1/700スケール 航空母艦 飛龍 
AOSHIMA製 インジェクションキット













アオシマ インジェクションキット1/700

先日、スーパーキッズランドプラモデルコンテストにおいて、アオシマ
賞を受賞した『蒼龍』を製作して以来、アオシマの1/700リニューアル
キットに非常に興味が出まして、前回の『扶桑』に引き続いて、今回は
『蒼龍』の妹の『飛龍』を製作しました。

HIGH-GEARed's HOBBY WORKS!!を長年ご覧になっている方はご存じかも
しれませんが、当サイトでの飛龍の作例は、単品のギャラリーだけでも
1/700で4回、1/500で6回と、合計10回もの製作歴があり、大変思い入れ
の深い船です。

それだけに、いつもと同じような作例になってしまうと面白みがないの
で、今回は実験的に、普段あまり艦船ではやらなかった汚し塗装を施し、
艦橋に防弾用のハンモックを巻いてみるなど、作戦行動中のイメージで
製作しました。

なお、今回ディティールアップに使用したパーツは

ゴールドメダルPE14「1/700 日本海軍 空母用」
ハセガワ 空母用人員救助網セット
ファインモールド ナノドレッドシリーズ25mm機銃
フジミ日本海軍艦艇用武装セット
シールズモデルの日英海軍艦艇装備
WAVE TケースWM
波型アクリル板

がメインです。

空中線支柱の一部と高角砲射界制限枠は真鍮線で自作しました。その他、
舷灯等も自作しています。

艦載機は前期型の日本海軍艦載機セットをふた箱追加して零戦6機、97式
艦上攻撃機16機を搭載しました。

なお、飛行甲板にはあと2機分の駐機スペースを残し、真珠湾第一次攻撃
隊の艦攻18機を整列させようという情景を再現しました。

**実艦について**

昭和5年のロンドン軍縮条約下において建造された空母が『蒼龍』『飛龍』
であり、昭和9年度軍縮拡充計画によるものでした。

設計は飛龍に先駆けて昭和12年度に完成した蒼龍の運用実績を踏まえ
た上で各種改良が施され、発艦する艦載機の邪魔にならないようにと
艦橋を船体中央部に配置することになり、右舷側だと煙突の排煙の影響
を受けるという理由から左舷側に配置されました。

この改良は操艦性を左右する重量配分という点では好ましい配置ではあ
ったのですが、これは着艦する艦載機に艦橋が起こす気流の影響が働い
て結果的には艦載機の搭乗員には評価されませんでした。(この教訓か
ら以降の空母では右舷側の配置となります)

しかしこうした問題は指摘されたものの飛龍の設計は世界的にも極めて
優秀なもので、34ノットを越える超高速性能、強靭な防御力、57機とい
う搭載機数など、当時最新鋭の近代型空母として活躍が期待されました。

連合艦隊史において知勇兼備の名将として知られる山口多聞提督指揮の
もと、その戦歴も華々しいもので昭和16年12月8日の真珠湾攻撃をはじ
めとして、ウェーキ攻略、ジャワ、ニューギニア方面掃討戦、インド
洋作戦においては飛龍発艦の艦爆隊が脅威的な命中率で英国空母「ハ
ーミス」重巡洋艦「コンウォール」を撃沈する成果を上げました。

ミッドウェー海戦においては、情報が錯綜する中での兵装転換作業の最
中、飛来した米国艦爆隊急降下爆撃によって寮艦『赤城』『加賀』『蒼龍』
の3大空母が大損害を被る中、唯一無傷で生き残り、米空母への攻撃を
続行、米空母「ヨークタウン」を航行不能に陥れました。しかし、残り
2隻の米空母を発艦した攻撃隊からの空襲で直撃4発、至近弾2発を被弾し、
航行不能に陥りました。

その後、飛龍は駆逐艦「嵐」「野分」によって雷撃撃沈処分がなされまし
たが沈没せず、後に味方空母鳳翔の偵察機によって漂流するすがたを発見
されたものの、その後2度とその姿を見られることはありませんでした。



