した国の名前がつけられていたのですが、この
扶桑は日本の別名が命名されました。

これは後の戦艦『大和』でも同じことが言え、当時のこの戦艦にかける日
本海軍の期待の大きさをしのぶことができます。完成時には、当時世界
最大最強を誇り、そして史上初めて基準排水量が30000トンを超えた軍
艦でもありました。

建造直後の扶桑は二本煙突を持つ艦容でしたが、これはすぐに一本に
まとめられ、艦橋も三脚式から椄楼式に改装されました。その際、第三砲
塔を前向きに装備したため、艦橋基部の後部がえぐれた独特の艦橋形
状となり、第三砲塔を後ろ向きに装備した姉妹艦山城と比較して、日本
戦艦としては外艦上の識別が最も明瞭な戦艦となりました。

その後も改装されましたが、連装砲塔を6基中心線上に配置した設計上
の都合から、ジュットランド海戦での戦訓で問題となった防御力不足の欠
点や速力の不足を補うことはできず、大戦中には旧式艦として扱われ、
練習戦艦として内地にありました。

しかし、戦況の悪化に伴い、ほとんど被害を受けなかった扶桑と姉妹艦
山城は昭和19年10月、第二艦隊第二戦隊第三夜戦部隊を編成し、捷
1号作戦に参加。扶桑は速力不足のため、大和、武蔵を中心として他の
艦とは離れ、西村中将指揮の下、別行動にてレイテ湾に向かいました。

その際、スリガオ海峡においてオルデンドルフ提督の率いるアメリカ戦艦
郡の集中砲火を受け、姉妹艦山城と共に壮絶な最期を遂げました。


今回でこのサイトに掲載した扶桑の作例は個別の紹介では4回目になり
ます。

1回目はピットロードハイモールドのレジンキットにて近代化改装直後の
姿を、そして2回目は同じく近代化改装後の姿をアオシマの旧キットで再
現しました。

3回目は1回目の作例とおなじピットロードのレジンキットをベースにスリ
ガオ海峡に向かった扶桑の最終時を再現しました。

4回目の今回は、アオシマから満を持してリニューアルされたリニューアル
キットを使用し、3回目の作例と同じ最終型として仕上げました。

なお、キットは1942年型をベースとして、1944年型に仕様変更を行って
おります。


今回はリニューアルされたキットを初めて使用した作例になりますが、
ディティールアップにも3回目までの製作時には入手の叶わなかったニュー
パーツを多数導入しました。

主なものでは、フクヤ製真鍮挽き物主砲身および、静岡模型協同組合の
「扶桑・山城」 戦艦用 彩色甲板シート、ゴールドメダルの手すりエッチ
ングパーツ、ジョーワールドの精密窓枠および9mカッター用エッチングパ
ーツ、ファインモールド製ナノドレッドシリーズの25mm機銃および探照灯、
フジミの日本海軍艦艇用武装セットの12.7cm連装高角砲等、多数のアフター
パーツを使用し、細部までディティールアップを施してあります。


**船体各部のディティール**



↑アオシマ1/700扶桑リニューアルキット、右舷から その1


↑アオシマ1/700扶桑リニューアルキット、右舷から その2


↑アオシマ1/700扶桑リニューアルキット、左舷から その1


↑アオシマ1/700扶桑リニューアルキット、左舷から その2



↑新発売の「扶桑・山城」 戦艦用 彩色甲板シートを使用して再現した
木甲板の質感および、FUKUYA真鍮主砲身の様子。錨鎖はフラグシップの
精密チェーンによる再現です。



↑特徴的な艦橋は、窓枠モールドを切削し、ジョーワールド製の
エッチングパーツに置き換えてディティールアップしました。
また、舷灯はプラ板で追加しました。



↑後部艦橋付近。12.7cm連装高角砲は、WLリニューアルパーツよりも
形状が実物に近いフジミの日本海軍艦艇用武装セットのものを使用、
25mm機銃もファインモールド製ナノドレッドシリーズの機銃に交換
しました。



↑110cm探照灯も、ファインモールドナノドレッドシリーズのもの
です。レンズ部分を塗り残し、反射鏡にシルバーを下地塗装すること
で、実感のある探照灯を再現しました。



↑9mカッターには、ジョーワールドの9mカッター用エッチングパーツ
(JPE16r)を使用し、メリハリのあるディティールを再現しました。
ボート上にはオールも乗っています。また、少々ピンボケしておりま
すが、25mm機銃のディティールもご覧いただけます。 



↑空中線はナイロンテグスです。ガイシの再現として、ピンポイントに
エナメル塗料で色さしを施しました。

外舷色の塗装は、サーフェーサーによる下地塗装の後、GSIクレオス艦艇色
セットの「SCJ01呉海軍工廠色」を塗装し、考証に基づいた塗色を再現しま
した。

また、塗装方法は細かなタッチアップ部分を除き、全てエアブラシによる
ものです。


↑クリアケースを被せた全体像です。大きさは、横幅が約360mm、
奥行きが90mm、高さが100mm程度になります。


**総括**

扶桑のリニューアルキットはこのサイト初登場です。 

1/700の太平洋戦争期の艦艇自体にかなりブランクがあったわけですが、
先日、スーパーキッズランドプラモデルコンテストに向けて、アオシマ
のリニューアルキットの空母「蒼龍」を製作した際、これまで製作する
機会がなかったリニューアルキットに興味が沸き、日本海軍主力艦では
まだ一度も手をつけていなかった扶桑をぜひ納得のいく形で完成させて
みたいと思うようになりました。

手すりや真鍮砲身、窓枠や空中線といった従来のディティールアップに
加え、まだリリースされて間もないファインモールドの25mm機銃や探照
灯、フジミの高角砲などを使用し、製作を楽しむことができました。

数年前には最も保守的であった1/700艦船模型業界ですが、現在ではホン
の2年ほど製作から遠ざかるだけで、製作方法も使用パーツも大きく様変
わりしてしまい、それまでのスタンダードなディティールでは全く通用
しなくなってしまうことに驚かされます。

1/700戦艦扶桑のリニューアルキットは、1/700空母蒼龍のリニューアル
キットと同じく、新しい時代のスケールモデル界の星とも言えるアオシマ
の技術がいかんなく発揮された名キットと呼べるもので、ディティール、
組みやすさともに完璧と言える製品です。

HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!においては、1/700にて年代順コレクション
を連載しており、いつかこの扶桑にも再挑戦するときがくるはずですが、
それ以前に、近いうちに山城にも挑戦したくなりました。





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