AW11の足回り



このコンテンツはAW11を買ったばかり、またはこれからいじり始める方を対象に
しています。よって、AWに長年乗っておられる、または足回りに詳しい方はご遠
慮ください。(笑)足回りの作り方は、個人差がありますので「これは違う」「
ここはこうした方が良い」などのツッコミもご遠慮願います。(笑)ここではHI
GH-GEARedが感じ、考えたAW11の足の作り方を掲載していきます。





***AW11の重心とショックのストロークについて***

低く押さえられたフロントボンネット、そして特徴的な垂直におちたリアウイン
ドウやリアのエンジンフードの様子から重心の低い安定感のある印象を与えるAW
11ですが、実際はFF用のコンポーネントを流用しているためにエンジンの搭載位
置が高く、またFF、FR車とくらべて隔壁がひとつ多いこともあって実際の重心は
同じテンロククラスの中では極めて高い部類に入ります。

重量的にハンデがあるのはもちろん、この高い重心こそが、同じ4A-G搭載のAE86
その他にスペックで勝っているにも関わらずAWで勝ちに行くのが難しい大いなる
原因といえます。

すなわち、AW11の戦闘力を他のチューンドテンロク車に負けないレベルまで持って
いくにはまず重心を下げることが必要になってきます。しかし、AWでそこそこ走
られている方はお分かりになると思いますが、AW11の車高をいじってもデメリッ
トばかりでロクなことがない。最近、話題のバンプステアをはじめ、ロールセン
ター、ストロークの不足など、数え切れないほどの問題をひきおこします。

中でも問題はこの『ストローク』です。ここではとりあえずこのストロークの縮
み側についてのみ説明していきます。AW11が設計された時代はまだ足回り交換
だけでも公認取得が必要だった時代ですから、現在の車のように車高を変えて使
うことなど一切考慮に入っていません。ましてや、あのひくいボンネットフード
が災いしてフロントのストロークなんてノーマルスプリングにノーマル車高でも
すでに足りないくらいです。

しかし、AW11の重心を下げることによるメリットは意外に多く、ストロークさえ
しっかり確保されていれば、ロールセンターやバンプステアのデメリットを相殺
するレベルまで持っていくことも可能です。(もちろんロールセンターやバンプ
ステア対策がしっかり施されていればなお一層の効果が期待できるのは言うまで
もありません)

AWの足を語る上ではまず何より『ストローク』。イチもニもなくまずは『ストロ
ーク』。バンプやロールセンターを語る前に何よりも『ストローク』が肝心です。






***まずは街乗り+アルファの仕様を目指そう***

まず、重心を下げ、バネレートをアップした第一段階の仕様を解説します。

重心を下げる目的でノーマル形状の足を使ってローダウンした場合、AW11の車高
はノーマル比1〜2cmダウンくらいが適当になります。このレベルだとロールセン
ターやバンプステアにも影響を与えることが少ないので扱いやすい仕様といえます。

AW11をノーマル+アルファの感覚で乗りたいのでしたら、足のチューニングはこ
れくらいにとどめておくのがベターです。もちろん、ショックはストリートレベ
ルのものに変えておいてください。バネレートはフロント2,4kg/mm、リア4,8kg/
mmあたりが乗り心地もあまり犠牲にせずに乗りやすいレベルでしょう。

上記のセッティングでHIGH-GEARedのオススメのダウンスプリングはkg/mmのDR21
です。これはバネ自体がとても軽く作られていて、その重量はRS☆Rのダウンサス
ペンションと比較して−20パーセントくらいです。HIGH-GEARedも装着したことが
あるのですが、とても良く動くしなやかなコストパフォーマンスの高いものでした。

デュアルレートのスプリングはこのみがわかれまずが、街乗りプラス時々ミニサ
ーキットくらいの仕様には丁度良いと思われます。kg/mmのダウンスプリングには
ストロークを考慮して、バンプラバーカットの目安が同梱の書類に記載されてい
るので、記載どおりにバンプラバーをカットしてストローク対策を行ってください。


