フジミ 1/700巡洋戦艦『天城』一本煙突
歴史群像特別編集誌 掲載作品









FUJIMI 1/700

2011年5月のの静岡ホビーショーには、1/350戦艦 扶桑と1/24トヨタMR2LM-GT1の出展を予定していたのですが、以前から企画していた1/700巡洋戦艦 天城を雑誌に掲載していただく話が急に進んだため、締め切りの関係で急遽、出展作品に追加することになりました。

(実際に掲載されたのは、完成から2ヵ月半後の7月末のことで、学研パブリッシング出版『歴史群像シリーズ 帝国海軍の礎 八八艦隊』の見開きページとP99に合計5枚の写真が掲載されました)

なお、この天城(巡洋戦艦)という船の実艦は(建造中に空母への設計変更が行われるなど混乱した状況下、関東大震災で被災するなどしたため)実際には完成することのなかった未完成艦で、フジミからのキット化には大変驚いたのですが、今回はこのキットを改造して、通常は二本煙突のところを、更にマニア好みの集合煙突版に作り替えるという試みをしてみました。

資料に関しては まるゆ艇製作以来、公私共に大変親しくしていただいている兵器研究家の国本康文さんに提供していただいた公式図面を使用し、プラ角材を芯にして基本形を組んだうえで、パテ成型を施しました。

一緒に写っている観測気球もパテによる自作で、透明アクリル棒を使って宙に浮かせてあります。

未完成艦のさらなる未完成バージョンということで、なかなか面白い作品になったのではないかと思います。






右舷からの見下ろしアングル。作品は煙突と気球以外は基本的にフジミのキットにフジミのエッチングと木製甲板の組み合わせです。パーツ数も適度で非常に組みやすく、大正期独特の日本戦艦らしい艦形も相まって、大変魅力的なキットです。



煙突はキットでは2本煙突ですが、ここでは入手した資料を基に、集合煙突に作り変えてあります。基本的にプラ角棒の切り出し→接着→削り出しという工程で仕上げてあります。蒸気捨管に関しては何の資料もないので、2本煙突のキットパーツの形状から基部の位置を合わせ、あとは推測で集合させました。



観測気球は、国本氏提供の図面に一緒に掲載されていたもので、他艦に搭載されていたものの写真などから形状を推測し、エポキシパテで自作しました。31の番号は、資料を基にした推測によるものです。


**総括**


今年の静岡ホビーショーでは、非常に珍しい一本煙突の天城の製作に携わることができて、大変良い思い出になりました。

もともと大正期の日本艦艇の艦容が好きだったので、フジミの天城はぜひとも欲しいと思ったものですが、思いもかけなかった形で思い出の作品となり、大変満足しております。

なお、この模型のために、プラ材削りだしでスクラッチした煙突は、形状を修正してレジンで製品化する予定を立てていたのですが、(大変ありがたいことではあるのですが)ホビーショー以来、依頼製作の嵐がまったく鳴り止まず、頓挫したままです。

もう一点、真鍮線細工で製品化したいパーツがあるのですが、こちらもなかなか進みません。(お待たせしまして申し訳ございません)

模型を仕事にすると、ほんとうにいくら時間があっても足りませんね

とはいえ、独身時代より時間的には自由が効くようになったので、これからも業務、プライベートを問わず、製作を頑張りたいと思います。


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