↑アオシマ1/700飛龍、右舷から1



↑アオシマ1/700飛龍、右舷から2



↑アオシマ1/700飛龍、左舷から3



↑アオシマ1/700飛龍、左舷から4



↑アオシマ1/700飛龍 真上から


**船体各部のディティール**


↑船体中央部。駐機中の零戦の様子。艦載機のプロペラはゴールドメダルのエッチング を使用し、マーキングは全て手描きしました。



↑97式艦上攻撃機は16機が飛行甲板上に並び、うち一機は翼を折りたたんだ状態で
昇降機を使用して飛行甲板に上げられた直後をイメージしています。空中線には
極細テグス(モノスレット)を使用しました。



↑艦橋に巻かれたマンレットは、シールズモデルの日英海軍艦艇装備セットのものを
使用しました。



↑対空兵装のパーツは、高角砲はフジミの日本海軍艦艇武装セットの物を使用し、25mm
機銃はファインモールド製ナノドレッドシリーズの機銃を使用しています。高角砲射界
制限枠は0.3ミリ径の真鍮線で自作しました。



↑空母『飛龍』左舷前部の様子。舷灯はプラ板による自作、空中線の一部には白塗装
でガイシを再現しました。舷側の汚し塗装の様子もご覧いただけます。



↑ファインモールド製ナノドレッドシリーズの25mm機銃のアップ。高価なパーツですが
艦船モデラーが待ち望んだ超精密なパーツです。


**塗装について**

タッチアップ部分を除いて、塗装はほぼ全てエアブラシ塗装です。 

サーフェーサーで下地を整えた後、船体外舷色はGSIクレオスMrカラーの32番「軍艦色2」
を使用しております。横須賀工廠で建造された飛龍の設定に合わせた塗色です。

飛行甲板も鉄甲板部はSC01、木甲板部はMrカラーNo58黄橙色を下地に塗装し、MrカラーNo19
サンディブラウンを塗装、コンクリート貼りと思われる部分はNo31軍艦色1です。

汚し塗装は主にエナメル塗料によるウォッシングとドライブラシ、ウェザリングマス
ターの筆塗りと擦り付けによるものです。 最後に艶消しクリアーで表面を保護すると
同時に質感を整えました。


**その他**

ウェーブのTケースWMのベースと模型の間に市販のアクリル波板を塗装して挟み、航行波
を自作してジオラマ仕立てにしました。 船底裏側にはナットを仕込んでいるのでベー
スと海面プレート、船体はボルト接合で取り外し可能です。



↑作品はウェーブのTケースWMに収納。埃の付着の心配なしです。




**総括**

空母飛龍は、HIGH-GEARedが小学生の時に初めて完成させた1/700艦船模型ということで、
大変思い入れのある空母です。

その後、キットは2003年にリニューアルされ、説明書がなくても作れるようになるくらい
何度も完成させたものですが、今回は汚し塗装を入れるなど、今までの作品とは少し違っ
た雰囲気で仕上げてみました。

先日の『蒼龍』のギャラリーで「飛龍リニューアルから蒼龍リニューアルまでの6年の間の
アオシマの技術の向上は素晴らしい」という内容の文面を掲載させていただきましたが、
久しぶりに飛龍を製作して思ったのは「新製品の蒼龍と見比べてもほとんど遜色がない!」
ということです。

新製品の『蒼龍』は本当に素晴らしいキットですが、同じように最新のパーツ(ナノドレ
ッド機銃やフジミの高角砲)さえを組み込んでやれば、6年前の『飛龍』は一か月前に発売
された『蒼龍』にもほとんど見劣りしません。 それだけ、船体や構造物などの出来が
しっかりしたキットだということでしょうね。

しかしそれにしても、前回も記載したことですが、ファイン機銃やフジミ高角砲などの
最新マテリアルの威力には驚かされるばかりです。 特にファイン機銃は艦種によっては
膨大な出費を強いられる危険性が高いものの、一度これを味わってしまうと、もう他の
機銃では納得いきません。

HIGH-GEARedは2年ほど前に、将来製作予定の「1/700年代順コレクション昭和期
シリーズ(?)」の時のために、ピットロードの装備セットを(←主に機銃を使用する
ために)買いためてあったのですが、残念ながらこれらはナノドレッド機銃に総入れ替え
になりそうです(笑)

また、フジミの高角砲も制度が高くて危険なパーツですね(笑)。しかし一隻分揃えるの
に金剛型戦艦の主砲塔まで付属してくる分、無駄が多いので、高角砲や対空兵装単体での
商品化があればありがたいと思います。






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