こうしてノーマル形状の第一段階が完成したわけですが、AWのスピードレンジが
あがりまた、グリップの高いタイヤを使用して、よりハードに攻め込む走りを目
指した場合、AW11の最大の泣き所、アンダーステアによりアクセルを充分に踏め
なくなってしまい、より上のバランスセッティングを目指す必要に迫られてくる
と思います。ここから先はAW11界で常套手段になっている足作りとHIGH-GEARedが
考えたお金をあまりかけないで済むセッティングのノウハウを掲載していきます。





***アンダーステアの原因***

AW11のアンダーの原因には主に3種類あります。ひとつはフロントの荷重の不足、
ふたつめはブレーキング時のバンプタッチによる荷重ヌケです。ひとつめの原因は
フロントの軽さ、ふたつめはやはり上記したストロークの問題、3つ目は荷重によ
ってトーが開く、いわゆるバンプアウトです。3つ目については別項でまた紹介し
ますので、この先では一つ目と二つ目の対処法をご紹介しましょう。

バンプラバーを規定分カットした上で1〜2cm程度のダウンは問題ないと上記しまし
たが、それはあくまで街乗り+アルファの話であって路面の悪いワインディングや急
激な加減速が多い中高速サーキットではバンプや縁せきに乗ったさいに上記のダウ
ン量、バネレートではしばしばショックを底付きしてしまい、大きく挙動を乱して
しまう危険性があります。特にバンプタッチによるブレーキロックはリカバリーが
難しく、非常に危険です

アンダーの原因ひとつめであるフロント荷重の不足は車高を前下がりにすることで
ある程度解決可能です。こういった前傾姿勢を作ってやるためには車高調整式のシ
ョックを組むのが手っ取り早いですが『そんな高価なものは買えないよ〜』という
方がほとんどでしょう。そこで車高調にしないで前傾姿勢を作り、なおかつフロン
トのストロークを稼ぐ方法を解説していきます。





***車高調を使わずにフロントストロークを確保する足作り***


ここではまず、車高を前傾姿勢にもっていく前の準備段階から話をはじめましょう。
準備ができてない状態で車高だけを前傾姿勢に持っていくとそうでなくても足りな
いストロークがさらに足りなくなってしまい、街乗りレベルでも足を底付きして大
変危険です。車高の調整とストロークの確保は必ずセットで行ってください。

まずはフロントのショックのストローク確保ですが、一番簡単なのはバンプラバー
を外してしまうことです。しかし、これでは底付きした時の挙動に与える影響が大
きく、またショックを破壊してしまうリスクも高くなります。それにバンプラバー
を外したくらいでは十分なストロークを確保することはできません。そこで、ショ
ックのショート化とシェルケースの加工を行います。

何度も同じことを書いていますが、AW用のショックはストロークが足りないので、
AWの物より全長が短いものを流用し、シェルケースの長さをつめることで、縮み側
のストロークに関してはAW11のノーマルより確保することができます。リアはノー
マルでもさして問題ありません。

ストロークを伸ばす方法はいろいろですが、結果的にどれくらいのストロークが必
要か?という話になると、一般的なサイズのタイヤ(外径570〜600mm)でインナー
フェンダーにタイヤがバンプしてあたるくらいが理想です。しかし、やはりバンプ
ラバーを外した程度では、ここまでストロークをかせぐことはできないのでショッ
クのショート化などの対策を充分に施しておくのが理想でしょう。

こうしてフロントのストロークを確保したら、次ぎは車高調整です。現在AW11用に
販売されているダウンスプリングはその多くがフロントとリアを別々に購入可能で
す。例えば、TRDのローハイトスプリングとRS☆Rのハードダウンサスペションは同
じデュアルレートスプリングでレートはF2,9、R5,0で同じ数値です。(デュアルレ
ートですので全く同じものとはいえませんが)そして車高はTRDの2,5cmダウンと比
較してハードダウンは3,5cmダウン。これらを組み合わせることで車高調を使わずに
フロントのストローク確保&前傾姿勢を手軽に手に入れることができます。ショック
は減衰力の調整ができるものだとさらにセッティングの幅も広がることでしょう。


つづく



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